さらっと西洋建築史12〜古代建築を見直すことで生まれた新古典主義建築〜
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さらっと西洋建築史12〜古代建築を見直すことで生まれた新古典主義建築〜

18世紀中頃から19世紀初頭にかけて現れてきた建築的動向を新古典主義と呼びます。

これはバロック時代の古典の自由な解釈や装飾過多な様式の反省として生まれてきたものであり、より、科学的・考古学的な研究によって正確な古代建築を見直す動きに他なりません。

特にパンテオン神殿を始めとするギリシア建築遺構の実測記録が出版されるなどギリシア建築やローマ建築の再発見が促されていきました。

オーダーの再現により生まれた大英博物館

ギリシア建築に対する正確な理解が深まるとともに、英国の建築家R・スマークはオーダーの再現によって生まれる、列柱で彩られた大建築、大英博物館を実現します。

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大英博物館 写真:wikipedia

正面中央のポーチから左右に張り出した翼部を含め、合計44本のイオニア式の柱が並ぶファサードは、過度な装飾は廃され、古代ギリシア建築の持つ構成美から生まれており、力強く、また唯一無二の荘厳さを感じます。

↓古代ギリシア建築、オーダーの特徴はこちらから↓

2000年には建築家ノーマンフォスターにより旧大英博物館の書架スペースに円形閲覧室のみを残し、グレートコートと呼ばれるアトリウム空間が挿入されています。

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グレートコート 写真:イギリス観光情報サイト

古典建築に挿入された現代の建築空間、その対比によりとても美しく、光に満ちたアトリウム空間が形成され、大英博物館自体も多くの注目を浴びました。

古きものを守り、それを現代の技術力で魅力を高める姿勢は、現代を生きる我々にとっても、大切にしていきたい精神であると感じます。

新古典主義建築の代表作アルテスムゼウム

一方、ドイツにおいてもギリシア建築の崇高で厳格な表現を求め、建築家KFシンケルによりアルテスムゼウム(旧美術館)という建築が建てられます。

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アルテスムゼウム 写真:wikipedia

ここでは、ギリシアのストアを模したイオニア式列柱によって構成されたファサード、また、建物中央にはローマのパンテオンを彷彿とされる円形ドームが掛かっており、こちらも新古典主義建築の代表作として挙げられます。

革命建築家の登場

単純で原始的な建築形態を求めた古典主義への理解は、より洗練されていくと同時に、一部の建築家の間ではそれらをさらに抽象化や単純化し、一つの建築構想へとまとめていくものたちも現れていきました。

その中でも、フランスのエティエンヌ・ルイ・ブレーによるニュートン記念堂の設計案はとても有名なところです。

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ニュートン記念堂設計案 wikipedia

ニュートン記念堂は、高さ150 mの球体で、ギザの大ピラミッドよりも高く、当時の技術力では不可能な計画案でした。ただ、このドローイングにより影響を受けた建築家は多く、建築の持つ可能性を広げるものでした。

エティエンヌ・ルイ・ブレーによる他の計画案もwikipediaに掲載がありました↓

以後、建築の様式は様々に広がり、ギリシアやローマの様式のみに限らない、様々な様式の模倣である歴史主義の建築の時代に進んでいきます(ゴシックやルネサンス、バロック等)。
ただ、これらの様式の多様化は次第に様式としての規範性を喪失させるものとなっていきます。

それ以降の大きな建築様式の変遷は18世紀後半イギリスで起こった産業革命の時期になります。
スチールという新たな素材をもって大きく、飛躍的に近代建築へとつながっていくこととなります。




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西和人/Archlife

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建築家|Archlife主宰|株式会社西和人一級建築士事務所|金沢科学技術大学校非常勤講師|日本建築士会連合会青年委員会|Hp:https://archlife.jp|Insta:https://www.instagram.com/kazutonishi_architects/