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ちょっと性別不明の友人がいます -1-

序章はこちら

1. 初めてサワに出会った日

サワとの出会いは大学1年生。
記憶力の悪い私がなぜか覚えているサワとの出会い。

たしかその日は新入生オリエンテーションで
サークル紹介が行われていたその棟には
ピカピカの1年生がたくさんいて
なんだかざわざわしていた。

私は誰といたのか、何をしていたのか
今となってはほとんど思い出せないが
あの日サワと出会ったことは覚えている。

先に断言しておくが
サワが目立っていたわけではない。

サワはサワに似たような子と一緒にいた。
2人ともかなり短いショートカットでスラリとしていて「高校時代はスポーツか何かをしていたのだろうな」と誰もが思うような見た目だった。

初めて会った日のサワ

気になるサークルの近くで目が合って
何かを話したんだったっけ。
「こんにちは。1年生ですか〜?」とか
「どこのサークル見ましたか?」とか
そんな感じだったと思う。

だけどその見た目から
私が仲良くなるタイプではないな、と
無意識に思った。

人は見た目が9割なんて言うが
実際は「人は見た目が100割」だ
と、勝手に私は思っている。
異論は認める。

体育会系で化粧っけがほとんどない、という見たまんまの印象は、ある意味私の記憶には残ったがその場ではサラっとした関係でおわることになった。

そんな私の見た目はどうだったかというと
いわゆる大学デビュー…にはまだ少し届かない
黒髪でメガネで、でも花柄ワンピースやヒールのあるパンプスを履いて。

あの時サワはどう思っていたんだろう。


実はサワに聞いてみた。
ドキドキしながら文字を打つ、
「仲良くなれるタイプじゃないと思ってたんだよね」
と。
無意識にスマホを持つ手に力が入る。
13年越しにサワの第一印象を伝えつつ
私の第一印象を聞いてみると
「そうなんだよ、仲良くなれないなと思ったから暫く近づかなかった」
とすぐ返ってきた。
スマホを持つ手が一気に緩む。
なーんだ、同じこと思ってたんだ。
返事の内容は嬉しくないはずなのに
なぜかにやにやしてしまう私がいた。


話を大学時代に戻そう。

その後、私たちは
運命か偶然か同じサークルに入り
濃密な4年間を送ることになる。

ちなみにサワと一緒にいたチサトも同じサークルに入り今でも仲の良い同期の1人である。(チサトはやはり高校でバレーボール部だったらしく、社会人になった今もずっとバレーを続けている。)

ここまで書いていてもう1つ思い出したことがある。
サワとチサトを見た時、一瞬カップルかと思った。
2人の雰囲気と空気感があまりにも似ていたから。
ということは私はサワを男かも?と思ったのか。
でも話した後は
ただ雰囲気が似てるだけの2人なのかな?
…どっちでもいっか、
くらいサワに興味を持たなかった。

毎日毎日たくさんの人に出会う大学生活。
少しでも“仲良くなれそうな”友達の
顔と名前を覚えるのに必死だった。

でもきっとこの出会いを覚えているのは
性別不明の人に出会うのが
人生で初めてだったからだと思う。

そして出会いのことは覚えていながら
サークルで再会したことや
それからどうやって仲良くなっていったかは
あまり覚えていない。

サークルがあまりにも忙しかった。

そもそも私たちの大学は、国際色が強い文化系の大学。そして私たちが入ったサークルは大学設立当初からあり、真面目でややお堅めのボランティアサークル。
活動はタイでの教育支援だった。

タイと言えばLGBT先進国。
13年前、まだまだ日本ではLGBTなんて言葉すら、ほとんど聞かれなかったその時に出会ったタイという国。
見たことも聞いたこともなかったLGBTとそれ以上にある多様性。

「タイには性別が18タイプあると言われています」
タイ人が教えてくれた、あの衝撃を今でも覚えている。タイでボランティアをするにあたり、タイの文化も学ぶことになった私たちはしばらくその話題で持ちきりだった。

次回はそんな私とサワとタイとの話。


「サワと私の13年間」
愛を込めて「サワわた」!!!
ここまで読んでいただきありがとうございました。

いよいよ始まりました!
まだまだ性別不明の友人サワ。
タイを通して知る新たなサワとは…?!
ぜひ次回もお楽しみに。

★☆★
創作大賞2023狙って全力を尽くします!
応援よろしくお願いします。
★☆★

たまにサイドストーリーも書けたらいいなと思っています。

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サワからのお返事は難しいです。ごめんなさい。)

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