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うつ病のカウンセリングにはいろいろな種類がある【論文紹介】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

うつ病の治療は古くからお薬と心理療法、またはそれらを同時に行うのがいいよということが言われています。

臨床心理学という分野の多くを占めるのがこのカウンセリングや心理療法の分野です。

とはいえ、カウンセリングって言っても、いろいろとあって、どの方法を選んだらいいのかわからないこともありますよね。

そもそもうつ病に対する心理療法の効果って科学的にはどのようなことがわかっているのでしょうか?

本日は(も)メタ分析という方法を使って、うつ病の心理療法の効果をまとめた研究についてご紹介します。

34,285 人の患者を対象とし、331 件の無作為化比較試験という厳密な研究デザインの研究の結果をまとめたものです。

そして専門家によって定義された8個の心理療法の効果を調べました。8個の心理療法は以下の通りです。

・認知行動療法
・行動活性化療法
・問題解決療法
・第3世代心理療法
・対人関係療法
・ライブレビュー
・短期力動論的精神療法
・非指示的カウンセリング

これらの研究の結果をまとめたところ、

治療を待っている人たちや通常の治療をおこなう人たちに比べて、非指示的カウンセリングを除いて、すべてうつ病の治療に効果的であり、治療間での差はありませんでした。

ただし、非指示的カウンセリングよりも、他の治療方法のほうは効果的でした。

ですので、一般的なイメージが強い、話を聴くスタイルのカウンセリングよりも、さらに積極的な心理療法をおこなうほうが、うつ病の治療には効果的なようです。

日本では、まだまだこの心理療法を受けたいといって、医療機関で治療を受けられるくらいに、心理療法は普及しているといいがたいです。

うつ病の心理療法もいろいろありますが、上述の治療効果が科学的にも期待されるものを、優先的に受けられるようになると良いなと思います。

そのうえで、じぶんがこれがいいなと思える治療を受けられる世の中になればいいなとこころから願っています。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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