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新緑茶「颯(そう)」開発担当者にいろいろきいてみた!

皆さんこんにちは!

3、4月は食品、飲料の新商品が多く、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでも「新発売」「NEW」といった文字を目にすることが多いかもしれません。実際に初めて購入したり、試してみた商品があるという方もいらっしゃるでしょうか。

当社もさまざまな商品を発売していますが、そのなかから今回は12年ぶりに発売した緑茶「颯(そう)」をピックアップ!4月4日にデビューしたばかりの新商品の開発の裏側を担当者に聞いてきました!

【プロフィール】

飯島 宙子(いいじま みちこ)
アサヒ飲料株式会社 マーケティング本部 マーケティング二部 お茶・水グループ所属。
お茶系商品の商品開発担当。趣味は4年前に始めたサックス。

キーワードは“香り”


―――普段のお仕事の内容を教えてください。

マーケティング部でお茶系商品の開発担当をしています。新商品のコンセプト検討や関係各部と協力して中味やデザインづくりなどを行い、製品化に取り組んでいます。

―――「颯」開発にはどういった背景があったのですか。

実は当社にとって、緑茶の新商品開発は長年の課題でした。近年、当社は緑茶商品のご提案を十分にできていませんでしたが、より多くの皆さんに当社商品を飲んでいただくには国内で飲用規模が大きく、多くの方にとってなじみ深い緑茶カテゴリーは避けては通れない道でした。そこで、約1.2万人の生活者の声を参考に、多くの方向性の商品アイディアを出し、そのなかで「香り」というキーワードに到達しました。

―――「香り」というキーワードに行きついた経緯についてもう少し詳しく教えてください。

直接的なきっかけは、放香堂の茶師十段の酢田さんとお会いし、萎凋(いちょう)緑茶を教えていただいたことでした。いろいろなアイディアを検討していたなかで、いくつかのお茶屋さんを回らせていただいたのですが、そのなかで放香堂の酢田さんとの出会いがありました。茶畑を見学し、酢田さんに萎凋緑茶の提案をいただきました。

茶師十段・酢田恭行さん

―――「萎凋緑茶」とはどのようなものでしょうか。

収穫後の茶葉をしおらせてつくった緑茶で、華やかで爽やかな香りがします。一般的な、全く発酵させない「不発酵茶」の日本茶とは異なり、畑で収穫後の茶葉をしおらせて、休ませます。それにより茶葉をわずかに発酵させることで、茶葉から香気成分の発生を促します。手間のかかる製造方法のため、現在日本での生産量は15tと、日本の緑茶生産量のわずか0.02%ほどとも言われています。

萎凋緑茶の茶葉

―――他のお茶商品と「颯」の差別化ポイントはどのような点ですか。

「香りまでおいしいお茶」というコンセプトが差別化ポイントと考えています。具体的には、萎凋緑茶に教えてもらった華やかで爽やかな香りが特長です。口に含んだときと飲み込んだ後と2回華やかな香りが立ちのぼり、2倍香ります。本当に良い香りがするんです。鼻からぬける香りを感じて、気持ちがすっきりする。そんなおいしいお茶に仕上がっています。酢田さんからも「おいしいお茶=いい香りのお茶」と教えていただき、本当にその通りに仕上がったと自負しています!

―――茶畑の視察なども何度も行かれたそうですが、どのような感想を持ちましたか。

あたり前のことですが、茶葉は農作物で、毎日生産者の方が天候を気にしながら茶を育てて下さっています。その年、そのときの状況に応じて収穫時期を見極めるなどの対応もあり、そのおかげでおいしいお茶が飲めるんだなと再認識し、ありがたく感じました。

視察に行った鹿児島の茶畑

―――容器も新しく開発し、サステナブルに配慮されているそうですね。

主にスーパーマーケットなどで販売するPET620mlの容器は、同容量帯の重量と比較して軽いです。極力新たな資源を使用しないようにボトル一本当たり15.4gに抑え、使用する樹脂量が少なくなるよう工夫しました(※)。また、ラベルの印刷に使用するインクとして植物由来を原料にしたバイオマスインクを一部使用しております。

