【11/15申込締切】 “いま、Webサイトについて改めて考えるスタディ” が始まります。 情報が氾濫する現代から探るその可能性とは? 企画を立ち上げたナビゲーターへ6つの質問。
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【11/15申込締切】 “いま、Webサイトについて改めて考えるスタディ” が始まります。 情報が氾濫する現代から探るその可能性とは? 企画を立ち上げたナビゲーターへ6つの質問。

Tokyo Art Research Lab の東京プロジェクトスタディ3「これからの Webサイトについて考える ―Webサイトは必要か? できること/できないこととその可能性を探る」では、ただいま参加者を募集しています。[11月15日(月)17:00申し込み締切]

このスタディでは、ワークショップやディスカッション、国内外の先進的な事例のリサーチ、ゲストによるレクチャーなどを通じて「いまWebサイトをつくるということ」と向き合います。

ナビゲーターを務める萩原俊矢さんは、ウェブデザインやネットアートの分野を中心に企画・設計・実装・デザイン・運用など、制作にかかわる仕事を包括的に行ってきました。一方で「ひとりの人が一生をかけても見きれないほどの情報がアップロードされ続けている今、私たちはWebサイトづくりとどう向き合うべきか」というテーマについて、考え続けています。
本記事では、ナビゲーター・萩原さんへの「6つの質問」を通して、具体的な取り組みや特徴、目標についてご紹介します。

Q1. Webサイト制作に携わってきたなかで、時代の変化や、技術の発展には目まぐるしいものがあると思います。このスタディでは「なぜいまWebサイトをつくるのか」という根本的な問いを立てていますが、その思いを聞かせてください。


萩原: ここ数年、オフラインの活動が制限されたことで「いまこそデジタル化していこう〜」みたいな風潮がうまれているように感じています。

そうせざるを得ない大変な状況ではあるし、長期的に考えればデジタル化がもたらす影響は基本的によいことが多いと考えています。いっぽうWebづくりなどではゴールや目的の設定が曖昧なままスタートして「これでよかったのか?」「誰が見てるんだろう??」という状況も起きているのではないでしょうか?

たとえば Webサイトやソーシャルメディアでの情報発信は、発信する側が丁寧に手をかけてあげれば大きく育つ(かもしれない)「育成ゲーム」的な側面があると思います。

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ナビゲーター:萩原俊矢(ウェブディレクター)

萩原: Webデザイナーにとっては自分たちのポートフォリオに映えるような、かっこいいWebサイトをつくることが最大のゴールかもしれません。しかしWebを運営する管理人にとってのゴールは、サイトを育てユーザとオンライン・オフラインでさまざまな接点をもつことだったりします。公開の先に小さなゴールがいくつも点在しているような感じです。

こういったWebづくりの周辺にある認識の整理を、さまざまなステークホルダーの方と改めてきちんと考えてみたいなと思い今回のスタディを立ち上げました。

それにソーシャルメディアがこれだけ発展すると「わざわざ Webサイトをつくる意味ってなんだろう? Z世代はインスタか、YouTube あるいは TikTok しか見てないんじゃないか」という単純な興味も湧いてきますよね。

Webサイト、ソーシャルメディアそしてオフライン。今はそれらに絶対的な優劣というのはなくて、適材適所だと思っています。であれば「使い分けのルール」みたいなものを私たち自身の中に用意していかないといけないのではないでしょうか。

Q2. このスタディでは専門的な知識や技術の鍛錬を目的としていません。改めてどのような方々を対象にしているのか、あるいはどういった悩みを共有したいと思っていますか?


萩原: 
先述のとおりですが Web開発者向けのスタディではなく、どちらかといえば「自身の携わるプロジェクトのWebサイトを活用したり、運用したいと思っている人」向けのスタディになります。プログラミングの技術などは不要です。

このスタディでは「なんらかのホームページ」「オンライン展覧会」「アートアーカイブ」「アートプロジェクトのウェブサイト」などゴールが曖昧なWebづくりに携わっていて、「自信がもてないけどなにか情報発信をしたい」という方にご参加いただけたらと思っています。

私個人はアートプロジェクトや地域、福祉関係の案件に携わることが多いので、そういった分野の方は一緒に考えやすいです。ただ、どんなジャンルでも勉強はしたいなとは思っています。

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写真:TRANS BOOKS
「TRANS BOOKS」は、「過去と未来のまんなかで広がり続けるいまの《本》を考える、メディアなんでも書店」として2017年から活動を開始。
萩原が飯沢未央(アーティスト)、畑ユリエ(グラフィックデザイナー)らと運営している。

