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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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2023年6月の記事一覧

本棚:『紙の月』

結婚後、子どもには恵まれず、時間を持て余していた梨花は銀行でパートとして働き始める。顧客からの人気の高い梨花は、やがて契約社員となるが、大学生の光太と出会い…。彼女が顧客から一億円もの大金を横領した理由とは? 会社の金を着服…といったニュースはたまに見かけますが、なんとも後味が悪いというか。生活していくために、ある程度のお金は必要だと思うけれど、それ以上に関しては、金額が2倍になれば、幸せも2倍になるわけではないし、本当に必要?と思ってしまいます。もっともっと…と満たされず

本棚:『稲荷町グルメロード2』

とある地方都市「あおば市」にある「ゾンビロード」とも揶揄される商店街の活性化のアドバイザーに就任したクリスとアシスタントの幸菜のその後。幸菜は就活のため東京に戻り、クリスは新たにスタッフとアルバイトを雇うものの、それぞれの道は険しく…。 【感想】かつては賑わっていた商店街の写真などを見ると、「あぁ、この頃に行ってみたい!」と思いますし、「かつての賑わいを取り戻す」と聞けば、その当時が再現されるようなイメージを持ってしまいますが、実際には過去と全く同じというのは難しいのでしょ

本棚:『サイコパス』

先日読んだ『悪の脳科学』を同僚に紹介したところ、「中野信子さんの著書では『サイコパス』とか読んだことありますよ~」とのことで興味を持ち、こちらも読んでみました。 サイコパスというと、ドラマの犯罪者のイメージが強かったのですが、「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」がいるんですね。そして、オタサーの姫やサークルクラッシャーもそうなのか…と。 自己肯定感は低いし、すぐ感情的になりやすいし、自分はサイコパスではないと思っていますが、自分の周りにもいないよな…と思っています。が、

本棚:『日本人のちょっとヘンな英語』

つい最近、とある英単語について、「えぇ~そうだったの!なんか騙されてた気分…」と思うことがあり、きっと私の使っている英語もネイティブからしたら、ヘンな文章なんだろうなとモヤモヤしている中で見つけた本書。図書館で『日本人のちょっとヘンな英語』『日本人のちょっとヘンな英語2』の2冊借りてきました。 学校で習った教科書英語って、時代があってないというのか、ニュアンスが違うというか。せっかく勉強したのに、それが実践に使えなかったら、そりゃ嫌いになるよ…と思います。はたして今の教科書は

本棚:『おひとりさまの心配ごと、すべて解決してください!』

ふだんは滅多に見ない図書分類320.法律の棚で見つけた本書。老後に心配となる、お金や健康、介護のことなどは、たまに読んでいますが、法律の観点での本は読んだことなかったなぁと。本書は、老後だけでなく、仕事や恋愛のトラブルについての話も載っています。 結局のところ、なるようにしかならないだろう…と思ってはいますが、知らなかったばっかりに遠まわりしてしまった…ということはあるだろうなと思うので、リテラシーやツテは大事だと思います。何か問題を抱えてしまったら、一人で悩まずに、誰かに

本棚:『私たちの金曜日』

働く女性たちのアンソロジー。恩田陸さんの『茶色の小壜』は、ゾクッとしました。有川ひろさんの『ファイターパイロットの君』は再読でしたが、おそらく前回と同じところで涙。田辺聖子さんの『美女山盛』は、今はそういう時代じゃないよね…と言い切れないかもとも思ったり。桐野夏生さんの『神様男』には、「ぜったい神様じゃないし!」と憤りを覚えたり。 仕事で自己実現しなきゃいけないとは思わないし、毎日変わり映えのない日々を過ごし、これをあと何十年も続けるのかと思うと空しくもなるけれど、それでも

本棚:『ぼくはお金を使わずに生きることにした』

お金によって、消費者と消費される物とが断絶され、お金の追及が競争社会、資源枯渇や気候変動を招き、このままでは持続可能な社会ではありえないと、「カネなし生活」を送った1年間を綴った本書。 最近気になる言葉が「自給自足」や「オフグリッド」なので、本当にお金を使わずに暮らせるの?というのが、真っ先に浮かんだ興味。いくつかルールはあるけれど、意外とお金を使わなくても暮らせるんだなと思いました。もちろん、自分には完全には真似できないですが、少しでもお金に依存しない暮らしに移行できたらな

