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日本一クレイジーな令和の奇祭を親子で見物してきた


大分県別府市で行われた、1時間に210トンのお湯をひたすらぶっかけられながら踊る奇祭〝湯♨️ぶっかけまつり〟を、親子で見物してきました。


↑去年の動画。狂気の一言。





別府駅に着いたのは、ぶっかけまつりが行われる1時間前。入口の手湯でのんびりしていたら、この看板を見つけた。

市制は100周年で、お祭りは110回目とはどういうことなんだろうか。




今年は別府市のアニバーサリーイヤーで、いつもよりもぶっかける湯量を増やしているそうだ。


どうやら沿道がずぶ濡れになるらしい。雨も降っていないのに、レインコートで自衛している人たちも多く、少し不安を覚える。

そもそも湯量210tとは、どれぐらいのものなのかさっぱりわからない。できれば濡れずに帰りたい。



メイン通りの裏側。これにお湯が入っているとみた。


これ絶対温泉だ!と写真撮ってたら小学生たちから早速温泉をぶっかけられた。横には消防車も待機していた。


美容室の中にでっかいホース



結局、小学生から温泉をぶっかけられた。服を着たままあたたかい温泉をかけられるのは不思議な感覚だった。


ぶっかけまつりが始まる5分前。会場のボルテージが最高潮のなか、市長さんが各温泉の名前を叫んでいた。


温泉の名前が呼ばれるたびに、うおー!とかおーという掛け声がきこえた。
別府には8種類の温泉地があるけど、各温泉地の湯がぶっかけあって闘う、というのではなくて、この日だけは8種類の温泉がひとつになるようだ。温泉を祀った神社もあるようで、温泉自体が御神体の祭りなのだと気づく。

と、ぼんやり考えていたら、一斉に各地から湯柱が吹き上がり、目の前で凄まじい光景が繰り広げられていった。


残念ながら、スマホが濡れそうだったのであんまり写真は撮れていない。


ぶっといホース持ったお兄ちゃんたちが沿道までがんがんぶっかけてた。スマホとかカメラ構えると容赦なくお湯が飛んでくる。


冠水していた。人工で冠水させましたって感じ
遠くで見ていても不意にお湯が飛んでくる




祭りを見物していて気づいたのは、参加者の多様さだった。


沿道でお湯をぶっかけられながらお神輿を担いで、踊る人たち。テンションが凄まじい。

もちろん観光地だから、旅館の浴衣で参加している人もいれば、バックパックの外国人旅行客もいるし、
地元の大学生(ものすごく国際的)、地元企業の人たち、オタク連合会みたいなコスプレしている人たち、市役所の課長クラスで組織された会、多分夜のお店のお姉様方、アート系の神輿(竹でできた蛸がくねくねしていた)地元のキッズたち。


温泉にずぶ濡れている勢が多い中、
全員がパリピイェー!みたいなお祭りかと思っていたけど、沿道は、圧倒的にのほほんとした感じの地元の人が多かった。
温泉に濡れないように遠巻きにみつつ、少し濡れたらキャー!って喜んでいる感じ。

特に、お年寄りがものすごく楽しんでいたのが印象的だった。もっと来いよ〜って遠くから煽ってるおじいちゃん、
駐車場の一番高いところまで階段で登り詰めて上から眺めるおばあちゃん、
謎の白人と踊りまくるおじいちゃん、せめて頭だけは濡れないように透明ヘアキャップを装備したおばあちゃん。
ここらへんのお年寄りは、普段温泉浸かってるんだろうな。凄まじいパワーを感じた。



ちなみ、お祭りの音楽を担当していたのはDJダイノジで、もはやノリが野外フェスだった。
ヤングマンでみんなでYMCAの振り付けしたり、QueenのWe Are The Championsが流れるなか三三拍子でしめて終わったりで、音楽もとても楽しいものだった。




お祭りは1時間ほどで終わりを迎えた。
御神輿が退場した後に気づいたのは、祭りが行われたメイン通りがめちゃくちゃ綺麗になっていたこと。


台風が去った後の晴天のようで、温泉が全てを洗い流して、街がピカピカ輝いていた。

ゴミも落ちてないし、皆ものすごく清々しい顔をしていた。

なるべく濡れないように親子で沿道で見ていたものの、あまりにも楽しそうだったので、前のめりに観覧していたら結構服も髪も濡れていた。

周りの人たちは、温泉に入って帰るようで、温泉でずぶ濡れになって、また温泉に浸かって温まるという良い循環システムができているようだった。



ちなみに、我が子はお祭り中ずっと驚いた顔で絶句していて、これはちょっと刺激的な過ぎたかな?と思っていましたが、後々感想をきくと、お湯がたくさんあったねえ!と爆笑していて一安心でした。


令和の奇祭、めちゃくちゃ楽しかった。まるで湯上がりのような爽快感を味わえるおまつりでした。

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