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ネック・チャンド:驚異のランドアート(アウトサイダーアート)

ネック・チャンド(Nek Chand Saini,1924-2015/インド)の驚異のランドアート(アウトサイダーアート/アール・ブリュット

ネック・チャンドは、チャンディーガル市(Chandigarh)に18エーカーの彫刻庭園であるロックガーデン・オブ・チャンディーガルを建設したことで著名だ。そのガーデンは、タージマハルに次ぐ、2番目に人気のある場所だ。
そして、そこに鎮座するかのような人形たちは、陶器の破片等からリユースで制作された彫だ。
そこには、なんとも愛嬌もあり楽しいシーンを観るものに、もたらせてくれる。

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Nek Chand Saini Art

・ネック・チャンド(ネック・チャンド・サイニ/Nek Chand Saini,1924-2015/インド):政府高官であり、ほぼ独学のインド人アーティストだ。ある意味、アウトサイダー・アートに分類されることも多い。
1924年、ネック・チャンドは、Shakargarh Tehsil(現パキスタンのインド国境近く)に生まれた。
ミドル・カーストとして、18歳まで学業を行った。そして、1947年、独立戦争(インド、パキスタン)で、農場の暮らしの家族と村人は、その故郷から、北部のチャンディガール(Chandigarh)に移り住んだ。そこでは、道路工事の責任者として働いた。その仕事は、ル・コルビュジエが請け負った新都市のチャンディガール・プロジェクトに参加していると言うことだ。
その後、1958年頃から、アートに邁進している。それは、彫刻家・建築家・都市計画のプロジェクトを1人でこなしている。その隙間の時間に、彫刻や、ロックガーデンを造っている訳だ。

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Nek Chand Saini Art

・そのネック・チャンドのランドアートである、それは・・・1957年頃から、1日の仕事が終わるとおよそ40kmを自転車で走り、ガーデンを作り始めた。そのネック・チャンド・サイニ(Nek Chand Saini)自身は、カースト制度のある国で、政府高官でもあるのだ。
その庭園は、創設者であるネック・チャンド・サイニ(Nek Chand Saini)にちなんで、ネック・チャンドのロックガーデンとしても知られている。
そこには、今現在、40エーカー(16ヘクタール)の面積に広がっている。その内部にある彫刻等は、ほぼ、すべてが、産業、家庭廃棄物から作られている。
余暇には、ネック・チャンドは市内の解体現場から素材を収集し、これらの材料を、ニューデリーの神聖な王国、スクナ湖近くの森の峡谷を選び、リサイクルされたロックガーデンを創造していった。
そこにある彫刻は、子供たち、ダンサー、ミュージシャン、動物等々の陶器で覆われたコンクリート製だ。
具体的には、廃棄された自転車のパーツで骨組みを作り、セメントと砂の混合物(モルタル)で塊を作り上げた後、魂の宿る自然石、食器、ガラスの破片、腕輪、錆びたコイン、モザイクタイル、鉄鋳造スラグ(slag)などの廃棄物と組み合わせている、それらは、滑らかに磨かれた純粋なセメントの最終的には、コーティングされているようだ。
詳細に流れを見ると、ネック・チャンドのこの作品は、再開発対象の地域の用地であり、当初は取り壊される予定であった。そこへ、無許可で、樹木の種を撒き、挿木で植樹をして、オブジェ、そして、全体像として、ランド・アートとして、ガーデンを構成している。
市当局も驚いた事だろう。ただ、他に類を見ないガーデンの様相に、なんと、作業員と給与を提供する事になるのだ。
ガーデンの14年の経緯と好感度の世論を得ることが出来た事の影響力も大きだろう。
1976年には、公園は公共スペースとして、正式に落成式を行い発足している。

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Rock Garden of Chandigarh

そして、繰り返すが、ロックガーデン・オブ・チャンディーガルの庭園には毎日5000人以上が訪れている、インドでは、タージマハルに次ぐ、2番目に人気のある場所だ。なんと年間、1,200万人以上が訪れているのだ。

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Nek Chand Saini

・人形博物館(ロックガーデン・オブ・チャンディーガル)ロックガーデン内には、現在、人形博物館もある。創設者のネック・チャンドの2回目の命日を記念して発足している。博物館には、古布で作られた200体の縫いぐるみ人形がある。
その人形は1970年代にネックチャンドによって作られたものだ。

ネック・チャンド財団 HP

ROW VISION

(追記)ロックガーデン・オブ・チャンディーガルには、タージマハルに次いで、毎日、5000人以上の人々がおとづれる、なんと年間、1,200万人以上が訪れているのだ。グレートなランドアート(環境アート)でもある。これをアウトサイダー・アートの範囲なのか?考えてしまうが、いずれにしても、このランドアートから、人形たちの彫刻まで、実に見事で楽しい「作品」だ。だからこそ、多くのインドの、いや、世界中の人々が、惹かれて、おとづれるのだろう。

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