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香水主観レビュー

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その日の気分を高めてくれる香水。ニッチな香水を中心に主観レビューしていきます。
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#ニッチフレグランス

香水界のレジェンド監修。LE COUVENT ILHABELA

LE COUVENT MAISON DE PARFUM(ル クヴォン メゾン ド パルファム)は、フランスの香りの伝統と自然のエッセンスを融合させたブランドです。ブランド名「ル クヴォン」は修道院を意味し、その名の通り、古来から続く修道院の植物学に基づく香り作りを特徴としています。高品質でありながら、日常的に楽しめる高級フレグランスとして認知されています。 ル クヴォンの香りは、エルメスの元専属調香師として名を馳せた「Jean-Claude Ellena(ジャン=クロード・

Bdk Parfums ヴィラネロリ。香水一家の伝統が紡ぐストーリー

NOSE SHOPの近くに自分のオフィスがあるためよく立ち寄ります。つい先月、期間限定で香水ガチャ2回分以上の購入でもう1回プレゼントという企画が開催されていて、3日連続で立ち寄りました。スタッフに「またあいつが来たか」と思われたかもしれません😂 急に涼しくなり、ガチャも秋冬に向けて入れ替えが行われているとのこと。ダブりは奇跡的に2回だけでした。順次、レビューをしていきますが、今回はBDK Parfums(たぶん大当たり)の1本を紹介します。 BDK Parfumsは、

挑戦状、届きました。KO-GUで磨く日本人の嗅覚

KO-GU(コーグ)は、NOSE SHOPがプロデュースするフレグランスブランドです。当初、香りの体験型店舗として丸の内にオープンされましたが、最近になって販路が広がり、都内に数店舗が展開され始めています。 驚くのは価格です。1本あたり2,420円(8ml)から販売されていて、いずれもオードパルファム(EDP)なので、ノートの変化がしっかりと楽しめるのです。これ以上の説明は、私が語るよりも公式サイトの方が確かです。抜粋させていただきました。 以前から気になっていましたが、

神秘の煙 Cozumel。Laboratorio Olfattivo作

作品が多すぎて試しきれないブランドの一つ、Laboratorio Olfattivo(ラボラトリオ・オルファティーボ)。このブランドのレビューは以前に書きました。 いずれもお試しサイズのミニ香水でのレビューです。その後、Need_Uをボトルで購入したことは上述のレビューで記しましたが、今回紹介するのは、これらセットには含まれていない別の作品です。その中でも特に気になっていた一つ、Cozumel(コズメル)を紹介します。 なぜこれを選んだのか理由は単純です。Need_Uと同

香りの異端児BYREDO。北欧ミニマリズムの奥に潜む大胆さ

BYREDO(バイレード)は2006年にスウェーデンのストックホルムで設立されたニッチフレグランスブランドです。創設者のBen Gorham(ベン・ゴーラム)は、インド系アメリカ人の母とカナダ人の父を持つアーティストで、プロのバスケットボールプレイヤーから転身した異色の経歴の持ち主です。 ゴーラムは調香師ではなく、クリエイティブディレクターとしてブランドの方向性を決定する役割を担っています。BYREDOの香水の多くはJérôme Epinette(ジェローム・エピネット)が

Maison Matineの反抗。オリジナルコレクション編

今回が最終回、メゾン・マティン(Maison Matine)のディスカバリーセットから、「オリジナルコレクション(6種)」のレビューをお届けします。 過去2回はこちらをご覧ください。 ボイジャーコレクション編 リフレッシュコレクション編 INTO THE WILD | イントゥ ザ ワイルド香りが紡ぐ物語は、東洋の賑わう市場から幕を開ける。鼻孔をくすぐる香辛料の刺激が冒険の序章を告げると、やがてその香りは、深い森に佇むオアシスへと誘う。清楚な白い花々の芳香が、スパイス

Maison Matineの反抗。リフレッシュコレクション編

今回は、メゾン・マティン(Maison Matine)のディスカバリーセットから、「リフレッシュコレクション(3種)」のレビューをお届けします。 メゾン・マティンの紹介と、ボイジャーコレクションをレビューした前回はこちらをご覧ください。 ボイジャーコレクション編 LOST IN TRANSLATION|ロスト イン トランスレーション春の陽光を浴びた森の中で、一服する旅人の姿が目に浮かぶ。清々しくも甘い緑の香りが、謎めいた旅人への興味を掻き立てている。 静寂の中、紅茶

