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Apple製品と比較して考えるデジタルサイネージのスタンド構造

最近よく見かけるようになった、スタンドタイプのデジタルサイネージ。ディスプレイ部分はもかく、スタンドの設計がかなり気になっています。

わりとよくあるのが下の図のようなタイプ。いつもの雑な図ですが。

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ディスプレイ部分と、それを支える台の部分が組み合わさったタイプです。ディスプレイは人が見やすいように少し奥に傾いています。重心が奥に偏っているので、スタンドも奥に向かって伸びています。

でもこれなら、下の図のような形の方がシンプルなのではないかと。

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1枚の板を折り曲げたような形状ですね。1枚と言っても、デジタルサイネージは実際は部品点数が多かったりして、ぱっと見1パーツに見えるだけなんですけどね。とはいえ画面の角度を変える必要がないのであれば、少なくとも視覚的には1パーツでいいだろうと。

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Apple

iMacは本体とスタンドの2パーツですが、これは画面の角度を動かせるという機能があるから。

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USPTO

画面の角度を変えないなら、1枚板という選択肢があります。折りたたみ機構を使えば角度調整できる1枚板も可能なのかもしれませんけど。

デジタルサイネージで一番落ち着かないのは下の図のようなタイプ。

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画面が垂直で、スタンド部分が手前にもはみ出しているタイプです。2枚の板が交差したような構造なので最初に見たような構造と比べると、シンプルさに欠ける感じがします。実際のパーツ点数も多いうえに、視覚的なパーツ数も多いので落ち着かない。

逆に、一見2パーツっぽいのに1パーツのスタンド構造なのがPro Display XDR。2枚の板が垂直に交差したような構造ですが、1個のアルミニウムの塊を削り出して作ってあります。交差している部分に分割線がないのがわかります。
かなり分厚い板を折り曲げて、不要部分を削って作っているのでしょうか。それともブロック状の素材から切り出してさらに切削加工?

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Apple

いずれにせよ、あり得ないぐらい材料に余剰が出る作り方だと思われるので、Apple以外でこれをやる会社はないのでは?

金と手間をかけて暴力的なシンプルさを実現しています。

機能的にはiMacのように、板を折り曲げて作るタイプのスタンドでいいような気もするのですが、ディスプレイ部分の重さの関係で、この構造でないとディスプレイ部分を支えられなかったのかもしれません。

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基本の構造はデジタルサイネージのデザインと同じなのですが、分割線が消えるだけで印象が変わるものなんですね。

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