見出し画像

カードゲーム「MMM」

「マスターMAXモンスターズ」
 略して、MMM
 このカードゲームは召喚したモンスターのパワーを他のカード等を使って強化していき、先に自身のモンスターのパワーが1,000を超えた方の勝ちというシンプルなルール。
 具体的なルールは次のとおり。
 デッキは30枚。同じカードは何枚でも入れて良い。初期手札は5枚。
 ターン始めにデッキからカードを一枚ドロー。その後、次の中から2つ選択して行動できる。※同じものを2つ選んでも良い。順番は自由。
 ・モンスターの召喚
 ・テクノロジーの使用
 ・相手モンスター1体への攻撃
 一気に自分のモンスターのパワーを強化するもヨシ、相手を妨害して自分に有利な展開へ持ち込むもヨシ、戦略的カードゲームだ!

 そんなMMMでチャンピオンとして君臨し続ける謎の覆面男「麻呂」。
 彼は動画配信により人気を集め、バトルを挑んできた者を次々と倒した。彼の再生数が伸びるにつれてMMMも人気カードゲームとなっていった。
 彼への挑戦者が絶えず現れたのは賞金のおかげだった。挑戦者は10,000円を払って麻呂へ挑戦し、敗れるとその挑戦料は賞金へプールされていく。その賞金を狙ってまた挑戦者が現れた。

 大金を必要としている1人の少年がいた。彼はみんなから「ぐっぴー」と呼ばれ、たくさんの友達に囲まれて楽しい日々を過ごしていたが、ある日両親が交通事故に巻き込まれ亡くなった。
 弟は一命を取り留めたが、意識不明の状態だった。ぐっぴーにはお金が必要だった。
 麻呂への挑戦料はお金持ちの友達、「ケン」から借りることにした。
「ケンちゃん、本当にありがとう。」
「気にするな、でも麻呂に勝てる算段はあるのか?」
「ある!昔から動画は観てたから戦い方は知ってるんだ!」

 ぐっぴーは麻呂のいるstudioSに行った。
「次の挑戦者は君かね?」
「はい、よろしくお願いします。」
「礼儀正しい少年だ。だがしかし、手加減はしてやらんぞ、勝負の世界ではみな対等だ!勝った方が正義!だからこそ、大人だろうと子供だろうと勝者にはこの賞金1,000万円を受け取る権利がある!さあ勝負だ!」

先攻 ぐっぴー
ぐっぴーは心の中でつぶやいた。
「麻呂はエンタメ性を重視してくる。だから速攻は使ってこない。ならこっちは速攻で勝負だ!」
ぐ「童を召喚!」パワー100
ぐ「続けてボールを使用!童に装備!」
  パワー+100 → 童 パワー200
麻「王道の速攻デッキか。ならこちらは土偶を召喚!続けて竹の子を召喚!」
  土偶 パワー60
     竹の子 パワー30
ぐ「特殊効果モンスター2体か。竹の子は毎ターンパワーが倍になる厄介なモンスターだ。だが1,000を超えるのは6ターン後、、それまでに倒す!童にボールを2枚使用!」
  童 パワー400
麻「順調に育ててるな。ふっ、だがまだ焦る段階じゃあない。私のターン、宇宙開発を使用!土偶を破壊!そしてデッキからカードを一枚手札に加える。土偶は破壊された時、場のモンスターに装備可能!竹の子に装備!そして、シャドーダンスを使用!君は5ターン私のモンスターに攻撃、干渉できない。」
  竹の子 パワー120(60+60)


盤面
ぐっぴー 童 パワー400(100+ボール300)

麻呂   竹の子 パワー120(60+土偶60)
※シャドーダンスにより5ターン干渉不可

ぐ「こっちはこっちの戦いをするだけだ!馬を使用!さらにボールを使用!」
  馬 パワー+30 攻撃回避+3
     → 童 パワー530 ※回避3
麻「なるほど攻撃回避の馬を装備か。童速攻とは若いな。少年。ならこれはどうかな、銃を使用!銃により装備1枚破壊!さらに動物装備があれば追加で破壊!」
  童 パワー400
麻「さらに、サンバを使用!3枚ドローする!」
  竹の子 パワー180(120+60)
ぐ「破壊されるのは想定内だ!肉を使用!肉の効果で捨て札にいった装備2枚をモンスターに付け直す!さらにボールを1枚使用だ!」
  童 パワー630 回避3
麻「ではこちらは再びサンバを使用!そして銃を使用する!どうする?これを繰り返せばこちらのモンスターの成長が追い越すぞ。」
  童 パワー500
     竹の子 パワー300
ぐ「ここからだ!BOOK on BOOKを使用!装備を2枚破壊し、デッキの上から5枚めくって装備を全て童に使用する!」
  童 パワー300
めくったカード、童1枚、ボール4枚!
  童 パワー700
ぐ「さらに!肉使用!さっき破壊したボール2枚を装備!」
  童 パワー900
麻「素晴らしい展開だ、、。実に惜しかった。地獄汽車を使用!こちらの手札の数だけ相手の装備を破壊する!こちらの手札は9枚!」
ぐ「まさか!」
  童 パワー100
麻「さらにこのターン、竹の子はパワー540!童を攻撃!破壊!」
ぐ「うわあ」
麻「どうする少年。もう手札はないようだが。」
ぐ「くそお、ドロー、、。ターン、エンド。」

流れは変えられず、麻呂の勝利でゲームは終わった。
「ケンちゃん、ごめん負けちゃった。お金はいつか絶対に返すから。」
「配信観てたよ。お金はいつでも大丈夫だから。それよりゲームに興味出てきたからカード貸してくれる?」