Maison Matineの反抗。ボイジャーコレクション編

メゾン・マティン(Maison Matine)は、2019年にマリー・ケルーとアーチュー・ポンロアによってパリで創設されたニッチフレグランスメゾン。従来の工業的なものづくりから脱却し、新時代にふさわしい独自のフレグランス創造を追求することを目的として設立されたそうです。 ブランド名「MATINE」は「反抗と朝」をかけ合わせた造語だそうです。挑戦的でありながら、際立ち過ぎない個性があり、不意に笑みがこぼれるような新しさを感じる香りはとても魅力的ですね。ユニークな商品名と、現代

Laboratorio Olfattivo。マーケを捨てた香水界の異端児

「波長が合う」ブランドとの出会いは、まるで古い友人を見つけたような心地よさがあります。それは、しっくりくる感覚であり、自然体でいられる安心感。そして何より、その香りを纏うことで、自分らしさが際立つような喜びです。 今回は「香りをアートする嗅覚の実験室」と称されるLABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ・オルファティーボ)。いくつか試香して、まさに波長が合いそうなブランドだと感じ、手始めにニードユーを購入したことは以前に書きました。 このブランドをもっと深く

Kerzonの反骨精神。香水をもっと身近な存在に

ケルゾン(Kerzon)は、2013年に冒険と旅行を愛する二人の兄弟、ピエール-アレクシス・デラプラスとエティエンヌ・デラプラスによって設立されたブランドです。 NOSE SHOPのスタッフによると、もともと石鹸からスタートしているそうですね。本国では、家庭用香り製品やボディケア製品のブランドとしても知られており、 天然由来の成分を使用していること 環境に優しいこと 調香からパッケージまですべてフランス国内で手作りされていること などから、人気を博しているようです。

NOSE SHOPオンライン限定! ふんわりムスクな香水

ムスクといえば、「さりげない」というよりも、これ見よがしに官能さを主張するものが多いという固定観念を持っていました。しかし、NOSE SHOPの「ふんわり」というワードに引き寄せられ、自分の決めつけが誤りなのかどうか確認するために、ミニ香水セットを購入してみました。 なお、このセットはNOSE SHOPがセレクトしたムスク系の香水9種類の中から3点を選べるものですが、購入時点でほとんどが売り切れており、残っていた3種類のレビューとなります。いずれもオードパルファム(EDP)

Maison Louis Marie。情景再現度バツグンの香水

香りには物語があります。それは、調香師の情熱、ブランドの歴史、そして私たちの記憶と結びついた豊かなストーリー。今日、多くの香水ブランドがその魅力的な物語で私たちを惹きつけています。音楽や芸術と同じように、香水もまた、その背景にある物語を知ることで、より深い感動と共感を呼び起こすのです。 今日は私が深くストーリーに引き込まれた香水ブランド、メゾン・ルイ・マリーです。NOSE SHOPの紹介文を引用します。 このヘリテージとストーリーに惹かれ、ディスカバリーセットを購入しまし

FUEGUIA 完結編。香水好きの終着駅?

香りが五感を刺激し、ストーリーを紡ぎだすフレグランス。調香師ジュリアン・ベデルは、香りの要素を平面的な順序ではなく、オーケストラのように立体的に構築する。その作品は、まるで映画のサウンドトラックを聞いているような感覚でした。 試したサンプルは合計20本。これでフエギア探索は本当に終わり。自分に合う香りにたどり着くには時間が必要という結論です。もう一度この世界に浸りたくなったら、ショップに出向こうと思います。 過去のノート FUEGUIA 沼り編。香水好きの終着駅? FUE

FUEGUIA スタッフ編。香水好きの終着駅?

フエギア探索にキリをつけたと思ったのもつかの間。スタッフから3本のサンプルを託されました。自分とはまったく異なるタイプのものを選んでいるのが興味深いです。 ここまで13本。なんかキリが悪い数字だなとモヤモヤしながらウィッシュリストと睨めっこする今日この頃です。 過去のノート FUEGUIA 沼り編。香水好きの終着駅? Fueguierイチジクの木陰でシエスタに入ると、真昼のそよ風が吹き抜ける。そんなストーリー。ビターオレンジの葉や枝から抽出されたオイルが、早熟な果実の香