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#2)Hans Haackeの資本主義経済とコンセプチュアル・アート

ハンス・ハーケ(Hans Haacke,1938- 独):コンセプチュアル・アーティスト
コンセプチュアル・アート(Idea art-概念芸術) 
資本主義経済の負の部分を取り上げ、企業の利益追求のためにどんな事が行われたかという事を深く追求している。
当初のハンス・ハーケは、コンセプチュアル・アートして、自然体系(動植物まで含む)のアートを、主に自然な物を素材として使っていた。
そして、1970年代以降は、資本主義経済の負の部分を取り上げ、企業の利益追求のためにどんな事が行われたかという事を深く、追求するコンテンツを制作した。

Hans Haacke-略歴
1936年、ケルンで生まれる、現在は、ニューヨーク在住
1956-1960年、Staatliche Werkakademie-大学で学ぶ。
1960-1962年、国際交換プログラムで、テンプル大学へ留学(Temple University)
1967-2002年、 Cooper Union (大学-NY)にて教鞭をとる。
ヴェネツィア・ビエンナーレから、テート、ポンピドゥセンター等々、グローバルに多くの賞やミュージアムに収蔵展示されている。

主な作品紹介
1971年、Shapolsky et al. Manhattan Real Estate Holdings, A Real Time Social System, as of May 1, 1971
:1951年-1971年間の疑惑の不動産売買記録。

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1978年、「A Breed Apart」:ブリティッシュ・レイランド(British Leyland-当時国有企業 )が南アフリカの警察や軍に車両を輸出することでアパルトヘイト(Apartheid-人種隔離政策)を助長の批判。オックスフォード現代美術館での展示を内部の関係から中止となった。

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Hans Haacke – Exposing Systems of Power | TateShots

1981年、Upstairs at Mobile : Musings of s Shareholder (モービルでのより高い位置:株主の黙想)
(材料)Material: 5 colour photoectching ed.10

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1986年、Global Marketing -Edision: 3 (材料)Material: silkscreen on steel
煤(すす)を塗りシルクスクリーンで文字を挿入。正面からは文字が見えないが、斜めから見ると文字が光って見える。イギリスの広告会社が広告を行っている、南アフリカで、搾取し利益を挙げている会社名を羅列している。そこには、日産自動車も・・・ただ、ちょっと、トータルで観ると美しいのだが・・・

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そのハンス・ハーケは、紳士的な人ではあるが、このように企業を批判して、企業の良くない部分を告発するようなコンテンツのため、身に危険が及ぶためとして、常に身を隠して表には出ない、ただ、その表象が語っている。
Hans Haacke: Fighting the establishment-San Francisco Museum of Modern Art

(追記)Fourth plinth, Trafalgar Square(第四の台座-ロンドンのトラファルガー広場)に展示された作家のご紹介のシリーズは、今回のHans Haacke で全員となりました。御覧いただき、ありがとうございました。この後は、日本国内で、あまり紹介されないような、コンセプチュアル・アート(Idea art-概念芸術) についても触れたり、スタンダードな作品でも視点を変えたりと、いろいろなアポローチを考えております。今後とも、よろしくお願い致します。

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