澤谷 和明 / Archvision

昼寝と香水探索が生きがい。

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マガジン

  • 香水主観レビュー

    その日の気分を高めてくれる香水。ニッチな香水を中心に主観レビューしていきます。

  • アーキビジョン活動報告

    エンジニアリング x デザインの力で、人々の暮らしの中により豊かな体験を生み出してゆくアーキビジョンってどんな会社なのか。WeWorkでの活動や、私たちが運営するHighlightからも記事を抜粋していきます。

最近の記事

英国のエレガンス JO MALONE。レイアリング推しの本家

今回はJO MALONE(ジョー・マローン)。ブランド名のご本人であるジョーさん(女性)によって1994年に設立されたイギリスのフレグランスブランドです。ジョーさんが自宅のキッチンで手作りのフレグランス製品を作り始め、それが評判を呼んだのが起源とされています。 ジョー・マローンの最たる特徴は、レイアリング(重ねづけ)というコンセプト。単独でも他の香りと組み合わせても楽しめることを前提として調香されており、自分だけの組み合わせを探求できることを訴求しています。スタッフからレイ

    • Laboratorio Olfattivo。マーケを捨てた香水界の異端児

      「波長が合う」というのは、しっくりくるとか、自然でいられるとか、心地よいってことだと思ってます。 今回は「香りをアートする嗅覚の実験室」と称されるLABORATORIO OLFATTIVO(ラボラトリオ・オルファティーボ)。いくつか試香して、まさに波長が合いそうなブランドだと感じ、手始めにニードユーを購入したことは以前に書きました。 このブランドをもっと深く知るために、今回はマスターズコレクションを買ってみたので、いつものように主観レビューしていきます。 TUBEROS

      • Kerzonの反骨精神。香水をもっと身近な存在に

        ケルゾン(Kerzon)は、2013年に冒険と旅行を愛する二人の兄弟、ピエール-アレクシス・デラプラスとエティエンヌ・デラプラスによって設立されたブランドです。 NOSE SHOPのスタッフによると、もともと石鹸からスタートしているそうですね。本国では、家庭用香り製品やボディケア製品のブランドとしても知られており、 天然由来の成分を使用していること 環境に優しいこと 調香からパッケージまですべてフランス国内で手作りされていること などから、人気を博しているようです。

        • Aesopの香水は終わったのか。全10作、悲哀のレビュー

          ぼちぼちイソップに触れないわけにはいきません。なぜなら、私が香水の沼にはまる原点だったからです。いつだったか忘れましたが、プレゼントを買いにイソップに立ち寄ったときに、初めてフレグランスを売っていることを知りました。 イソップのフレグランスづくりは失敗の歴史だったそうです。植物学や藻類学を学んだ調香師バーナベ・フィリオンと出会ったことで、フレグランス作りの技術が抜本的に生まれ変わり、いまに至っているとのこと。その生誕ストーリーと謎めいたバーナベ・フィリオンの人物像に深く引き

        英国のエレガンス JO MALONE。レイアリング推しの本家

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        • 香水主観レビュー
          10本
        • アーキビジョン活動報告
          8本

        記事

          NOSE SHOPオンライン限定! ふんわりムスクな香水

          ムスクといえば、「さりげない」というよりも、これ見よがしに官能さを主張するものが多いという固定観念を持っていました。しかし、NOSE SHOPの「ふんわり」というワードに引き寄せられ、自分の決めつけが誤りなのかどうか確認するために、ミニ香水セットを購入してみました。 なお、このセットはNOSE SHOPがセレクトしたムスク系の香水9種類の中から3点を選べるものですが、購入時点でほとんどが売り切れており、残っていた3種類のレビューとなります。いずれもオードパルファム(EDP)

          NOSE SHOPオンライン限定! ふんわりムスクな香水

          Maison Louis Marie。情景再現度バツグンの香水

          私はストーリーに魅せられると周りが見えなくなるタイプです。音楽はその最たる例で、生い立ちや作り手のインタビューを読んでしまうと、曲やアルバムが彼らの歩んできた人生の通過点のように感じられ、共感の沼に深く落ちていきます。 今日はそんなストーリーに引き込まれる香水ブランド、メゾン・ルイ・マリーです。NOSE SHOPの紹介文を引用します。 このヘリテージとストーリーに惹かれ、ディスカバリーセットを購入しました。いずれも強くは香らず、自分のパーソナルスペースにほんのりと香る感じ

          Maison Louis Marie。情景再現度バツグンの香水

          REPLICAへの偏見。ミニ香水セットで誤解を解く

          「情動ヒューリスティック」。椎名林檎の曲名ではありません。感情的な状態に基づいて無意識に意思決定をしてしまう傾向のことです。速やかな意思決定が行える一方で、誤った判断を生み出すことがあります。 例えば、たまたま飲んだコーヒーが美味しくなかったとしても、全てのコーヒーにあてはまることではありませんよね。私がレプリカに対して持っていた偏見も、たまたま居合わせたスタッフの印象によるもので、まさに情動ヒューリスティックに基づいていました。 この誤った感情的判断をすっきりさせたくて

