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できることは限られているなぁと思って悩んでいた過去の話【研究者日記】

福島県の医学部で学生教育をしながら、心理カウンセラーをしたり、研究をしたり、YouTubeの運営をしたりしてるあおきしゅんたろうです。

大学院の頃に悩んでいた話。

心理系の大学院ってけっこうやることが多くて、カウンセリングや心理検査の基礎的なことをしっかり覚えて臨床をできるようにする、なおかつ修士論文も書けるように研究もしなければいけない。

加えて、修了したら臨床心理士(今は公認心理師も)の試験があって、基礎的な心理学の知識を身につけなければいけない。

心理士になるまでに求められる勉強は本当に多いですよね。「科学者ー実践家モデル」では、科学的思考を持つ心理臨床の実践家の養成を試みているので、最近よく話す心理学リテラシーや、研究の方法論はかなり徹底的に学んだ気がします。

一方、じかんって限りがあるよなあとも思います。

特に博士課程に入ってからは、心理士として臨床やカウンセリングももちろんやりたい、けど研究も進めないと、後輩に教えないとと、臨床ー研究ー教育とかなり多岐にわたることを同時にしていました。

ぷらす今は実装や情報発信という枠組みも加わっています。

その当時先輩と話していたのは、そんなにたくさんは同時にできないよなあということ。どこかに特化してプロフェッショナルになれば突き抜けたなにものかにはなれるかもしれない。

臨床に出て、ほとんどの時間を臨床に費やしている現場の人たちと同じ質のカウンセリングは、大学院で研究しながら、その片手を使って臨床をしているじぶんにはできることはないんだろうなあなどと考えることが多かった。

一方、臨床の時間を取らずに、研究に専念しているひとにも、研究的な伸びでは勝てないんだろうなあとも思っていた。与えられた時間の数は限られていて、できることも限られているよなあとも思っていた。

なんか1つのことに誠実に取り組めていない感覚がありました。

ただ、臨床も研究も教育もどれもかいつまんできたからこその良さもある。

私の特性として、1つのことに注力し熱中することがあまり得意ではなく、分散させてまんべんなく行う方が楽しいし、長続きする。

YouTubeの編集をしたり、noteを書くのも楽しいが、これしかしちゃいけないって言われたらおそらく気が滅入るんだろう。

研究や教育をするときに、臨床で行っていた経験を活かすことができるというのもある。科学者は厳密なほうがいいんだろうけど、実際の現場だとそうでもないことも多いしなあとも思えるし、現場で起こっていることってこの結果から考えたらどうなんだろう?とつなげることもできたりする。

逆に臨床現場に行った時も、研究的にはこういうことだよなあと説明できたりもする(科学者ー実践家っぽいところですね)。

エッセンシャルに必要なことを取捨選択していくことももちろん必要だし、自分の場合はバランスをとってやってきたことも、いいあんばいの時間の使い方だったのかなあとも思います。

進路のことを考えていた時に、臨床?博士課程?とボスに問われたとき、その前までは臨床でしばらくやってみようかなあと思っていたのに、とっさに進学しますと声に出ていた。

臨床のほうの道を判断していたらいたで良い経路になっていたかもですが、いまのじぶんとしては研究を主軸にして、臨床をしたり、教育をしたりできていることが楽しいもんだなあと思います。

もちろん、臨床の現場で、プロフェッショナルに1つの道を突き詰めているかたがたのことはすごいなあと尊敬しています。個人的には、プロの人たちと研究をつなぐことができたらなあとは思いますがね。

では、最後までお読みいただきありがとうございました~。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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