小説・成熟までの呟き 19歳

題名:「19歳」
 2009年1月、美穂は大学入試センター試験に臨んでいた。翌月には、一般入試に臨んだ。センター利用試験で合格し、一般入試ではその後進学する学校に合格した。3月に、美穂は県立山浜総合高校を卒業した。その後、転居の準備を行い、4月には首都圏で1人暮らしを始めた。10日に、明能大学に入学した。入学式はいろいろな学部の入学生が集まり、武道館で盛大に行われた。桜はキラキラとしていた。当日は黒い髪・黒いスーツ姿で臨んだ。髪は結ばなかった。農学部農業経済学科に入学したが、キャンパスのある場所は、海崎市の北の方で、里山のある環境だった。首都圏の中でも自然が多く残る場所で、自然に恵まれた環境で育ってきた美穂にとっては、合っていた。ただ、都会に転居したことで垢抜けた雰囲気になっていった。1か月ほど経つと、髪を茶色に染めて、カールにしてみた。活発に動いて育ってきたため、従来通りパンツスタイルが多かったが、多くの人々が集まって盛り上がるような場ではワンピースで外出するときもあった。転居したアパートに多様な地域からやってきた人々が集まり、上京組同士で仲良くなっていった。休日の午後に、都心を散策していると「読者モデルをやってみませんか。」とスカウトされて、「ワクワクしてみたい」という気持ちから、友人と一緒に読者モデルになった。ファッション誌での流行している服を着てみたりして、1つ1つの動きが新鮮だった。なぜスカウトされたのかはわからないが、転居前は地味な格好をしていたものの、都会では明るく目立つ格好をしていたからかもしれない。美穂には光を放つ要素がある。

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