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アートが求められる時代(世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか)

こちらは、友人との読書会で読んだ名著や流行書を人に勧める形で紹介してみる記事です。

今回ご紹介する本

山口周『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』です。

1年ほど前、私は大学の1万字程度のフリーテーマのレポートを「美と経営」の主題で書こうとしていました。それに伴い、アダムスミスからドラッカー、クリステンセンのジョブ理論など読みあさってるときに、ちょうど見つけたこの本を読書会に推薦しました。

一部の日本企業は「これからはデザイン的思考(アート思考)が求められる」と言うようになり、これから活躍したいと考えているビジネスマンには必見です。

最初に言っておきますが、めちゃくちゃ良書です。

一言でいうと何?

本書『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか』は、これから経営者にも求められる「アートにまつわるスキル」を解説した新書です。

アートにまつわるスキルと言っても、絵が上手く描けるスキルではありません。

一般に英語スキルは、Reading、Writing、Listening、Speakingの4つのセクションに分けられます。さらにこれを次のように分けてみます。

書き言葉を通して:
Reading(インプット)、Writing(アウトプット)

話し言葉を通して:
Listening(インプット)、Speaking(アウトプット)

これはアート的スキルにも当てはまると思っていて、

描き言葉(作品)を通して:
Appreciating(鑑賞する:インプット)、Painting(描画する:アウトプット)

話し言葉を通して:
Interpreting(解釈する:インプット)、Explaining(説明する:アウトプット)

だと考えています。私がとっさに考えたものなので、より最適な単語がありましたらぜひコメントしていただけるとありがたいです。

このように分けて考えたとき、Interpreting(解釈)とExplaining(説明)が最も重要であり、Painting(描画)までできる必要はありません。

「ちょっと待って。話し言葉のイン/アウトプットって、ListeningとSpeakingじゃないの?」

その通りで、むしろその違いに本書の言う「美意識」が強く関係していると思います。

全容はどんなもの?

私たちは今日まで、論理と理性によって裏付けられたサイエンス重視の意思決定を行ってきました。それは数字のみによる価値判断といっても過言ではないでしょう。

しかし筆者は、そのような合理的判断のみでは太刀打ちできない状況に見舞われると指摘しています。

その理由として大きく分けて以下の三つの主張が展開されます。

・論理的・理性的判断の限界

・自己実現欲求市場の登場

・急速な社会システムの変化

これらに対抗することができる「美意識」の重要性を、例を挙げつつ論じる内容です。

他の本と何が違う?

同じような本に田川欣也『イノベーション・スキルセット-世界が求めるBTC型人材とその手引き』があります。こちらの本は、デザインエンジニア

キモは何?

私自身このような懸念を抱いていたこともあり、同意できる内容ばかりでした。

しかし逆に言えば、私が考え得る内容を、分かりやすく論理的に紹介していた程度で、文面以上に感じ取れる内容はなかったようにも思えます。

とりわけ「美意識」というトピックが興味深い反面、新書という形では知識以上の言語化がしづらいため、そのような状態に陥ってしまったとも考えられますね。

ともかく「美意識」について考えるいいきっかけとなった本には違いありません。

これから活躍したいビジネスマンの皆様方、ぜひ書店にてお手に取ってみてください。

おわりに

今時間がなかったので駆け足に書きました。近いうちに追記します。

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