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【中学校理科】カイロの仕組みを説明しよう

 カイロのだいたいの仕組みは多くの人が知っているかもしれない。

 では成分はどんなものが入っているか知っているだろうか?そしてその成分は何ために入っており、ないとどうなるのかなど知っているひとは少ないと思う。

 ものの仕組みを知ると、そのものの見方が変わる。面白いと思えるものが増える。こんな体験を中学生に味あわせたいと思い、カイロの仕組みを考える指導案を作成した。


1.カイロの仕組み

 2年生の化学分野の酸化と還元の単元で発熱を伴う化学反応の1つとして紹介されている。カイロは簡単に言うと、「鉄粉の酸化の時の反応熱を利用したもの」なのだが、その中の成分に着目するとより面白い教材になる。

 成分は各メーカーによって多少違うが、鉄粉、活性炭、バーミキュライト、高吸水性ポリマー、食塩、水などである。

 これらの物質がカイロに含まれているということは、それぞれ役割があると言うことである。ただただ製品の説明ではなく、なんで?と深く突っ込んでいくことで製品の工夫や含まれている物質の理由などが見え、生活の知恵的なものの理解が深まるのではないか。


2.指導の流れ

図4


3.終わりに

 カイロは鉄の酸化によって発熱するとあるが、実際鉄を放っておいてもカイロのような発熱が起こりはしない。食塩水を入れても多少酸化が進むが、80℃近くまでの発熱は出ない。ここで大きく反応スピードを上げるためにはすべての鉄に対して酸素が均等にいきわたる必要がある。その役割を担っているのが炭(木炭)であった。炭を入れ混ぜたとたん、発熱が急速に進んだとき、生徒は大きな感動を得ていた。自分たちで「炭の役割は何か」を考えた班はそんな自分たちで実験計画を行い、実験に必要なものを自分たちでそろえ、結果をだし、考察していた。 

 そんな体験をしたからこそ、彼らの最後のカイロの仕組みをまとめたレポートには印象的なまでにその内容が記されていた。


 あたり前に使っているものだって、その仕組みを知ることで新たな視点を持ち、楽しく生活できるきっかけを得られるのではないだろうか。

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