【note分析⑥】”PVの将来予測”に使える分析の紹介 ~誰でも作れるキー・チャート~
戦略コンサルタントのアップルです。
note開始以降、独自のnote分析をやりつつ、それについてちょこちょこ記事を書いてきました。
【分析記事の系譜】
① バブルチャート
② noteのパフォーマンスを上げるメカニズム図 前編
③ noteのパフォーマンスを上げるメカニズム図 後編
④ フォロワーの属性分析
⑤ 賞味期限の長い記事/短い記事の考察
これまでの分析記事は、実践記とともに以下のマガジンに収録しておりますので、上記タイトルをみて興味を持たれた方はご覧ください。
さて、今回は、分析第6弾として、記事別のPVの傾向についてアップルのデータをもとに分析してみます。
同じような分析はエクセルをちょっと使えばできるので、noteやブログをやっていらっしゃる方は興味あればやってみてください。記事の投稿日と記事別のPVのデータがあればグラフを描けます。
最後のほうに出てきますが、この分析の最大の意義は、将来のPVの予測に使えるという点です。ぜひご覧ください!
分析の意図
このあとグラフをもとに軽く分析をするのですが、なぜこんな分析をしようと思ったのかというアップルの問題意識をまず書きます。
note開始以降、PVをどう増やすかということを考えて思考錯誤してきました。パフォーマンス指標は、PVだけではなく、スキやフォロワー数もありますが、記事を見てもらわないとスキもつかないですし、またフォロワーもつかないので、PVが一番根っこの重要指標と言えると思います。この辺のメカニズムについては、初期の分析記事で図解をお示ししました。
青字で書いてある3つの算式が、アップルが重要視している3つのKPIです(実践記の記事の中では、これらのKPIの数値を毎回書いています)。
では、累計PVをどう増やすかといえば、「累計PV=1記事あたりの平均PV数×記事数」という因数分解を踏まえると、
戦略①:記事をとにかくたくさん書く
戦略②:1記事あたりの獲得PVを増やす
戦略③:あるいはその両方
の3つの戦略があります。
①と③の戦略は、記事を毎日のように書く必要がありますが、それを続けるのは結構しんどいです。アップルもnote開始1ヶ月は毎日記事を書きましたが、2ヶ月目からは2~3日に1回くらいの頻度に落としています(これでも多い方かもしれませんが)。
この戦略をとれるのは、
・毎日のように記事を書ける時間的・心理的余裕がある
・書きたいことや発信したいことが山ほどある(ネタが豊富)
という2条件を満たす人だけです。決して多くはないように思います。
アップルも、戦略コンサルティングの業務が忙しくなると、この戦略をとることは難しくなります。また、ネタも毎日書き続けるほどたくさんもっているわけではないので、毎日書くと枯渇していく、もしくは記事のクオリティが下がることが懸念されます。
とすると、アップルを含め多くの人にとっては②の戦略をとるのが基本路線となるでしょう。
「では、どうやって1記事あたりのPVを増やしていけばよいのか??」
この問いに行きつきます。この問いに対する答えを考える上で、まずは記事別のPVのデータを把握し、かつその時系列変化を観察することが重要になるわけです。
やや前置きが長くなりましが、こんな意図というか問題意識でやってみた分析になります。
それでは、本題に入っていきましょう。
まず、分析手法を紹介し、次に分析からどんなことがわかるかを実データをもとに解説します。
記事別PVを分析するためのキー・チャート
7月3日までにアップルは64記事を書きました。このうち、自己紹介記事と異常値である2記事(バズったコロナレポートのまとめ記事)を除くと61記事です。この61記事を対象に分析をします。
まず、横軸に何本目の投稿記事か、縦軸に記事のPVをとってグラフ化してみると次の通りとなります。
傾向線を点線で引いていますが、右肩上がりになっています。つまり徐々に1記事あたりのPVは増加傾向にあります。
ちなみにやや細かい点を補足しますと、記事のPVというのは投稿からの日数が経つにつれて徐々に増えていきます(投稿から数日でPVが頭打ちになるか、それともじわじわ増え続けるかは、記事の賞味期限次第ですが)。
上記のグラフの右側に行けばいくほど投稿からの日数が浅く、左側に行くほど日数が深いため、それでも右肩上がりになっているということは記事のPV獲得能力がこの傾向線以上に高まっていることを意味します。
とこのように、投稿からの日数によってPVは変化するので、その変数も軸に入れてみましょう。