          REPLICAへの偏見。ミニ香水セットで誤解を解く

          Yahoo!ショッピングでの失敗談。偽物購入から学んだ教訓

          欲しいものをなるだけ安く手に入れたい。そんな願いをかなえてくれるECショッピングモール。Yahoo!ショッピングで偽物をつかんだ後日談をまとめました。 自分の無知が招いた不幸おそらく利用規約とか法律とかと照らし合わせれば、Yahooには何の責任もありません。ブランドの力って凄いなと再認識しました。たとえ消費者にとって最悪な体験だったとしても、ブランド力が勝るなら、一部の消費者に嫌われたところで取るに足らないと。全人類に好かれることを目指していたらサービスなんて成立しない、と

          Yahoo!ショッピングでの失敗談。偽物購入から学んだ教訓

          FUEGUIA 完結編。香水好きの終着駅?

          香りが視覚と聴覚を呼び覚まし、ストーリーを映像化するフレグランス。ジュリアン・ベデルの創り出す世界は、香りのノートを平面的な順序ではなく、楽器が奏でるハーモニーのように立体的に構築されている。まるで映画のサウンドトラックのような感覚を味わえるフレグランスです。 試したサンプルは合計20本。これでフエギア探索は本当に終わり。自分に合う香りにたどり着くには時間が必要という結論です。もう一度この世界に浸りたくなったら、ショップに出向こうと思います。 過去のノート 香水好きの終着

          FUEGUIA 完結編。香水好きの終着駅?

          FUEGUIA スタッフ編。香水好きの終着駅?

          フエギア探索にキリをつけたと思ったのもつかの間。スタッフから3本のサンプルを託されました。自分とはまったく異なるタイプのものを選んでいるのが興味深いです。 ここまで13本。なんかキリが悪い数字だなとモヤモヤしながらウィッシュリストと睨めっこする今日この頃です。 過去のノート 香水好きの終着駅? フエギア #1(沼り編) Fueguierイチジクの木陰でシエスタに入ると、真昼のそよ風が吹き抜ける。そんなストーリー。ビターオレンジの葉や枝から抽出されたオイルが、早熟な果実の

          FUEGUIA スタッフ編。香水好きの終着駅?

          FUEGUIA 沼り編。香水好きの終着駅?

          香水好きが行きつくと形容されるフエギア(FUEGUIA 1833)は、2010年にブエノスアイレスでジュリアン・ベデルにより創業されたニッチ香水のブランドです。仕事中に手首の香りをかぎ、目をつむりながらしばし固まるという毎日を過ごしていて、周囲から不審の目を向けられる状態になりました。キリをつけたいと思います。 Pampa Húmeda真夏の雨上がりに吹き抜ける爽やかな風を感じる香り。ビターオレンジのほろ苦さ、狩りたての草木を思わせる鮮やかな清涼感に、ほのかなコショウのスパ

          FUEGUIA 沼り編。香水好きの終着駅?

          パートナー探しの極意。5つのピッチ術

          僕らが入居しているコワーキングスペースでは、よくピッチイベントが開催されます。短時間で自分たちの存在を知ってもらう絶好の機会なので、必ず参加するようにしています。 場数を踏んできた経験から「反応が良かった」というポイントを5つピックアップしてみました。 1. 話すことを超しぼる登壇者の数によりますが、ピッチの持ち時間はだいたい2分から3分。この短い時間で自分たちが何者であるかを伝えることが重要です。 自己紹介や会社紹介は後回しにして、一言目から本題に入りましょう。興味を

          パートナー探しの極意。5つのピッチ術

          ゼロイチ部の秘密が明らかに。地方創生の新たな挑戦へ

          ゼロイチ部とは、私たちが入居しているコワーキングスペースの有志メンバーで結成された課題解決のスペシャリストチームです。業種も職種も異なるメンバーが、組織や肩書の枠を超えて相談者の課題の突破口を一緒に見つけていきます。 そんなゼロイチ部が日経電子版とタッグを組み、地方創生をテーマにした「Xplorer(エクスプローラー)」プロジェクトをスタートさせました。第一弾のテーマは「関係人口」。当事者である静岡市と堺市にご参加いただき、リアル・オンライン合わせて数百人が参加された大盛況

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          エンジニアからデザイナーへ。運命的な出会いが人生を変えた

          皆さま、はじめまして。アーキビジョンの澤谷(さわたに)と申します。長年、プログラマーとして開発現場にいましたが、なぜUI/UXデザインの世界に入り、起業するまでに至ったのか、自己紹介を兼ねてお話しさせてください。 遊ぶ側より作る側に行きたい高知県で生まれ、東京で育ちました。私がこの業界に入ったきっかけは、任天堂から発売されたファミコンです。小学生のお小遣いで買えるものではなく、両親にも買ってもらえず、ガラスケースに展示されたファミコンを眺める日々が続きました。 そんな中、

          エンジニアからデザイナーへ。運命的な出会いが人生を変えた