※一部別の容量のものもございます。

エコな取り組みを商品ラベル上でも訴求しています


多くのお客様に楽しんでいただくために


―――「颯」の開発で特に苦労したことは何でしょうか。

社内での承認でしょうか(笑)。そもそも今ある商品に満足されている方も多く、生活者の方、流通の方も新しい緑茶はいらないと考えていらっしゃる方も多かったと思います。しかし、「本当かな?」と。何かとストレスの多い日常の中で、もっと皆さんのお気持ちに寄り添いたいと思いました。そこで、香りの力で、ふっと気持ちが軽くなるような緑茶があったら、それは緑茶市場を活性化させることにつながるのではないかと考えたんです。競合企業の緑茶商品が台頭しているなかで大きな挑戦でしたので、社内で話を進めていく際にさまざまな意見もありました。そのなかで検討・開発には約2年かかりましたが、多くの方に協力いただき、一つ一つ課題をクリアして発売に至りました。

―――飯島さん自身もお茶カテゴリーの商品開発担当歴が長いですが、どのような想いで担当されましたか。

以前にも緑茶の新商品開発を担当していた時期がありましたが、その時は承認が得られず、発売には至りませんでした。今回は個人的にも再チャレンジの形でした。緑茶は競合企業から発売されている主力ブランドの存在が大きく、差別化しようと尖りすぎると、ニッチな商品になってしまうんです。そういったジレンマの中で、どうやったら、世の中の多くの皆様に認めてもらえる商品になるのかと真摯(しんし)に取り組んできました。王道感と革新性の両立が開発の際のテーマで、緑茶であることはわかりやすく、かつ「香り」という新しいテーマを魅力的にお伝えできるように心がけました。

笑顔で開発を振り返る飯島

―――今回、アサヒ飲料のチャレンジとして特に意識したところはありますか。

「颯」の発売をきっかけに、売り場などで改めて「十六茶」「和紅茶」のほか、当社のさまざまな商品も手に取っていただける機会にもつながるようにチャレンジしました。

左から「颯」、「十六茶」、「和紅茶」

―――「颯」を通じて、100年先の未来へ届けたい想いや願いを教えてください。

香りまでおいしい緑茶である「颯」が100年先の未来でも、一人でも多くの方にとって気持ちを切り替えて前を向きたい時になくてはならないお守りのような存在になれたら最高ですね。

サイズも多数展開しております!左からPET2L、620ml、500ml、275ml

―――読者の方へのメッセージをお願いいたします。

新発売の「颯」をぜひお試しください!華やかで爽やかな味わいで、気持ちも体もすっきりしていただけたらうれしいです。

―――ありがとうございました!

 

容器にもこだわり!


「颯」の魅力は多岐に渡り、ぜひ容器にも注目していただきたいと思っています!そこで、生産部門で包装資材の安定生産や供給業務にあたっている社員にも話を聞いてきました!

【プロフィール】

近藤 祐也(こんどう ゆうや) 
アサヒ飲料株式会社 生産本部生産部資材開発グループ所属。包装資材の生産管理担当。
趣味は登山(キリマンジャロにも登りました!)。

―――新規開発したPET620 mlの「颯」のボトルについてこだわりポイントを教えてください。

新規性のある形状です!ボトル全体にうねりを持たせ、香りが漂うイメージを体現しています。特に非対称な肩部はあまり見かけない形なので、いろんな角度から眺めて楽しんでいただきたいです。また、胴部に入っている切子(きりこ)模様は「和」や「伝統」を表現しているのですが、個人的にはこの模様の触り心地がお気に入りです。

うねりや切子模様があしらわれたデザイン

―――新しく採用されるボトルを工場に導入するために検討したことや苦労したことはありますか。

開発当初は新規性のある非対称な肩部形状のため、製造工程の凹みが懸念されていました。工場の皆さんと協力し、リスクとなるポイントの洗い出しとPETボトルの生産条件の調整など事前検証を手厚く実施しました。

―――新ボトル導入に携わった感想はいかがでしたか。

商品は多くの方に支えられて世に出ているのだなということを改めて実感しました。工場、研究所をはじめとした社内関係者に留まらず、社外の協力工場様、資材サプライヤー様など、各分野のプロフェッショナルに多大なご尽力をいただき作り上げた一つの作品と思っています。

―――読者の方や「颯」を手に取ってくださるお客様にメッセージをお願いします。

くるくる回して色々な握り方をしてみたり、光に透かして見たり、模様を愛でたり、自分なりの楽しみ方を見つけていただければと思います!その際はぜひラベルをはがしてお楽しみください!

本人が実際に眺めたり、模様部分を触って楽しんでいる様子から
商品への愛情が伝わってきました!

―――ありがとうございました!

見て、触って、飲んで楽しんでいただける新商品「颯」!ぜひお手に取っていただき、さまざまな楽しみ方をしていただけるとうれしいです。

動画では公式キャラクターのニコが取材に行ってくれた様子をお届けします。そちらもぜひご覧ください。
※YouTubeの公開は4/19(水)10:00予定です。



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