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理系の作文の作法を考え直してみた話 -1-

理科系の作文技術とは何か。理系の仕事をしている身でありながら、何となく意識できていない部分を感じていて、今回この本を取りました。

結局のところ、文章はコミュニケーションの手段のひとつで、伝わらないことが何よりも不毛なことだと思います。その上で、自分のやり方(主軸)を再構築するための機会にします。

今回は2回に分けていますが、技術面としては「目次」に書いた通りです。量と質の両方の意味でスマートな文章を書きたい。今回はそのために再考したトピックを2点に分けて書きました。


重点先行主義と概観起点の導線化

結論ファーストという言葉をよく聞きますが、この本で言うところの「重点先行主義」に相当するところです。結論というのは、概して発信者が主張したいことですので、一般的には冒頭に持ち込んだ方が良いです。

論文などの文書を想像してみても、結論(主張)は基本的に冒頭に来ますし、それがあるから大量の文書(情報)の中から読んでもらえるのだと。

個人的には、結論ファースト(重点先行主義)で書いた方が、読者もストレートで過剰な負担を抱えずに文章を読めると思います。

もうひとつ。説明の筋道で「概観から細部へ」という考え方が書かれていました。これを自分は「概観起点の導線化」と書きました。

日本語は概して文章を最後まで読み切らないと、内容を理解できないような書き方が目立ちます。

本では「微視型」と表現していましたが、微視的な話題で必要な頭数を書こうとするので、結果的に話が長くなるのかなと感じていました。

仕事の文章の特性は別にそうではなくて、巨視的に倣うように「必要」「十分」な項目が揃えばそれで良くて。ここには、大前提として「読者が発信者に求めることを書く」だけが存在します。

構成を正しく作ること

自分も会社でプロダクトのリリースを担当して、お客様に出す告知(メールニュース)を作る場面があります。そうした時に気に掛けるのは「構成」だと自分ごとのように思いました。

ここで言う構成とは、微視的と巨視的(両面)で見た場合の話の順序です。論理の流れと整合が取れていることが大前提です。

正直な話ですが、先ほどの重点先行主義をクリアした上で、ここが正しくできていることで、初めて読者に最後まで読んでもらえるのだと思いました。

それこそ、上記の絵の通りに読者が最後まで文章を読んでもらえるのか。ここでは書き手の視点での話にはなると思います(先ほどと同じ絵を再掲)。

そのためには、目標規定文(ゴール)を正しく定義する必要もあります。そういう意味では、重点先行主義は理に叶うことではありそうです。

日本の作文教育事情の話

本のコラムで日本の作文の教育事情として、情緒的で文学的な側面に偏重する傾向があります。いわゆる、人間性を評価する文章ということ。

ただ、理科系など論理を求める文章で要求されるのは、正確な情報(認識)と論理立てられた意見(判断)です。欧米では「イングリッシュ・コンポジション」と呼ばれる作文の教育方法です。

学生時代に作文の機会は定期的にありました。小中学生の頃だと読書感想文ですし、入試の場面では小論文を課されることも。

自分もこれらは理科系の文章とだいぶ作法が違うと思いましたし、やりづらさを感じていました。今は反動からエッセイを書いているので、そこに活かせる部分もありそうです。

おわりに

直近で文章作成(能力)を改めて俯瞰するべきタイミングがあり、今回はこの本を取りました。

普段気をつけていることもあれば、完全に抜け落ちていたこともあるので、そこは勉強のやりがいがありました。

重点先行主義と概観から細部への流れ。その上で構成を正しく作ること。これが今回の自分なりに得られた総括だと思います。

理科系の文章作成に留まらず、エッセイでも活かせそうな話でした。構成をそこまで考えずに書いている節があるので、構成をまとめてから書き始めることを意識したいです。

次回は同本から、よりビジネスライクな方向の話を書いてみたいと思います。

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最後まで読んで頂き、ありがとうございます。この記事があなたの人生の新たな気づきになれたら幸いです。今後とも宜しくお願いいたします♪♪
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