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#2020年秋の美術・芸術!コンテスト- D先輩と松林

#2020年秋の美術・芸術 !コンテスト-中間のご報告として、基本は、ほぼ時系列に(多少の順不動お許しください)、応募いただいた作品を、1作品ごとに、ご紹介とコメントとしての評を入れさせていただき掲載させて頂きます。まずは、ご応募ありがとうございます。

・D先輩と松林
三坂ヒカル さま 応募ありがとうございます。

(評)ストーリーの入り口は、先輩に勧めらてた書籍は、安部龍太郎(1955- /小説家)氏の小説「等伯」であり、それは直木賞を得ている。
その「等伯」とは、長谷川 等伯(はせがわ とうはく、1539-1610/絵師)であり、桃山時代(江戸時代にかけて)を代表する画人である。
そして、その内容に、筆者は入っていく・・・
(註)その長谷川等伯の到達した「松林図」屏風(東京国立博物館)は、教科書にも取り上げられる著名な屛風だ(安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵)。その「松林図」は、紙本墨画、六曲一双、縦156.8cm×横356.0cmの屏風画であり、荘厳な世界だ。

筆者のストーリーに沿って・・・
まず、書籍の装丁は、その『松林図屏風』だ。
そして、
「上下巻を一気に読み、そのイメージは深まった。
小説に描かれるのは安土・桃山時代。目まぐるしく社会は動く。等伯もまた時代の変化と共にあって、小説の場面はぐんぐんと移り変わる。
狩野派との確執、息子との関係、創作への懊悩。
クライマックスに描かれるのは代表作『松林図屏風』だ。
一見簡素な絵は、清々しい潔さというより、研ぎ澄ましていく苦しさを思わされる。
小説は感想や批評ではなく、等伯の精神性に迫る。作品も文体もストイックだった。」

(註)その長谷川等伯の日本画の世界は、素直に誰しもの心を揺さぶる日本画の名作あろう。
その当時の狩野派を前に、長谷川等伯の持てるもの、苦難があろうとも画業における情熱や、身内の支えや問題もあったが、その、戦国時代からの不安定な時代に、長谷川派をとして、その存在を明確してくのだが・・・その頂点が「松林図屏風」(東京国立博物館蔵)だ。

そして、ストーリーは、先輩の今後の方向性と、等伯の生き様を重ね合わすように閉められる。
「霧の向こうに、かすみながらも力強く独自性を貫こうというたたずまい。松林。」

(追記)
ライターさんの文章であり、入り口から、読ませるものを感じる、「等伯」書籍の日本画壇の作家を描いた書評ではなく、筆者の視点や、先輩の生き方を、そこに重ねて、より深い文脈を感じる。
私も、東京国立博物館で「松林図屏風」を目にすると、その極から足が止まってしまうのだ。
ご応募ありがとうございました。

(お知らせ)コンテストについて
締切日時は、2020年11/14(土曜日)24:00
結果発表は、2020年11/15(日曜日)18:00 です。
締切間際に応募された作品は、当然審査の対象内ですが、
作品評が、結果発表後になることもご了解ください。(まぎわに、入稿予定の方は、私の記事のコメント欄に、ご一報いただけますと幸いです)


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