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20th初めのアメリカ・アートシーン:アッシュカン・スクールとは

アシュカン・スクール(アッシュカン・スクール/アシュカン派/Ashcan School/ニューヨーク):20th初めのアメリカでの芸術運動で、都市と現代の日常生活についての特定の真実を伝えたいという願望で構成されていた。
分かりやすくは、ニューヨークのダウンタウンや、いわゆる労働者階級や移民の人々の生活を写実的に描いた芸術家のグループだ。
組織化しされた芸術運動ではなく、そこには、政治的、非政治的な視点の画家が混在しているような状態だ。

Bellows_CliffDwellersのコピー

(cc) Cliff Dwellers (崖の住人)ジョージ・ベローズ

Sloan_Sunday-Women-Drying-Their-Hairのコピー

(cc) Sunday Women Drying Their Hair - ジョン・スローン

この20th初頭は、アメリカでは、印象派の全盛期だ。そこには、自然の風景描写や優雅な生活するシーンが画題として成立していた時代だ。
付け加えると、アッシュカン・スクール(アシュカン派)は、「イメージと文化」という視点であり、ジャーナリズムの感性やイメージの新鮮さにあり、作家間に明確な様式的統一や表現上の目標はない。
ロバート・ヘンライのフィラデルフィアでのThe Eightの設立が、その原点だと言われる・・

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(cc)ジョン・フレンチ・スローンのフィラデルフィアのスタジオでのアシュカンスクール(アシュカン派)のアーティストと友人たち(1898年)

そして、そのアーティストには、エドワード・ホッパー(Edward Hopper)から、写真家のジェイコブ・リース(Jacob Riis,1849–1914/US) も含まる、あの人は、ああいう人だ、あの人たちは・・・とその生涯を後から決め付けるよりも、その表象に視点を合わせたいところだ。
敢えて、共通項を探すと、写実的でアカデミックなことは確かだろう。

そこでは、ロバート・ヘンライ(Robert Henri,1865–1929/The Eightの設立)が、いわゆる指導的な立場だった。
メンバーには、ロバート・ヘンライ(Robert Henri,1865–1929)、ジョン・スローン(John French Sloan,1871–1951)、ジョージ・ラクス(George Luks,1867–1933)、ウィリアム・グラッケンズ(William Glackens,1870–1938)、エヴァレット・シン(Everett Shinn,1876–1953)、スチュアート・デイヴィス(スチュアート・デイビス/Stuart Davis, 1894-1964/アメリカの画家モダニズム)等々がいる。
ただ、詳細な仕分けは困難だ。

ロバート・ヘンライ(Robert Henri)
ジョン・スローン(John French Sloan)
ジョージ・ラクス(George Luks)
ウィリアム・グラッケンズ(William Glackens)
エヴァレット・シン(Everett Shinn)
スチュアート・デイヴィス(Stuart Davis)
エドワード・ホッパー(Edward Hopper)
ジョージ・ベローズ(George Bellows)
ジェイコブ・リース(Jacob Riis)-写真家

アシュカンスクールアーティスト、1896年頃。LR:エベレットシン、ロバートアンリ、ジョンフレンチスローン

(cc)アシュカンスクールのアーティスト/エヴァレット・シン、ロバート・ヘンライ、ジョン・フレンチ・スローン(1896年)左から右へ

(註)ここで、もう少し追記すると、ペンシルベニア美術アカデミー(Pennsylvania Academy of Fine Arts)の教授トマス・エイキンズ(Thomas Eakins, 1844-1916/アメリカ合衆国の画家・写真家・彫刻家)が、その原点(リアリズム表現)にあったのだろう。
それは、人体デッサン、そして、解剖学(人体の仕組みを知る)がある。
ただ、エイキンズは、男女混合のクラスで、男性モデルのヌードを描かせて、その地位を去ることになる。
そのペンシルベニア美術アカデミーの後の立ち位置は、助手の
トマス・アンシュッツ(Thomas Pollock Anshutz、1851 - 1912/アメリカの画家)が、教授となり、リアリズム表現を続けた。
その流れの先に、アシュカン派の創設メンバーも多い。
話は戻るが、エイキンズの解剖シーンを描いたグロス・クリニック(The Gross Clinic-1875)は、トマス・アンシュッツの流れを経て、アシュカン派の原点かも知れない。
余談だが、いずれにしても、リアリズムの探求から人体デッサンは必須だ、そして、解剖学もそうだろう。それは、現在のUX/UIデザインに直結するロジックだからだ。

(追記)ここ、この20th初めのアートシーン、アシュカン・スクール(アシュカン派/Ashcan School/ニューヨーク)を、体系化したいが、為に、その周辺をコラムで、探っておりました。源流にある、パリの印象主義のジャン=レオン・ジェローム(Jean-Léon Gérôme)まで遡りましたが、この後、まだ、その周辺作家につづきます。また、ニューヨークのダウンタウンや、いわゆる労働者階級や移民の人々の生活を写実的に描い作家と、そのあり方に異論を唱える作家も含めて、20thのアメリカのアート界に与えた影響は大きいですし、その流れが、現在の21stに続いてい訳ですから・・そして、今も、その移民問題は・・

絵画とは、その時代の切実な部分を作家の感性が、表した表象文化(イメージと文化)ですから・・

(註)20thアメリカのアートの原点を考える時、この画家ジャン=レオン・ジェロームの寓意画とその哲学視点は、外すことは出来ないだろう。

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