この散布図が分析のキー・チャートだとアップルは考えています。
グラフの見方を解説しましょう。
一つひとつの点がこれまでに投稿した記事です(N=61)。横軸がその記事の投稿からの経過日数、縦軸がその記事の7月4日現在のPVです。左に行くほど新しい記事ということになります。
この散布図から読み取れること(得られる示唆)は、次の3点です。
分析① 記事のPV獲得力のボトムラインは上がっている
散布図の中で一番下に位置するのがその時期におけるもっともPVが低かった記事になります。つまりボトムラインです。
このボトムラインは線形で上昇していることが分かります。note開始当初のボトムラインは50~100PVでしたが、現在は250PV前後まで上昇しています。
この背景にはフォロワーの増加があります。まだそんな多いわけではないですがフォロワー数が100人に達し、フォロワーの皆様のうち一定数がアップルの記事を継続的に読んでいただいているのだと思います。また、note開設と同時に始めたTwitterのフォロワーも50名まで増えたので、Twitterのフォロワーの方も一定割合で読者になってくれているのかもしれません。
ただ、フォロワー数はnoteとTwitterを加算しても150なので、ボトムラインの250PVとはギャップがあります。この100PVくらいのギャップの要因としては以下が考えられます。
・note内外からの検索流入によるPV
・フォロワーにはなっていないが、アップルの記事を継続的に読んでいただいている方によるPV(隠れ読者)
・何度も繰り返し読んでいただいているコアなファンの存在(一人が1PV以上を付けているケース)
いずれにせよ、これらの複合要因によって、ボトムラインは今のところ着実に増加していることが確認できます。
分析② PVのバラツキが小さくなっている(かも)
これもグラフから見て取れることですが、記事のPVのばらつきが減ってきているように見えます。
ただ、この結果をそのまま鵜呑みにはできません。投稿からの時間が経てばたつほど、PVのばらつきは拡大していくからです。記事によって賞味期限の長短があり、賞味期限の長い記事は日が経つにつれてじわじわとPVが増え続け、賞味期限の短い記事は日が経ってもPVが変わりません。結果的にPVの差が大きくなっていくというわけです。
なので、このデータだけをもってして「PVが安定化している」とは言い切れませんが、とはいえかなりの程度ばらつきが縮小しているので、読者が付くことなどによってPVが安定化している可能性が高いと判断します。
分析③ 将来のPV予測に使える
このグラフを描くことの最大の意義は、将来のPV予測の材料にできる点です。
先ほどの散布図の傾向線を引いてみましょう(エクセルの線形近似機能でただしに描けます)。
傾向線の関数は四捨五入すると次のとおりです。
y = -2.2X + 281
この関数を使って将来の1記事あたりのPVを予測することができます。
実際に予測してみると(上記関数に-30、-60、-90を代入)、
1ヶ月後:347PV
2ヶ月後:413PV
3ヶ月後:479PV
となります。
この予測のとおり3ヶ月後に500PV/記事くらいまで行くとしましょう。
そうすると、以下の算式により、1ヶ月間のトータルのPVもラフに見積もることができます。
1ヶ月間のトータルのPV = 500PV×記事の投稿本数 + 前月までの記事によるPVの増分(ストックによるPV)
ストックによるPVは算式化が難しいですがアップルの実勢値をもとに2,000PVと見込むと、記事を15本投稿するとすれば、
3ヶ月後の1ヶ月間のPV = 500PV×15本 + 2,000PV = 9,500PV
となります。つまり、3ヶ月後には、2日に1本のペースで記事を書く感じでも地力で10,000PVくらいは行けそうだという見立てが立つわけです。
無論、この関数自体が変化していく可能性があるので、あくまで過去の傾向が変わらないという前提での予測値にはなりますが、目安としては十分使える予測値ではないかと思います。
今回は以上です。
ダッシュボードのデータをエクセルに入力して簡単にできる分析なので、面白いと思われた方はぜひご自分のデータでもやってみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました!
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