AP食堂

美味しいものを食べている時に思いついた、くだらない話を排泄しています。

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最近の記事

フェイク④

J助と美琴の会話音声は大々的に拡散された。 一転二転、この話題は大きな盛り上がりを迎えていた。美琴みおが、歌織らなを嵌めようとした。そのために男に抱かれている動画を公開した。つまり初めの動画はホンモノ。 美琴に決まっていた仕事は全て無くなった。 美琴は事務所の偉い人に呼び出された。 しかし美琴は事務所には行かなかった。そもそもマスコミが大勢いて出られる状況でもなかった。 「クソっ、あいつ裏切りやがって。」 死ぬより辛い目に合わせる。そう言ったはずだ。絶対にこの手で味合わせて

    • フェイク③

      J助は昔から歌織の大ファンだった。 高校生の頃に見た学園ドラマに出ていた歌織に一目惚れした。それは歌織の出世作であり代表作だった。 いつか会いたい。仲良くなって、あわよくば付き合ったりできたら。そんな男子高校生なら誰しも一度は思う願望を、J助は真剣にどうすれば叶えられるか考えた。 J助は芸能人になれるような容姿ではないことを自覚していたし、芸人になって人前で笑いをとれるセンスも技術もなかった。 「裏方ならワンチャンあるか、、」 ネット配信等が盛んな昨今なら需要はあるはず。テレ

      • フェイク②

        歌織の動画が拡散された日の翌朝、歌織は事務所に呼び出されていた。 「大変だ!大変な動画が拡散されてる!なんだこれは!」 「何ですか!知らないです!あたしじゃない!」 「そんなことはこの際どっちでも良い!拡散の初速が早すぎてどれくらい被害が出てるか分からないぞ!」 「そんなこと言われても。。あたし知らないから。。」 「わかった。知らないんだな。まあとにかくこっちで何とかしてみるから君は自宅謹慎だ。外に一歩も出るなよ!外から人を招くのもダメだ!」 完全に信じてもらえていない。とい

        • フェイク①

          この世は思った通りになるのだそうで。そう、ディープフェイクさえ使えば何だって思いのまま。あの人がこんなことしてたら、なんてことも別の人で撮影して、顔だけ変えちゃえば、思った通りの動画ができてしまうってワケ。 ある日、女優の美琴みおは事務所の偉い人に呼び出された。 「この動画、君だと噂になってるが本当かね。」 それはいわゆるハメ撮り動画だった。場所は家のトイレのようだ。 「何ですかそれ!違います!私じゃありません!」 「そうか、しかし顔があまりにもそっくりだ。」 「こんなの合

        フェイク④

          正義の門

          城島は激怒した。なんでこの世にはこんなに悪人が多いのだ。SNSでは誰もが言い争い、ニュースでは誰かが誰かを殺していた。 「世の中ロクでもない奴ばかりだ、これはおれが世界を何とかするしかない」と城島は決意した。城島は正義感の強い男だった。そしてすぐに熱くなる男でもあった。 城島は自分の話を聞いてもらうにはどうしたらいいのか考えた末、今の時代は動画配信が一番効率がいいだろうということですぐに自分のチャンネルを開設し、動画を作り始めた。城島は思い立ったらすぐ行動する男だった。 チ

          二鬼夜行

          「あの神社にお参りしたら何でも願いが叶うらしいよ!」 そう誘ってくれたユー子はスピってるにもほどがあると有名な子だった。占いやパワースポットが好きらしく、大学の教室内でよくそういった話をしているのを見かけた。 私はユー子と同じ授業をとっていたが、遊びに行ったことは無いし、話したことも授業の関係で数回あるだけだ。しかしそんな私にも関係なく接してくる、いわゆる陽キャな子だ。 「就活も上手くいくかな、、。」 私は就活でこれまで大型連敗を喫していた。藁にもすがる私の思いを見透かしたよ

          二鬼夜行

          MMMカードリスト

          モンスター  童   パワー100  土偶 パワー60     破壊されるとパワー+60の装備カード     として場のモンスターに装備してよい  竹の子 パワー30     自ターンがくる毎にパワーが倍になる  鷺   パワー0     場に出た時の相手の捨て札の枚数×30     をパワーに加える  天照  パワー100     自分のモンスターを2体以上     破壊しなければ召喚できない     破壊したモンスターのパワーを     このモンスターのパ

          MMMカードリスト

          カードゲーム④

          現在の状況 麻呂 盤面 天照 パワー700 手札 0 捨て札 22 春彦 盤面 鷺 パワー520 手札 4 捨て札 11 麻「さあお前の番だハルヒコ!足掻いてみせろ!得意の手札破壊は通用しないぞ!」 春「足掻く?いや、違うな。芝浜を使用。」 麻「なに!?そのカードは!」 春「そう、効果は各プレイヤーがそれぞれの最も大きなパワーを持つモンスターの100の位数字だけカードをドローする。こっちは5枚、そっちは

