デジタルデトックス????
1.デジタルデトックス
デジタルデトックスとは、一定期間スマホやPCなどのデジタル機器から距離を置くことで、デジタル機器の依存を治すことやストレスを軽減するために行われるものだそうだ。
学校現場でも、児童生徒のスマホ・ネット依存による昼夜逆転生活、学習面の遅れ、学校で居眠り、ネットでのトラブルなど様々な問題に対して、デジタルデトックスを行うことで少しでもこのような問題を解決していこうという取り組みがある。
例えば、月1回ノースマホデーと称し、スマホなどデジタル機器に触れない日を設ける。さらに、テスト前1週間にもノースマホデーを設けることで学力向上を図るというものがある。そして、学力向上につながったというデータがあるのだという。(具体的に行っている学校などここではあえて触れていません)
2.論点が違う
「デジタルデトックスでデジタル機器から離れた生活をしたおかげでテストの点数が上がった」
こんな情報を目にしたことがあるが、論点が違うと思う。
まず、デジタル機器を悪者に仕立てている文章。次に、テストの点数の上昇。この2点に疑問があるのは言うまでもない。
◇ デジタル機器が悪者のように扱われている点について
結論から言えば、デジタル機器をどう使うかであり、デジタル機器が悪いというのは論点が違うと思う。みんな平等に同じスペックのスマホなどを与えたとしても、うまく使いこなし情報を得えて自分の成長に使える人もいれば、だらだらと時間をつぶすだけの暇つぶし道具として使う人もいる。前者はデジタル機器を使いこなすことで自信に有益な活用の仕方ができており、後者はデジタル機器に自分の時間が奪われている状態である。
同じものを渡したところでどう使うかはその人次第であるということであることを、もののせいにするなどしているのはおかしなことではないか?前者からデジタル機器を取り上げてしまうことは、本来得られる情報を得られなくなるマイナスの要素しかない。つまり、そういった人がデジタルデトックスを行うことは非効率である。
学校現場で一律に「デジタルデトックスを行いましょう」というのは手段と目的の違いが分かっていないとしか言いようがない。
では本来の目的はなにか。デジタル機器の正しい扱いを学ぶことなのではないのか。それは、学校の各教科の授業中に行える情報についての学習や家庭教育なのではないのか。いま、教育界ではGIGAスクール構想の実現に向かって様々なICT機器の整備が行われ始めている。そして授業でもデジタル機器を使って従来の学びからよりレベルの高い学習へとシフトチェンジしていっている。なのに、デジタル機器を使わないようにしましょうは矛盾している。
◇ テストの点数が上がった点について
一言に点数が上がったといっても、それがデジタル機器を使用したからそういった結果になったのか、他の要因はないのかなど考えないといけない。たとえば、中学校3年生の例で言うと、受験があるので、1学期よりも3学期の方が平均的に勉強量は増えるだろう。さらに、テストの難易度によっても平均点を上下させることだって容易である。
違う視点からだと、有意差があったのか確かめたのか?とも突っ込みたくなる。平均点が+1点でも点数が上がったことには変わりないから。
以上の2点から論点がずれていることは分かるだろう。
3.終わりに
デジタル機器をどう使うかを教員も考えなければならないが、もっとも大切なのは家庭教育である。ネットの使い方までは一人一人教えることなんてなかなかできないからこそ、家庭でもデジタル機器をどう使うかの教育を行っていかなくてはならない。
手っ取り早い方法として、デジタル機器を使わないという選択肢があったのは間違いないと思う。しかし、これからの時代を生きる児童生徒には正しいデジタル機器の活用の仕方や向き合い方についてきちんと教育していくことが大切なのではないかと思う。
それを大人がどれだけ教えることができるのかがまた問題になりそうだが...
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