死んだ恋人に会いにいく 第7話
少女
薄く開けた視線の先の飴色の天井板のおかげで、自分が今どこにいるのかを思い出すための余計な時間と労力を省くことができた。
寝巻き代わりのTシャツとジャージ姿のままで母屋へと向かう。
相変わらず開け放たれたままの玄関の向こう側では、まだ早朝といってもいいような時間にもかかわらず、よそ行きの服を着た父と母がドタバタと歩き回っている姿が見えた。
「あ、おはよう叶多。それじゃあ、お母さんたち行ってくるからね」
玄関の前で首を傾げる私の姿を見つけた母が、そんなようなよくわ