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連載小説「幸せになりたいの」#10

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前回のまでのあらすじ。

カリスマスピリチュアルリーダー、ピース・ラブ・キャット、通称「ぴーらぶちゃん」。彼女の提唱する、恋もお金も思いのままの“押し寄せの法則”を学ぶため、セミナーへ行ったマドカ。そこで出会った若い男性は、なんとぴーらぶちゃんの甥っ子であり、数年前に地元で会ったことがあった。運命を感じつつ、朝のカフェに行くが、彼には会えず…。それをマドカは「すっぽかされた」として、また拗ねるのであった…。

#10 怒涛の日々。

 あの屈辱の日曜日から1ヶ月間。マドカの日常は怒涛のように過ぎていった。

 例の「すっぽかし事件」の後、(マドカの中ではそういうことになっていた)マドカは風邪を引いてしまったが、最後の引き継ぎ業務があり仕事は休めず、熱冷ましに座薬を挿しながら頑張った。その辛い現実が、先日のセミナーで得た高揚感や興奮を全て奪い去り、逆にギャップのせいなのか、余計に自分がみじめで、何もできない、無力で無意味な存在と感じてしまった。

(本当に、こんなので人生変わるのだろうか?幸せになれるのだろうか?)

 マドカはそんなことを考えるたびに、

(ダメ!ダメよ私!ピーラブちゃんを信じるのよ!)と、自分を叱咤した。

 その後、会社を正式に退職し、失業手当だなんだの、色んな手続きを早急に済ませつつ、友人の結婚式があった。

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2,895字
言葉の力で、「言葉で伝えられないものを伝える」ことを、いつも考えています。作家であり、アーティスト、瞑想家、スピリチュアルメッセンジャーのケンスケの紡ぐ言葉で、感性を活性化し、深みと面白みのある生き方へのヒントと気づきが生まれます。1記事ごとの購入より、マガジン購読がお得です。

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