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【読んだ本14】天久鷹央の推理カルテー神秘のセラピストー知念実希人

読んだ感想

今回も推理カルテシリーズからの紹介です。今回も3作品が収録されていますので、それぞれの感想について書いていきたいと思います。読んでいる順番がランダムなので時系列がバラバラですが、幻影の手術室の後の話みたいですね。研修医の鴻ノ池が巻き込まれる事件ですが、それを助けてもらった恩義を感じて今回も活躍してくれます。鷹央は相変わらず、明快な診断を下してくれますが、作中では弱い部分、苦手なことを克服しようとする人間らしい成長も見られるので、謎解き以外部分も楽しんでもらえると思います。小鳥の失恋記録がどうなっていくのかも見ものですね。

Karte.01 雑踏の腐敗

地方から東京にて出てきた高揚感と緊張感の中で突然今まで経験したことがない病気に犯されたら誰でもパニックになるでしょう。それがきっかけとなって話が進むのが雑踏の腐敗です。このお話では、視点を変えることの重要性が書かれている気がします。先入観と言い換えてもいいかもしれません。患者の話を親身になって聞いてくれる医師は、素晴らしいと思いますが、鵜呑みにしすぎて客観的な視点が抜けてしまうと診断が下せなくなってしまうのでしょう。登場人物の出身地までも推理の鍵にする鷹央は流石だと思いましたが、こんな症状があるんですね。

Karte.02 永遠に美しく

女性にとっては美は永遠の願いなのでしょうか。突然、70代の母親が若返り出したら誰でも戸惑ってしまうと思いますし、その原因が怪しい鍼灸師だったらパニックになるのも当然でしょう。女性ホルモンの分泌によって女性は肌艶が良くなるらしいですが、年を重ねた女性の美しさは内面から感じられるものであってほしい、年相応の美しさがあるのではないと考えさせられました。それから、医師でない者が医師の真似事をした時のリスクの高さを感じるし、上手い話は簡単には手に入らないと感じさせてくれました。

Karte.03 聖者の刻印

宗教を否定するつもりは全くありませんが、それが根拠のない怪しい宗教の場合は、考えてしまいます。信じるものは救われる、信じることから始めることは大切なのでしょうが、信じる根拠も必要な気もします。日本人の場合は、無宗教であることが多く、様々な宗教の祝い事で盛り上がることもありますが、一つの宗教を信じている人にとっては、違和感を感じるのでしょうか。頼るものがないときに信じたくなるのが宗教かもしれませんが、親が子供の気持ちを確認せずに迷走してしまうのは、難しいですね。盲目的になっているから、自分の信じたいものを信じてしまい、それが揺らいだ時に縋るものがなくなってしまった絶望を感じ、救ってくれた人に敵意を感じる。これが一種の洗脳状態なのでしょうか。子供は純粋で、未来に向けて前向きに歩んでいこうとするので、どんな状況でも自分の夢を諦めずに追うことが困難に立ち向かう原動力になるのかもしれません。

今回の感想は、今までと少し視点を変えて書いてみました。内容に踏み込みつつ、直接的な内容と自分が推測したことをつらつらと綴っています。ここまでお読み頂きありがとうございました。他の作品に関しても、記事を書いておりますので、よろしければお読みください。


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