Q3. なるほど。では、参加者は具体的に本スタディを通じてどういった課題に、どういったプロセスを踏んで取り組んでゆくのでしょうか。


萩原: 
細かなところはメンバーの方と一緒に考えたいところですが、お悩み相談会と対話のなかで「ユーザ」について考えたいと思っています。そのユーザを通してオンラインの場づくりについて考えるそんな流れを予定しています。

国内外のさまざまな事例をリサーチしながら、メンバーそれぞれが自身のプロジェクトの情報発信について腹落ちできるところまでスタディできたらと思っています。

Q4. これまでに携わってきたプロジェクトやWebサイト制作で、特に印象的なものはありますか?


萩原: 
どの仕事も印象的で選びにくいですが、日本の介護業界で働こうと考えている外国人向けの「KAIGO in JAPAN (2019)」というサイトの制作を担当したことがあります。

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写真:KAIGO in JAPAN ウェブサイト

英語や日本語を母国語としない方に向けているサイトでデフォルトの言語を「やさしい日本語」にしています。やさしい日本語とはひらがなやルビを多く使って、平易な表現を用いた日本語でNHKも災害情報等のニュースをこの形式で発信していたりします。

きっとユーザの方は勉強中の日本語をスマートフォンで一生懸命読みといて、来日の参考にしてくれるのかもなと、Web サイトとそのユーザについてとても考えさせられるお仕事でした。

私のホームページにほかにもいろいろな仕事が掲載されているので見ていただけたら嬉しいです。

Q5. 来年1月には、ゲストを招いてのレクチャーを予定していますね。ぜひ、詳しくお聞かせください。


萩原: 
デジタル庁でもご活躍されているアクセシビリティの専門家の伊敷政英さん(Cocktailz)にご参加いただく予定です。彼は弱視で「音で聞くブラウザ」を主に使用しています。いわゆる「普通のユーザ」とは違う存在と考えることもできるかもしれませんが、私たちが情報発信するうえで、彼らから学べることは非常に大きいと感じています。

いわゆるユニバーサルデザインとかインクルーシブデザインみたいな言葉だけだと漠然としていて想像しきれない「生々しいユーザの行動」について考えさせていただけるはずです。

それに私たちが「ユーザ」を意識した情報発信をするとき、それは同時に無意識のうちに誰かのことを「排除」しているとも考えられます。そういったことへの気づきをいただけたら嬉しく思います。多様な情報発信を考える際にはさまざまな背景をもつ方がメンバーにいることが大切です。

Q6. 最後に、このスタディ3を通じてメンバーや、あるいはご自身にどういった変化が起こること、思考を獲得することを期待していますか。


萩原: 
情報発信する側でいるときと、情報を受け取る側でいるときで私たちの行動や態度はまるで違います。Webの情報はたいてい無料なので受け取る側は気楽なものです 笑

たとえばこの記事においては、私たちスタディチームが情報を発信する側なので、読み手のことを想い数時間をかけ一生懸命に書いています。が、どう読んでいただくかは読み手の自由です。読むか離脱するかどうかの選択はユーザ側にあります。

私はこれまでにさまざまなサイトを、たくさんの方とつくってきました。技術面は日々変わっていくのですが、いつの時代も最終的には「情報を発信する側」と「情報を受け取る側」の 2つの視点をどう整理するかという話になってきます。この認識への解像度をあげるトレーニングの場に本スタディを活用できればと思っています。

情報は加速し続けていますが、そんな中でもいろいろなメンバーの方と話し合い、リアリティを交換することで、それぞれのなかに情報発信の指針(モノサシ)のようなものを獲得できたらいいなと思っています。

▼ 参加者募集中!|申込締切:11/15(月)17:00

詳細・お申し込みは公式Webサイトから ↑

イベントやプロジェクトの企画・発信について考えるとき、 Webサイトの制作や運用が選択肢に挙がることは多いと思います。情報が氾濫する現代、ここで改めてWebサイトを取り巻く「いま」を捉え直し、その可能性や限界から「これから」を見つめる機会としてゆければ幸いです。
みなさまのご応募を、心よりお待ちしております。

聞き手:櫻井駿介(アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー)

アーツカウンシル東京プログラムオフィサー。東京アートポイント計画「HAPPY TURN/神津島」「アートアクセスあだち 音まち千住の縁」「ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)」「多摩の未来の地勢図 Cleaving Art Meeting」などを担当。多肉植物と暮らす。