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The devil you know is better than the angel you don't

Netflixでたった今、とてもいい作品を見終わった。

上野樹里ちゃんと斉藤工くん主演の「ヒヤマケンタロウの妊娠(英タイトルは"He's expecting")」だ。

広告代理店で働くバリキャリのヒヤマケンタロウ(工くん)が妊娠し、赤ちゃんを出産するまでの苦悩と気持ちの変化を描いた作品。

上野樹里ちゃんはパートナーのアキを演じている。


ずっと昔に見た映画で、シュワルツェネッガー主演の「ジュニア」の題材が少しだけ頭をよぎったのだが、これはコメディーとしては面白かったし、テーマは同じだが、リアリティは全くなかった。

主人公の妊夫が科学者という設定だったので、男性が妊娠をするというのは超非現実として描かれていた。


それに比べて「ヒヤマケンタロウの妊娠」は普通の人達が主人公で、ひどくリアリティがあり、何だかとても感動する。男性が「お母さん」で、女性が「お父さん」になってもいいじゃないか!近い将来、本当にそういう日が来るような気がしてならない。

というか、役割が逆転しても、結局人間は同じことで悩むものらしい。

結局男と女の境界線なんて、在ってないようなものだってことなのか。

確かに生物の世界にも、男にも女にも変身できる種はあるものね?

               👶

この物語の中で、アキを演じる樹里ちゃんの存在感がとても好き。

彼女のお父さんは世間体を何より大事にする人で、堅物。自分の気持ちを一番大事にする彼女とは価値観が全く合致せず、長い事口をきいていない。

結婚をせず、子供がいない「普通でない」娘を認めていないのだ。


田舎に住む妹の結婚式に同席した親戚とのやり取りにはヘトヘト。

同窓会でも、改めて周りの人間とのギャップに傷つく。

そんな疲れた彼女がケンタロウに掛けた電話でのセリフに、ことさら感動してしまった。


”「決まりきった価値観にとらわれる必要もないし、「らしさ」とか「役割」なんて、人それぞれだからさ。」”

”「私は、偏見は無くならないと思っているから。それでも私は、ケンタロウとだったら、新しい形が築ける気がするんだよね。」”

                 👶

男らしさとか女らしさ、父親らしさや母親らしさ。

どういう意味なんだろうね?


アキが言うように、偏見なんてどこにでもある。

むしろそれに立ち向かって闘うよりも、上手くやりこなして、自分なりの幸せを追求する共存方法を見つけるべきなのかもしれないね。


見ている間もずっといろいろと考えさせられることの多い、素晴らしい作品だった。

人間として、家族として、何かに縛られずに幸せに生きてゆくには何が大事なのかをもう一度考えてみたくなる作品だった。

自分も、家族も、仕事も、個人の生活全てを優先する生き方って、本当にあるのかもしれないなあ。

それが叶ったら、人生最高だよね!!





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