Bdk Parfums VILLA NEROLI。香水一家の伝統が紡ぐストーリー
NOSE SHOPの近くに自分のオフィスがあるためよく立ち寄ります。つい先月、期間限定で香水ガチャ2回分以上の購入でもう1回プレゼントという企画が開催されていて、3日連続で立ち寄りました。スタッフに「またあいつが来たか」と思われたかもしれません😂
急に涼しくなり、ガチャも秋冬に向けて入れ替えが行われているとのこと。ダブりは奇跡的に2回だけでした。順次、レビューをしていきますが、今回はBDK Parfums(たぶん大当たり)の1本を紹介します。
BDK Parfumsは、パリの独立系フレグランスブランドです。最高の天然原料を使い「ストーリーを語る香水」というテーマで、すべての香りが作り出されているそうです。詳細はNOSE SHOPの紹介文をご参照ください。
VILLA NEROLI | ヴィラネロリ
陽光きらめく地中海の島を思わせる、爽やかな香りが広がる。グリーンレモンの鮮烈さが、ネロリとプチグレインの苦みによって引き締められ、島の海岸線を彩る岩礁のように、揺るぎない存在感を放つ。
やがて、その清涼感は徐々に姿を変え、オレンジフラワーとローズの優雅な香りが顔を覗かせる。高台に広がる花園を彷彿とさせるその芳香は、紺碧の海を見下ろす景色のように壮麗だ。この心地よい香りは、驚くほど長く続き、島の静寂に包まれたような穏やかさをもたらす。
しかし、この香水の真骨頂はその奥深さにある。ベチバーとパチョリの力強い香りが、まるで島の大地の鼓動のように静かに広がっていく。それは、表面的な美しさだけでなく、長い年月を経て培われた内なる強さを感じさせる。そして、その全てのベールの下に、まるで島の秘められた宝のように、ひっそりとバニラの香りが潜んでいる。
特筆すべきは、このバニラの控えめさだ。ゆっくりと蒸発し、体温で香りが引き立つ特性を持つバニラは、多くの香水でしばしば半ば強引に主役の座を奪っている。しかしこのバニラは決して押し出てこない。まるで、島に降り注ぐ陽光のように、控えめながらも温かな楽観性を漂わせている。香りが消えかけるラストノートでようやく存在感を表すのみだ。
この香水は、地中海の島々が持つ自然の荘厳さと、そこで育まれる生命力豊かな庭園の調和を、魅惑的な香りのストーリーとして紡ぎ出している。
まとめ
久々に衝撃を受けました。ニッチな香水ばかり試し歩き、少し疲れていた鼻と脳に、香水のあるべき着地点の一つを見せつけられたような気分です。
付けたての香りは想像通りでした。驚いたのはそこからです。雲が晴れるかのようなシトラスの清々しさとフローラルの心地よさが眼下に果てしなく広がるかのように香り、本当に驚くほど長く持続します。そして、自分の肌質で過剰気味に香りやすいバニラが、これほどまでにおとなしく、ほのかに香るなんて。こんなバニラの香らせ方ができるのかと、最初から最後まで驚きの香水でした。
ガチャで引き当てたBdk Parfumsがもう1本あるので、それを試してから判断したいですが、おそらく近いうちにBdk Parfumsのボトルを愛用することになりそうな予感がします。
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