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相手も自分も「機嫌よく」。一緒に良いデザインをつくる。|はるさん(デザイナー)

アプリコットデザインで働くスタッフのこれまで、今、これからをお届けする「STAFF STORY」。

今回はデザイナーのはるさん。デザイナーになるまでの経緯やデザイナーとして働く上で大事にしている気持ちをお話ししてもらいました。

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デザイナーになるまで


高校生くらいの頃から、美容師かデザイナーになりたいと思っていました。美容師に関してはずっと憧れがあって、デザインのお仕事に関しては図工や美術が好きだったというすごく単純な理由で興味があったんですが、その当時はまだ迷いがあって。もし美容師になるために専門学校に行ったら美容師以外の選択肢がなくなってしまうのではないかと思い、進学のときには幅広い仕事に生かせそうなデザイン系統の4年制大学を選びました。

その後、就職活動では民間の企業に入社しようとしたのですが、卒業する直前にやっぱりデザイナーになりたいという気持ちが強くなって。3月にデザイン関係の会社を受けて、ご縁のあった制作会社でデザイナーとして働くことになりました。

その会社では主に、パンフレットやポスター、ロゴのデザインを行うグラフィックのデザインを担当。10人前後の小さな企業だったこともあり、徹夜は日常茶飯事で怒号が飛び交うような過酷な環境でした。5年ほど続けてさすがに疲弊してきた頃、同じ大学に通っていた友人から当時働いていたデザイン会社を紹介してもらったんです。それが「アプリコットデザイン」でした。

「効率よく、機嫌よく」進められるように


アプリコットデザインでは、ディレクターさんがつないでくれた案件をデザインに落としこんで、ビジュアルをつくるお仕事をしています。グラフィックとウェブのデザインが半々くらいです。私は在宅勤務をしているので、お客さんとのお打ち合わせのときを除いて仕事のほとんどが自宅で完結します。

朝、仕事を始めるときはスケジュールの確認から。今自分の手元にあるデザインの案件がどれなのかをきちんと把握して、午前中は早く終わりそうなものから着手しています。ディレクターさんから戻ってきた細かい修正だったり、デザインの構成を紙に起こす作業だったり。けっこうアナログなところがあって、私の場合は一度紙に起こした方がスムーズなんですよね。

デザインを1からつくるような大きな作業は、お昼休憩を挟んでから午後に着手することが多いです。エンジンがかかってから一気に進めるのが効率的なので。タスクが溜まっていかないように、スピード感は常に意識しています。

私はいつも自分と関わる人が不安になったり嫌な気持ちになったりしないような仕事の進め方をしたいと思っていて。嫌な気持ちでつくったり、トラブルがあったりすると、やっぱりクリーンな感情で作れなくなるし、それが受け取る人にも伝わってしまうと思うので。なるべく他のメンバーやお客さんも一緒に、楽しくものを作れるような進行をしていきたいと思っています。そのために、その仕事をする上でまずは自分が楽しんでデザインできるポイントを探しながら、制作物に落とし込んでいくっていうのを意識しています。加えて、自分が機嫌よくいられるように余裕が持てるスケジューリングで進行するのもかなり重要なことだと思います。

イメージを探ること


デザインをしていて大変だと思うのは、お客さんの思う“いいデザイン”が汲み取れないときや、「デザイン以外のことを考える」ときですね。たとえば、ロゴのデザインを出す場合だったら、そのデザインがディレクターさんやお客さんに刺さらなかったとき、3パターンくらいの候補を出して、イメージをすり合わせる工程が必要になったりするんです。どうすればお客さんのイメージに近いものに辿り着けるのか、その方法から考えていくのは難しいですね。大変というか、不甲斐なさというか・・・自分の力量不足を感じる瞬間でもあります。

デザインをすり合わせる過程では、私がお客さんと直接お話できるパターンとディレクターさんが間に入ってくれるパターンがあります。お客さんと話せるときは、お客さん自身の好みのものや趣味の話から、どういったテイストを好む人なのかを考えた上でデザインに着手することが多いです。ディレクターさんが窓口の場合は、一緒に考えるということを大切にしています。参考になるような画像を共有して話し合って、作りたいイメージに近づけていくというか。イメージを探っていく過程の部分は、デザイナーである自分たちの仕事だと思っています。

シンプルを突き詰めたロゴ制作


アプリコットデザインで携わって印象に残っているのが、2022年に担当させていただいたnanaba建築設計事務所さんの案件。

ロゴから名刺や封筒の制作、ウェブのデザインまで全部やらせていただいたのですが、ロゴが決定するまでの道のりがすごく長かったんです。お客さんへの提案の切り口を工夫したり、何パターンもデザインをお出しして、細かいところまで調整しながら進めていきました。お客さんもとても熱意のある方だったので、「いいものを作ろう!」と一緒に進めていけた案件でした。

気さくにお話ができるnanabaさんへの「呼びかけ」をイメージしたシンボルマーク。実際に制作したロゴはすごくシンプルなんですけど、「シンプルな直線2本の中にどれだけ意味を込められるか」を突き詰めました。たとえば、長さと角度、太さ。安定した美しさを感じられるように黄金比で構成しているんです。文字の大きさや間隔にもこだわりました。実はこの線、ゆらぎをつくっていて。nanabaさんは建築設計事務所なので、一から線を描いて建物の図面を起こしていく様子を表現したくて、少し手描きっぽく見えるようにしたんです。

かしこまらずに、気軽に「nanabaさん!」と呼びかけ、楽しく家づくりについてお話できる場所でいられるように。そんな想いを込めて、お客さんと伴走しながら作ったロゴでした。

制作の「過程」を大切にしたい


完成したものに対してこれで完璧って思わないようにしています。満足したら終わりだなって。デザインをするとき、お客さんのこと、お客さんの会社のことをたくさん考えた上でベストのものをお出しするスタンスではいるんです。その仕事で出せる全力は尽くしているけれど、一個の制作物として100点なのか?と自分に問いかけたら「いやいやまだいけるでしょ」と思う。それってある意味、一人のクリエイターとして納得していないってことなのかもしれないですね。

それから、制作物のクオリティーにこだわりつつも、「過程」を大切にしています。作ったものを評価されるのはもちろん嬉しいんですけど、それ以上に「あの人と仕事したらなんかよかったな」とか、「安心感あるからお任せしたい」とか、過程の部分を評価してもらうことはもっと嬉しいなって。そう思ってもらえるデザイナーでありたいです。

これまでその時々の状況に適応して、お客さんの雰囲気に合わせたデザインをしてきたから、自分のデザインにはずっと「自分の色がない」って思っていたんです。でも最近は「デザインを見たらはるちゃんが作ったってわかる」と言っていただくことも増えてきて。だから今はデザイナーとして、自分が“好き”だと思う要素を織り交ぜながら、それぞれの相手に寄り添えるデザインを作り続けていきたいと思っています。お客さんや社内のメンバーに“あの人と仕事してよかった”と思ってもらう瞬間を、大切にしたいから。


▼デザイン会社が長野県長野市つくった複合施設tone village(トーンビレッジ)


▼東京・長野を拠点に、「ブランディング」「デザイン」「WEB」を駆使して、集客および採用支援を提供するデザイン会社


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