本棚:『中年女子、ひとりで移住してみました』

山が好きな著者が各地を転々としてきた中で、いちばん長く暮らした山梨県北杜市での田舎暮らしの体験をもとにしたコミックエッセイ。若者でも定年後の移住でもない。家族で一緒の移住でもない。はたして中年女子ひとりでの移住のコツとは? 田舎育ちだし、ゆくゆくは田舎もしくは郊外で…と思っていますが、そこでハードルとなるのが、おひとりさまということ。好きなテレビ番組が「人生の楽園」なのですが、やっぱ家族で移住が普通だよね~と家族構成などが気になってしまいます。でも本書で、若くなくとも一人で

本棚:『戸村飯店 青春100連発』

平日は常連客が集まり、土日は家族連れでにぎやかになる、大阪にある庶民的な中華料理店、戸村飯店。性格も見た目もまるで違う、戸村飯店の年子の二人息子がもがく青春の日々は…。 兄と弟のそれぞれの視点で交互に話が進んでいき、だんだんと彼らの心の中が見えてきて、似てないと思っていた二人が実は似ていて、最後は思っていたのとは違う方向へ進んで、それもアリだね、あぁ青春だなぁ~と思いました。 もう昔すぎてあまり覚えていないけれど、高校卒業後は大学に行くというのは一般的だし、どこの大学に行く

本棚:『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』

タイトルにある「誰でも」というところに、本当に?と思ってしまいましたが、読んでみると、確かに特別な才能や実績などがなくてもいいんだなと思えました。学生時代の単発のバイトと会社員としての給与でしかお金を稼いだことがないので、会社員としての考え方と、フリーランスなどで自分で稼ぐ場合の考え方とでは違うということが、言われてみれば「なるほど!」なのですが、教えてもらわないと気づけなかったかも…と。 会社の一歩外に出たら、私って身近な誰かに提供できるスキルを何1つ持ってないんじゃない

本棚:『悪の脳科学』

図書館でタイトルに「ん?」と思って手に取り、パラパラとめくってみれば『笑ゥせぇるすまん』の漫画がちらほら載っていて、気になって借りました。小学生の頃『笑ゥせぇるすまん』のアニメが好きで、このアニメを見るために頑張って寝ないで起きていた記憶があります。 子どもの頃、なぜ好きだったのか、どこに惹かれたのかはうまく説明できないですが、それでもまだ子どもだったので、深刻には受け止めていなかったと思います。でも今読んだらきっと、これ(=喪黒福造に騙されるターゲット)って私かも?とゾッと

本棚:『月3万円ビジネス』

著者の藤村靖之さんの本は、以前『非電化思考のすすめ』を読んだことがあり、その時に『月3万円ビジネス』という本にも興味を持ったのですが、たしか図書館にはなくて、そのままにしてたように思います。本書は2011年に刊行された『月3万円ビジネス』を新装復刊したものだそう。 資本主義経済により、いろんなものが分業化されて、効率化がはかられたと思いますが、その結果、自分でできないことが増え、お金を払ってやってもらう必要があり、たくさん稼がねばならない…というサイクルについて、最近よく考

本棚:『Yuming Tribute Stories』

ユーミンのデビュー50周年を記念して、ユーミンを愛する6人の作家が、選んだ曲をタイトルに物語を紡いだ短編集です。登場するタイトルは「あの日にかえりたい」「DESTINY」「夕涼み」「青春のリグレット」「冬の終り」「春よ、来い」。 母が同世代の女性のご多分に漏れずユーミンが好きなので、子どもの頃からよく聴いてましたが、「夕涼み」「青春のリグレット」「冬の終り」は知らなくて、YouTubeで聴いて、こういう曲も作ってたんだなぁと思いました。その後、「ひこうき雲」「やさしさに包ま

本棚:『バナナケーキの幸福』

母・茜と娘・七のお店、アカナナ洋菓子店の二枚看板は、バナナケーキとダークフルーツケーキ。喫茶店への卸からスタートした店は幸運にも恵まれて、順調に大きくなったものの、二人がお店を始めたきっかけは、突然、茜に言い渡された夫からの離婚…。 休みの日にはケーキを焼いてくれるようなお母さんに憧れたものですが、自分だったら、やっぱり面倒だなと思ってしまうので、母のことをとやかく言えないですね。母曰く、昔は作ったこともあるらしいけれど、父があまり好きではなかったようで、作らなくなったとの