数日後、studioSにヒーローの仮面をつけた少年が登場した。
麻「勇敢なヒーローくん、君の名前は?」
春「、、、、ハルヒコ。」
麻「そうかい、じゃあ静かな勇者ハルヒコ、君の挑戦受けてたとう!さあ勝負開始だ!」

麻「さあ勇者ハルヒコよ、君に先攻を譲ろう。」
春「では、、童を召喚。そして首提灯を使用。手札1枚破壊。」
  童 パワー100
麻「なるほど手札破壊か。だがこのゲームはドローカードもサーチカードも入れ放題。サンバを使用!3枚ドロー!竹の子を召喚!」
  竹の子 パワー30
  麻呂手札 6
春「童で竹の子を攻撃、そして首提灯で手札破壊。」
     麻呂手札 5
麻「場を支配してくるなんてやるじゃないか。竹の子を召喚、シャドーダンス使用!これでこっちに干渉できない、さあどうする。」
  竹の子 パワー30
     麻呂手札 4
春「童を召喚。そして疝気虫を使用。童2体を破壊してその倍、4枚の手札を破壊。」
     麻呂手札 0
麻「肉を切らせて骨を断つ戦法かね、こちらの手札は0。しかし、運が悪かったね。ドローしたカードがこれだ。サンバ。3枚ドロー。おっとまたきた、サンバ使用。もう3枚ドローだ。」
  竹の子 パワー60
     麻呂手札 5
春「童を召喚、首提灯使用。」
  童 パワー100
     麻呂手札 4
麻「あくまで最初のプラン通り進めるか。そうはいかないぞ。竹の子はこのターンでパワー120だ。童を攻撃!破壊!そして竹の子をもう一体召喚!」
  竹の子 120
     竹の子 30
     麻呂手札 4
春「死神を使用。捨て札からこのターンのみ存在するモンスターを2体召喚。疝気虫を使用。手札4枚破壊。」
     麻呂手札 0
麻「そして手札はまた0か。いいぞ、ハルヒコ、ブレないことは大切だ。だが無駄なこともある。またサンバを使用!3枚ドローして竹の子召喚!」
  竹の子 パワー240
     竹の子 パワー60
  竹の子 パワー30
     麻呂手札 2
春「首提灯を使用。サンバを使用。」
     麻呂手札 1
     春彦手札 4
麻「モンスター切か。それじゃあ勝てんぞ!こちらは竹の子を2体召喚!」
  竹の子 パワー480
     竹の子 パワー120
  竹の子 パワー60
     竹の子 パワー30
     竹の子 パワー30
     麻呂手札 1
春「ふっ」
麻「、なんだ!?」
春「鷺を召喚。このモンスターのパワーは出した時の相手の捨て札の数×30。」
麻「なに!捨て札は17枚、、510!」
春「そしてシャドーダンスは前のターンまでだ。480の竹の子を攻撃。」
     鷺 パワー510
麻「しまった。鷺を持っていたか。よく研究してきたな。しかし、ここで切札がくるのが私だ。まずは土偶を召喚!そして土偶と竹の子4体を破壊して召喚!天照!こいつは基本パワー100に、召喚時破壊したモンスターのパワーを合計する!土偶60、竹の子60×2体!120!240!合計さらに土偶を装備して700!ああーすげー盛り上がってきたあ!」
  天照 パワー700
     麻呂手札 0

現在の状況
麻呂 盤面 天照 パワー700
        手札 0
        捨て札 22
春彦 盤面 鷺 パワー520
        手札 4
        捨て札 11

麻「さあお前の番だハルヒコ!足掻いてみせろ!得意の手札破壊は通用しないぞ!」
春「足掻く?いや、違うな。芝浜を使用。」
麻「なに!?そのカードは!」
春「そう、効果は各プレイヤーがそれぞれの最も大きなパワーを持つモンスターの100の位数字だけカードをドローする。こっちは5枚、そっちは7枚。」
麻「そして私のデッキはあと7枚。。」
春「ターン、エンドだ。」
麻「デッキ切れ、、。」

翌日この配信を見ていたぐっぴーは興奮を抑えきれずケンのところへ行った。
ぐ「昨日の麻呂の配信観た!?」
ケ「いや観てないけど。」
ぐ「すごかったんだ!ついに麻呂が1000万取られたんだ!」
ケ「ふふ、ちょうどよかったぐっぴーに渡したいものがあったんだ。」
ケンが手に持っていたのは1000万円とヒーローの仮面だった。
ぐ「こ、これ!!?」
ケ「そう、ぐっぴーが取られた10,000円取返すついでにね!弟のために必要なんだろ?」
ぐ「い、いいの?くれるってこと?」
ケ「タダではあげられない。条件がある。」
ぐ「僕にできることなら何でも言ってよ!」
ケ「この仮面をつけて明日からハルヒコとしてMMMの動画配信をするんだ。麻呂がやったみたいに賞金付きでね!」
ぐ「無理だよ!僕は強くないし、麻呂に勝ったのはケンちゃんだ。」
ケ「大丈夫。この仮面、覚えてないか?昔ぼくがいじめられてた時、これをつけたぐっぴーが助けてくれたんだ。」
ぐ「それは、、。」
ケ「それに1人でやれっていうんじゃない。ぼくと一緒にやろう。2人で闘うんだ!」
ぐ「うーん、ケンちゃんがやってくれるならイケるかも、、。」
ケ「そう!今日からぼくたち2人が勇者ハルヒコだ!」
ぐ「よし、わかった!2人で動画界の皇帝を目指そう!」

少年2人の闘いが幕を開けた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?