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結婚・出産報告は時に人を傷つける

こんばんは。りんごりらです。
今日は精神疾患と結婚をテーマに書いてみます。

20代も後半戦になると、歳の近い先輩なんかバンバン結婚しだします。いわゆる「結婚ラッシュ」というやつですね。

今日も同期から報告メールがあって、「寿退社(転職)する」だとか「苗字が変わったけどよろしくね!」みたいなアレです。よい人間関係を構築するために、祝い得だと思って戦略的におめでとうメールを返信するのですが、内心は羨ましくてたまらないです。精神疾患で苦しむ人間にとっては残酷な報告です。
私は結婚願望があるわけではありませんが、「結婚や出産=幸せ」の方程式を予期せぬタイミングで見せつけられると、

なんで周りは皆幸せなのに、どうして自分はいつまでも病気で苦しまなきゃならないのか。

と矢がぶっ刺さるわけです。他人と比べてもしょうがないって言われるかもしれませんが、そもそも日本人は他人を気にする民族なのであって、トイレに行きたいのを我慢しろって言われても無理なのと一緒です。

同期とは同い年なのに、片方は出世街道まっしぐらで無事に結婚相手を見つけ順風満帆な生活を送っている。片や自分は躁鬱病を発症して重症化し、健康もキャリアも失って死と闘っている。
どこでこんなに差がついてしまったのかと。原因があるとすれば新人の配属ガチャだったのかもしれない。もっとゆるい環境でまったり働いていたら躁鬱病にはならなかったかもしれない。少なくとも休職するようなことにはならなかったかもしれない。いや、もっと遡れば遺伝ガチャから始まっていたんだ…と変えられない過去を後悔して止みません。

前の部署の上司(女性)は私が3回休職したことに対して「大丈夫。私も育休を2回取得してるから!」と慰めてくれた。しかし当人は慰めているつもりだろうが、同じ長期休職をするにしても、

育休は子供を育てるという幸せ事による休業

なのに対して、

精神病による休業は不幸な状況による後ろ向きな休業

なので前提として同じ土俵に立っていない。育休は本人が希望して取ろうとするけれども、傷病休職は病気になりたくてなってるわけじゃないし、大体の人は休職などしたくないのである。

もちろん子育てが楽だとか言うつもりはないけれども、既婚者ならたとえ収入が無くなっても経済的に支えてくれるパートナーがいる。しかし、単身者は自分が働けなくなったら終わりなのである。躁状態で数十万単位でやらかした散財の補填をしなければならない。

じゃあマッチングアプリやら結婚相談所やら婚活すればいいじゃないのと言われそうだが、自分が性産業の商品にされているようで気に入らない。
それに経済力の問題がある。働けないから結婚して養ってもらおうという逃げの姿勢では、仮に離婚となった後が苦しくて高リスクである。

マクロ的な視点で見れば、若者の貧困と言われるように、働けど働けど生活は貧しいまま。しかも日本政府は若者を切り捨てるような政策をとっている。少子化とは当然の結果である。

一番の問題は「結婚の目的=子供」と言われるように、世の大多数の男性は自分の子供を求めているということである。

子供を作るとなると、金銭的な問題はもちろんあるが、躁鬱病が遺伝する可能性を視野に入れないといけない。炭酸リチウムなど胎児奇形を及ぼす薬を飲んでいれば、薬を変える必要があるため体にとっては負担である。そして無事に子供を出産できたとしても、将来子供もまた躁鬱病を発症し、こう言われるのだ。

「お母さんなんで私を産んだの。こんなに苦しむなら生まれてこなければよかった」

今の日本社会で生きる子供たちであれば、これは容易に想像できることである。自分の子供にこんなことを言われるのは耐えられない。

結婚した同期に不幸になれとは思わないが、素直に祝う気にもならない。せめてもう少し、自分にも人並みくらいの幸せがほしいと思っている。大富豪になりたいと言っているのではない。マイナスを0に上げてほしいとお願いしているのだ。しかし、精神病は簡単には治らない。いつまで苦しみに耐えなくちゃならないのか、いつになったら寛解できるのかわからない。

若い時の苦労は買ってでもせよ」という言葉がある。

必ず自分の糧となるから、若い時には失敗を恐れずに挑戦しなさいという意味である。でも精神病になるまで苦労するのは、神様はやりすぎだと思う。

しかし、年をとってから苦しむよりも若いうちに苦しんだ方が楽ならば、それはかえっていいことなのかもしれない。10代、20代で辛く死にたい思いをたくさんしてきたならば、それで苦しみを消費し終えて、30代になったら幸せになれるかもしれない。
人の幸せを自分のことのように祝えるようになった時、ようやく「自分も幸せになったんだなあ」と実感できるだろう。

でも、その日はいつになったら来るんだろうか。

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