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#1)トニー・クラッグの視点-人間と物質の狭間

トニー・クラッグ(Tony Cragg, 1949- /UK)
コンセプチュアル・アーティスト、その範囲は、彫刻家から、ランド・アートまで幅広い。
プラスチック、ガラス、グラスファイバー、ブロンズのような従来にない素材を集めて床や壁に展示から、ランド・アートまで実に多彩だ。
それは、トニー・クラッグは人間と物質、または自然の間にある、曖昧さの不即不離(ふそくふり/つかず離れず)の関係を提示しているのだ。

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(c)Tony Cragg

略歴-Tony Cragg
1949 イギリス・リバプールに生まれる
1966-68 国立天然ゴム生産調査機関(研究所)の実験技師として働く
1969-73 グロスターシャー大学(University of Gloucestershire)で美術を学び、ウィンブルドン・カレッジ・オブ・アート(ロンドン芸術大学 /Wimbledon College of Art)で学士号(‘73)
1977 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(Royal College of Art /RCA)で修士号修得、その後、西ドイツ・ヴッパータールへ移住する。
1978 デュッセルドルフ芸術アカデミーで教鞭をとる。
1979 ロンドンのリッソン画廊で最初の個展
1982/1987 カッセルでのドクメンタ参加(‘87) また、同年、ロンドンのヘイワード画廊での回顧展
1988 ヴェネチア・ビエンナーレにイギリス代表、ターナー賞受賞
1988-2001 デュッセルドルフ芸術アカデミーの教授に就任(1988-2001副学長)
1994 王立アカデミー会員に推挙
1996 ハリファックスのヘンリー・ムーア財団での個展と、翌年のロンドンのホワイトチャペル画廊での個展が大成功を収める
1999 英王立アカデミー本部のあるバーリントン・ハウスで展示
1999~2009 エコール・デ・ボザール(École des Beaux-Arts, ENSBA)教鞭を取る。
2000 リバプールのテート画廊で個展
2002 テート・ギャラリー・リバプールで個展。大英帝国上級勲爵士号(Order of the British Empire)を受勲。
2005 北京ビエンナーレで彫刻部門最高賞2007年、第19回-高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門受賞。
2008 ドイツのヴッパータールに彫刻庭園をオープンさせる。
2009- デュッセルドルフ芸術アカデミー (Kunstakademie Düsseldorf)の教授。(ドイツ・ヴッパータール在住)

(追記)トニー・クラッグ氏は、#1-#3の予定です。お時間の許すおりご覧いただければ幸いです。ここで見えることは、学際(がくさい:知の共有)というキーワードで、20世紀に専門閾として、分断されてしまった理系と文系、芸術領域という視点を本来象に戻しての表象なのかも知れない・・。
#1)トニー・クラッグの視点-人間と物質の狭間
#2)トニー・クラッグの視点-凍った動きの瞬間を体現
#3)トニー・クラッグの学際的な視点、それはランド・アートまで

(追記)トニー・クラッグは、学際(知の共有)がベースにあるのだろう、それは、当初は技術者として科学と材料、そして、常に、概念芸術を視点(極)に入れており、人間と物質、または自然の間にある、曖昧さの不即不離(つかず離れず)の関係を20世紀形の専門域を超えて、形状化している現在形のアーティストだろう。テクストの芸術、また、身体芸術、多様な方法論が現代アートにはあるが、トニー・クラッグの学際的な視点も、重要な現在の環境問題、そして、国際的に蔓延してしまった危ういウィルスにも、今も問いかけているようだ・・・

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