          カードゲーム④

          カードゲーム③

          麻「さあ勇者ハルヒコよ、君に先攻を譲ろう。」 春「では、、童を召喚。そして首提灯を使用。手札1枚破壊。」   童 パワー100 麻「なるほど手札破壊か。だがこのゲームはドローカードもサーチカードも入れ放題。サンバを使用!3枚ドロー!竹の子を召喚!」   竹の子 パワー30   麻呂手札 6 春「童で竹の子を攻撃、そして首提灯で手札破壊。」 麻呂手札 5 麻「場を支配してくるなんてやるじゃないか。竹の子を召喚、シャドーダンス使用!これでこっちに干渉できない、さあどう

          カードゲーム③

          カードゲーム②

          盤面 ぐっぴー 童 パワー400(100+ボール300) 麻呂   竹の子 パワー120(60+土偶60) ※シャドーダンスにより5ターン干渉不可 ぐ「こっちはこっちの戦いをするだけだ!馬を使用!さらにボールを使用!」   馬 パワー+30 攻撃回避+3 → 童 パワー530 ※回避3 麻「なるほど攻撃回避の馬を装備か。童速攻とは若いな。少年。ならこれはどうかな、銃を使用!銃により装備1枚破壊!さらに動物装備があれば追加で破壊!」   童 パワー400 麻「さ

          カードゲーム②

          カードゲーム①

          「マスターMAXモンスターズ」  略して、MMM  このカードゲームは召喚したモンスターのパワーを他のカード等を使って強化していき、先に自身のモンスターのパワーが1,000を超えた方の勝ちというシンプルなルール。  具体的なルールは次のとおり。  デッキは30枚。同じカードは何枚でも入れて良い。初期手札は5枚。  ターン始めにデッキからカードを一枚ドロー。その後、次の中から2つ選択して行動できる。※同じものを2つ選んでも良い。順番は自由。  ・モンスターの召喚  ・テクノロジ

          カードゲーム①

          ピザ屋

          ここは商売繁盛の神がいると言われる神社。 今日もまた、我が店を大繁盛させんと意気込む1人の青年が訪れた。 神主「それで今日はどういったご用で参られたのかな。」 青年「私はこの度ピザ屋をオープンさせようと思っております。ついてはその繁盛を祈願させていただきたいのですが。」 神主「よかろう。それで今日はそのピザはお持ちかな?」 青年「はい、一枚ですが。」差し出す。 神主「うむ、いただきます。」 一口食べる。 神主目を見開きながら心の声「うまい!」 陽気なミュージカル音楽が流れ

          野球

          枝「どうもー」パチパチ 日「以上、野球漫才でした。ありがとうございましたー」 枝「違う違う、今からやんのよ。」 日「ああそうかごめんごめん、緊張しちゃって。」 枝「いやお前こんなとこで緊張してたら、お客さんがいっぱいいる試合出たときにバット振れないぞ。」 日 ニヤけながら「いや、お前ここで下ネタはマズいって」 枝「誰がこのタイミングで下ネタ言うんだよ。野球の話に決まってんだろ。」 日「ああ、そっちね。それは大丈夫よ。緊張しない良い方法があるから。教えてあげよう。見てるみな

          我が銅像

          この町には私の銅像がある。 私のこの町に対する功績を考えれば当然のことである。正義のために私は様々な悪と闘い続けた。 「割れ窓理論」によると、1枚の割れた窓ガラスをそのままにすると、それが2枚3枚と増え、町が荒れていくという。私もその通りだと思う。私は小さな悪を見過ごさず、正義を執行することで町の平和を守り続けた。 ある日私は事故で死んだ。 気がつくと天国にいた。「ようこそ天国へ」という観光地の駅にありそうな横断幕が浮かんでいた。 天国は平和そのもの、ここに悪意を持った人間

          ある晴れた日には

          この町に引っ越して来て1ヶ月が経ち、私は新しい町での生活に慣れ始めていた。 ここ数日は天気も良く、春の日差しが眩しい。 一方で春は変わった人たちが出没してくる季節でもある。 私が近くのスーパーで昼飯を買って帰ろうと歩いて帰っているときだった。前からこちらに向かっておじさんが四つん這いで歩いていた。おじさんは犬のコスプレを着ており、首輪にはリード、そしてそのリードを日傘をさしたおばさんが持って少し後ろを歩いていた。 異常、という言葉がピッタリな光景だったが犬おじさんは何事もな

          ある晴れた日には

          嗜む程度に君が好き

          職場の飲み会で「年頃の女なのにまだ独り身なのか。誰か良い人はいないのか。」等と言われることにも慣れてきた社会人6年目。 今どきそんなことを大声で言って恥ずかしくないのかと呆れながら愛想笑いで流す。いつものことだ。 私も社会人になりたての頃は仕事が嫌で嫌で仕方なかった。昔から絵を描くのが好きで、大学生の頃始めた同人誌を描くことだけが生きがいだった。それも仕事に追われそんな余裕はなくなってしまった。 それならさっさと寿退社しようと思い、出会いを求めてマッチングアプリを入れた。 そ

          嗜む程度に君が好き