つるぎをもって
誰しも少し他人とズレた視点を持っていると思う。
僕は人からよくそれを指摘される事がある。普通はこうするよねって。
僕なりに普通なんじゃないかなとやっているつもりでも割とズレたことをよくやっているらしい。洗濯機は早々に買うらしい。ほう。
子どもの頃、学校なんかは特にそういうことを言われる場所だったと思う。普通そうはならない、普通にやれよ、同じようにやれば。たくさん言われてなんか難しかった。
でも、そのズレた視点を個性として受け入れられるようになれたのだ。
美大なんて個性の掃き溜め(言い草が少しひどいが)みたいな場所では変な奴しかいない所に身を置いたのが特に大きいだろう。ちょっと狂ってる奴らばっかりの世界を見てしまえば、今までたまたま普通が多かっただけなのかもしれないと納得したし、逆に普通と思ってた中の個性や細かくズレた視点に気づく事ができた。
僕が変なことをしてたのにも多少気付けた。
みんな変だ。それは、たいそう楽しい。
ちょっと踏み出して、普通の上に変な自分を重ねて描いてみるとそれが楽しいって気付けるのだ。
普通のことが普通にできないことを悩んでいた僕の後輩は良いところが山ほどある。それがあるから気付けることもあるのだよ、武器になるから大丈夫さ。なんてことを話した気がする。元気にやってるだろうか。
【つるぎをもって】という詩を書いた。
見てるものは全部僕の中の普通なのだ。
それを忘れてはいけない。そこから生まれる気付きがきっとあるのだから。
長く付き合ってくそれは強みで武器になるのだ、切れ味が悪いおもちゃの剣でも持ってようぜ。
そんな詩だ。
いろんなものに重ねて絵を描いてしまうような子どもを描いた。
強くしっかりと見つめていられるように、真っ直ぐな目をした表情にした。
ずっとその剣を持っていく意志をもっているような、そんな絵だ。
僕もずっとそうしていたい。
とはいえ一般的に共有して持っておいた方がいいことはあるのだ。それは社会という中に生きるなら少しずつでも学ばなければならない。難しいけれどね。
こうしたらこうなるんじゃないかなと予測する、人に対してそれが向いたら思いやりなんて呼ばれるだろう。それはあった方がいい視点だと思う。
そう、僕が入っている個室のトイレ内、2列並んだトイレットペーパーホルダーの両方に芯だけが刺さっているなんてことはあり得ないのである。
…"普通は"替えるよなぁ。
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