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資本主義と共産主義 〜33の経済理論を読んで〜

以前に参加した積読読書会に、また別の本を持参して参加した。読書は当面このスタイルが続きそうだ(他にも機会を作りたいが、集中してこなせる時間があまりないので)。

読書会に持参したのは、経済学の解説書「教養として知っておきたい、33の経済理論」である。何となく経済学のことを知りたくなり、結局は購入したまま放置していた本だ。

経済学は学生時代に少し授業で聞いたくらい。十分に理解はできていないので、改めて勉強になった。

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アダム・スミスの経済理論

今回読んだのが、書籍中の「歴史を変えた経済理論」の章。前半はスキップすることにした。この章は重要な経済理論とその歴史背景も書かれているので、素人の自分でも理解しやすい内容である。

その中で登場したのが、アダム・スミスという人物。有名な「神の見えざる手」の話で、何となく聞いたことがあったが、読んでいて自分も勘違いしていたことに気づいた。実は、経済の自由放任主義を説いたものではなくて、独占権益を許さないというメッセージに由来した言葉だったのだ。

人は自己の利益のために最大限の研究と努力をする。それが結果的に神の見えざる手に導かれて、いつの間にか社会の利益に貢献している。

彼が記した「国富論」に出てくる文言。当時は産業革命の波が押し寄せており、機械的な大量生産が主流になりつつあった。労働者と経営者という分かれ目ができたのも、この時代から。

その影響で企業による独占が起こるようになり、政府も容認していたことから、それを批判する形でこの思想が生まれたそう。日本で言う「独占禁止法」の先駆けとも言えるものかもしれない。

意外に驚いたのが、アダム・スミスは元から経済学者だった訳ではなくて、本職は道徳学者である点だ。彼が記した「国富論」は、経済学と道徳学の両立的な観点から書かれたものだそう。

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資本主義と共産主義

日本に限らず、ほとんどの国が資本主義を軸にしている訳だが、資本主義の本来の意味は「人々が自由に経済活動をすること」である。特に、資本家が事業投資して利潤を得る考え方は「資本を重視する経済思想」としての資本主義と呼ばれる。

資本家と労働者の関係は資本家の方が圧倒的に強い。だから資本家というのは、必ず労働者から搾取しようとする。資本家の搾取をやめさせるためには、労働者が社会の中心にならなくてはならない。

これは共産主義の提唱者であるカール・マルクスの主張てある。労働者と資本家の格差を批判するための考え方であり、当時はブームにもなった。資本主義で生じた生活格差の問題を解決する、労働者にとっての救いの思想でもあった。

資本家から社会の富を取り戻し、労働者をはじめ国民全般に分配する。聞こえこそは良いのですが、この共産主義の思想には決定的な欠陥が存在している。マルクスの共産主義を具現化したソビエト連邦ができたが、戦後に崩壊することに。

共産主義の基本は「計画経済」という、国の決めた計画通りの生産と消費が行われるというもの。その中でより良くするアイデアが出たとしても、計画から外れる訳ですから、現実に反映はされない。つまり、産業の発達が遅くなるという隠された問題を抱えていたのだ。これがソビエト連邦をはじめとした、共産主義国家の崩壊を導くことになる。

全てを平等にすることは、現実的には不可能であり、結果的に資本主義の方が効率的であるということで、現在に至るということ。

結局のところ、格差はゼロにはできない、必要な考え方であるということ。日本もみんな平等にとか言っていたが、競争があるからこそ、前進が生まれるということなのだと理解した。

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おわりに

今回は自分にとっても勉強になった読書会だった。言葉では知っていたことばかりではあるが、それが時代の流れの中でどのように変遷したのか、改めて理解することができた。

また別の機会で経済学に触れることができれば良いなと思うばかりである。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。

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