見出し画像

【エッセイ】ケツカレー

 金曜日は出前の日。いつからか、私が注文のとりまとめをするようになった。
 メモ用紙に各自でオーダーを記入してもらい、その場で精算する。これがなかなか時間のかかる作業だ。
 注文の電話をかける前に、内容を確認する。「日替わり肉」「親子丼」「唐揚げ大盛」…

「ケツカレー」?

 控え目な小さい文字は、どう見てもケツカレーと書いてある。何度見直しても、近づいても離れても結果は同じだ。
 「今日はカツカレーで」と言った彼の言葉がよみがえる。いや、ケツカレーって書いてるやん。心の中でツッコミつつ、お店に電話をかけた。
 かくしてカツカレーは無事に届いた。(残念ながらケツカレーなるものは届かなかった。)
 そして本人には言えないまま、ケツカレーの衝撃は私の心の中にしまってある。

より素敵な文章となるよう、これからも長く書いていきたいです。ぜひサポートをお願いいたします。