最初に大海を渡った絵師・北斎の創造性、日本独自のアート志向をあらためてドキュメントし、価値付けする。
いま地球の全世界が、未来への希望を見つめる上で大事な感性・日本の美術…
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画狂人北斎・浮世のドラマツルギー(前編) 〜映画『HOKUSAI』に思うこと〜
中村萬悠(なかむら・ばんゆう/美術史家)
〈憂き世と浮世絵〉
先年、『LIFE誌』で発表・紹介された、「この 1000 年で世界的に偉業を達成した 100 人」に、日本人として唯一選ばれた、江戶の浮世絵師・葛飾北斎(1870 年:宝暦 10 年〜1849 年:嘉永 2 年)。90 歳という当時としては大変な⻑寿で、最後まで絵筆 を握っていたと言う。生涯に、「北斎」以外、30 以上も画号
画狂人北斎・浮世のドラマツルギー(後編) 〜映画『HOKUSAI』に思うこと〜
中村萬悠(なかむら・ばんゆう/美術史家)
〈北斎と浮世絵の環境〉
さて、寛政6年、「北斎」は、出版界のリーダー、雄的存在の「耕書堂」の経営者であ り、阿部寛扮する蔦屋重三郎のところで、食客(お抱えの絵師)となる。 蔦屋重三郎(通称・蔦重)は、当時のメディア界のいわば大プロデューサーであった。 脚気が重篤化し48歳という年齢で早くに亡くなっている。が、その功績は絶大で、
絵の中に、もう一つ富士が隠れているのが、わかるだろうか
【隠れ富士と水の霊性 〜北斎・神奈川沖浪裏をめぐって〜 】 清藤 誠
荒れ狂う大波の奥に、富士山の姿が見える。
実はこの絵の中に、もう一つ富士が隠れているのが、わかるだろうか。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」北斎改為一筆(すみだ北斎美術館)
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」(かながわおきなみうら)は、2024年に刷新される新紙幣千円札の裏面のデザインに採用されることが決まっている。葛飾北斎