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紅茶の美味しい喫茶店
私はこう見えて結構紅茶が好きである。コーヒーも飲むがお紅茶もいただく。
どうして、紅茶には「お」がつくのにコーヒーにはつかないのだろう。御コーヒー。なんてあんまり聞かない。でも、お紅茶は至極一般的な気がする。
紅茶=大英帝国=貴婦人=伯爵・男爵的な連想があるからだろうか(笑)
まぁ、そんなこんなで紅茶好きなわけです。
もう何年前になりますか?随分前のことでございます。梅田にあったとある喫茶店に入った時のお話でもしてみましょう。
何気なく喫茶店に入りメニューを見ると驚いた。
ダージリン、アッサム、セイロン、アールグレイ、イングリッシュブレックファスト、ブレンド、ファーストフラッシュ、デカフェ、ロイヤルミルクティー…
紅茶の種類がずらりと居並んでいるではないか。どうやら、紅茶専門店に入ってしまったようだった。
何をどうやって頼んだものか四苦八苦していたら、蝶ネクタイをしたウエイターらしき人が満面の笑みを浮かべて近寄ってきた。
いかん。まだ何も決まっていない。私がメニューを食い入るように見ながら焦っているとウエイターが私の座っている席の前に立った。
万事休す。
ウエイター「いらっしゃいませ。当店は初めてでしょうか?」
私「あ、はい。」
ウエイター「わたくし、ティースペシャリストの上田(仮名)と申します。」
て、「てーすぺしゃりすと」ですと!!!なんじゃそりゃ!!!!
と心中で大騒ぎしていると。
「何にいたしましょうか?」と上田さんが紳士的な笑みを浮かべる。
いたしかたなし。まぁ、無難なところでも頼んでおこう。と、何も考えずに私は「それじゃぁ、アールグレイ下さい」と馴染みのある銘柄をチョイスして上田さんに告げた。
すると、ティースペシャリストが突然顔を曇らせた。え!と私が上田さんの反応に驚いていると上田さんは「アールグレイですか~~」とあからさまに怪訝な表情と口調で言うのだった。
え!!!!このお店。お客さんの注文にダメが入るの???????
と思っていると上田さんが言葉をつづけた
「アールグレイは人工的に香りをつけたものですので、紅茶本来のお味をお客様には味わっていただきたいと思うのですがどうでしょう」
なるほど。それも一理ある。それじゃ。と私は別の銘柄にすることにした。これもなじみ深い銘柄である。「それじゃ、ダージリンティー下さい」私は、これでどうだとばかりに胸を張って上田さんに注文した。
すると上田さんは、またまた表情がすぐれない。
えええええ!!これもダメ~~?
「ダージリンティーですか。よく注文を受けるのですが渋みがありますしやはりもう少し紅茶を飲みなれていただいてからダージリンは飲んでいただいた方が味わい深いかと」
そういうもん???じゃあ何を頼んだらいいんだ???
私は困りに困り果て「それじゃ、オレンジペコください」と言ったのが運の尽きだった。そんな銘柄はないのだとか、オレンジペコはオレンジ味じゃないのを知っているのかとか葉っぱ部位や紅茶の等級っていうのは・・・・・・・・・・・・。
と、少なく見積もっても20分ぐらいの造詣の深い紅茶講義を丁寧にしていただいた。他の客はいいのか?とこっちが気を使うぐらい丁寧に説明してくれた。
最終的には「それじゃ、上田さんのお勧めで」ってことになり、何らかしかの紅茶を飲んで店を出たのだが、紅茶の味よりも何よりも上田さんのキャラしか記憶に残っていなかった。
本当に面白い紅茶の美味しい喫茶店♪だった。
しかしそれ以来その店には行っていない。元気にしてるかな~。てーすぺしゃりすと。(笑)
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