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ウダイプル(インド)2017


Udaipur ウダイプル

 ウダイプルも前回のジャイプールほどではないけれど有名な美しい観光地の一つとして挙げられている。しかしながら近年においては他の大都市同様に交通量増加による大気汚染は深刻らしい。昔はチョーラ湖に浮かぶ宮殿は美しく多くの観光客を魅了しているけど、近年はいつもどんよりとしているという。そのためかウダイプル中心部への車の侵入は自由にできなくなっている。それでもチョーラ湖を中心とした美しい街並みは多くの人を虜にする魅力を秘めている。ジャイプールにくらべれば当然ではあるけれど、こちらの方がまだアンベール城のように人波に飲み込まれることはまずない。

ウダイプルの中心をなすシティパレスは圧巻のひとこと。当時のマハラジャの贅を尽くした生活はウダイプルだけに限らないが世界が違う。しかしその金と権力の一極集中がインド文化を代表する建築物などに向けられその結果、宮殿や宝飾などが歴史に名を残していったことを考えると必ずしもカーストがあってのインド文化ではなかったのかと思わざるをえない。中世あたりにおいては石材や宝飾、金属などの加工技術が洗練され権力の一極集中によってインドだけでなく様々な国でこのような美術や建築が花開いていった。だからそういったものが栄えるには、平民の貧困は無視され富の極端な不平等というのが存在していた上での繁栄があった。もちろん時代として現代に当てはめるのは無理であろうけど。

シティパレスを見学した後、夕日を撮りにシティパレス裏手のチョーラ湖畔を歩くと音楽隊がやってきた。おそらく観光客を楽しませるためであろう。隊員にはバグパイプを抱える者もいる。きっとイギリスの植民地時代に持ち込まれたものであろう。こんなところにもイギリスの影響力を見るとは不思議ではないにしろ、インド人の軍楽隊がバグパイプを演奏するのは不思議な感覚ではあった。やはりバグパイプにはスカート状のキルト衣装の方がよく似合う。


 チョーラ湖の周辺にガート(ヒンズー教の沐浴するところ)が点在している。その一つをのぞいてみた。髪の毛を剃り落とし、ヒンズー儀式が執り行われていた。


クンバルガル    Kumbhalgar

 ウダイプルの次は近郊のクンバルガル(Kumbhalgar)とラーナクプル(Ranakpur)に足を運んだ。ウダイプル観光でラーナクプルに寄る方は多いと思うが、個人的には是非クンバルガルも! あまり本には載っていないと思うが山の上に築かれた要塞はとても素晴らしい。このクンバルガルまでに行くには結構な山道で、曲がるくねった道路を突き進むといきなり山の上に姿を現してくる。とても辺境の中の要塞というイメージであるのだが、実は調べると昔はメーワール王国の首都であったらしい。さらに帰国後にわかったことではあるが世界遺産の一つだった(笑) 登録は ラージャスターンの丘陵城塞群の一つとして登録されている。首都であったからには昔はきっとかなり多くの人が住み栄えていたはずだ。しかし寂しいことに今となっては要塞がある以外に首都としての過去の住居跡のような住民の存在感がほとんどない。長い歴史の中で人々はここを離れてしまったようだ。

 世界遺産であるから一応そこそこ有名であるハズである。が不思議なことになぜか観光客が規模の割にかなり少なかった。特に外国人となるとほとんど要塞内に自分以外はほとんどいない。ちょっと世界遺産としては寂しい感じはあるけれど、要塞としては実にいい感じで保存されている。特に要塞正面にヒンズー寺院が並んでいて、こちらの寺院サイドから要塞を眺めると奥行きが出せていい感じの絵になる。


ラーナクプル    Ranakpur

 ラーナクプルはジャイナ教を代表する美しい寺院だ。実はクジャラートのパリタナ寺院群を過去において見たことがあるだけに感動がちょっと少なかった。やはりパリタナはジャイナを堪能するなら後回しにしないといけないのかもしれない。ジャイナ教寺院は基本的に内部撮影が禁止されている場合がほとんどであるがこちらは撮影可能。こちらの方が知名度はクンバルガルよりはるかに上ではあるが世界遺産ではなくパリタナも世界遺産ではなかった。いつも思うけどインドというのは実に広大で世界遺産でなくてもとんでもない建築物が存在する奥深いエリアでもある。


 ちょっと食事の話でも。時々日本とインドで同じであるハズの食材がなぜか見た目がかなり異なることが時にある。下の写真は茄子のフライのカレーであるけど、一瞬何かよくわからない。東南アジアや南アジアで時に食卓にならぶ茄子はこのような感じで丸くて身がしまっていて紫というよりも緑っぽいタイプがよくある。加熱すると日本の茄子だとシナシナとなってしまうが、こちらのは結構しまっている。味はそれほど変わらないけど歯ごたえを感じる美味しさだ。


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