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アンチテーゼ・ジャンクボックス

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不要不急の産物
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☆来世にご期待ください

☆来世にご期待ください

もう生きていくのに疲れました
悲しいも楽しいも嬉しいもしんどいも面倒くさいです

この髪の毛の一本も
この心臓のひとつも
わたくしのものではありません
生きたい誰かがお役立てください

☆来世にご期待ください――…

もう生きていくのに疲れました
お腹が空くのも食べるのも面倒くさいです

人間とは嫌な生き物で
どこまでも汚なく欲深く
世界には絶望しかありません
そこまでして生きていたい理由って何で

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セイギフセイギ

メディアもSNSもこぞって正義不正義を語る
うるさいうるさい
関心のある素振りをして
本心はどうでもいいんでしょう?

“だってわたしの不正義は
あなたにとっての正義
そうでしょう?”

もし80年前にTwitterがあったなら
日本は世界中から言われてるはずだ
「日本の皆様
この軍事侵攻を支持してるのですか?」

物語(セカイ)の果て

大嫌いですお前が
早く死んでくれねぇかなんて
そんな自分が嫌になって
死に場所探す午前三時

開戦阻止は建前で
景気回復のための戦争です

あぁ 世界が早く終わればいいのに
くだらねえ物語なんていっそひとおもいに
あぁ 物語が早く終わればいいのに
どうせ観客も飽きた頃だろう?
最期はいっそ悲劇に
終幕は近い物語のなれの果て

平和な世界を想像してごらんなんて嘘っぱち
本当は心の奥底ではみんな戦争が

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「幸せ」の定義

「幸せになって欲しい」
「幸せになりたい」
って人はよく言うけれど
じゃあその「幸せ」って何だろう?

お金持ちになること?
結婚すること?
けれどぼくは結婚は地獄への入り口だと思ってるから
残念ながらそれには当てはまらない

この世界は幸せな人と不幸せな人で成り立っていて
多くの人は不幸せ
幸せな人はほんの一握り
幸せな人の「幸せ」は
知らない国の知らない誰かの「幸せ」を
お金で買ったものだと思

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少年たち

夢はもう終わったのかい?
それとも続くのか
道はまだ続くのか

あの日の少年たちのままでいられたら
楽しいままだったのか?

あの日の少年たちのままでいてくれたら
そう思ったこともあるよ

だけど少年たちを
その人生を否定するなら
あの日の少年たちのままでいてくれたら
もうそんなこと思わないよ

ケージの中の
暴れまわる白い猫
甘えることを知らない
まるで自分みたいだ

爪を立てて引っ掻いて
傷だらけにして血まみれにして
噛みついて噛みついて歯形だらけにして
どうせあなたに何も届かないなら
あなたに傷をつけて    傷だらけにして
あなたの癒えない傷痕になりたい

あなたが美しいと言った
この雪のような毛並も
あなたの一番になれないのなら
何の意味もない

もしもわたしが雪なら
春になって

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先ほどまでわたくしの
体の一部だったものを捨てました
カチャッという音がしました

どうでもいい

どうでもいい
全部なくなってしまえばいい

そしたらみんな
幸せでしょう

そしたらみんな
「幸せ」でしょう?

どうでもいい
全て終わってくれるなら

世界はどうして
すべてまっくらやみにしてくれないんだろう

世界はすでに真っ暗闇なのに

どうでもいい

呪い

呪い

人は呪いにかけられてしまった
「幸せになりたい」と言う呪い

生まれた時にその呪いをかけられて
みんながんじがらめで動けない

人は呪いをかけられてしまった
「幸せにならければならない」という呪い

呪いをかけてかけられ
この世は呪いだらけ
みんながんじがらめで動けない

人を幸せにするのは呪いだった
人が幸せになるには呪いが必要だった
遥か昔から

誰かの悲劇は誰かにとっての喜劇だ

人は呪いを

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ティアドロップ

ティアドロップ

結局人間に何かできることなんてなにひとつないんだ
なにかできるなんて思い上がりだ
なにかできるなんてとんだ思い上がりだったんだ
それでもなにかできないかとあがくことは無駄なことか
それに気付けた時 なにか進めると信じたい

大魔王

大魔王

1999年7月 空から恐怖の大魔王が来ると言われていた
けれど結局空から恐怖の大魔王は来なかった
その必要がなかったからだ
人間たちのありさまの方がよほど大魔王のふるまい
いまや世紀末より世紀末の様相

人魚

人魚

そうしてわたくしは昏い深海で王子様が現れるのを待つ
ここから救い出してくれるのを待っている

ぶくぶく  ぶくぶく

馬鹿だなあ 王子様なんて現れやしないよ
お前はお姫様でもなんでもないじゃないか
お前は醜いブタだ
いやそんな称号くれてやるのももったいない
豚の方が愛らしい

ブクブク  ブクブク

それでもわたくしは昏い深海の底で
王子様が来るのを待つ

ぶくぶく  ぶくぶく

だれかここからす

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深海

深海

そうしてわたくしは深海に舞い戻り
底から夜をじっと耐えるの
朝がくるのを待つ
絶望をつれてくる朝を

夜は好きだ                 (嫌いだ)
静かで落ち着く          (胸がざわざわする)
人の気配がしない

そうしてわたくしは深海にとどまり
そこから夜をじっと耐えるの
昏く長く

そして朝を待つ

オレンジドロップ

オレンジドロップ

夕やけはオレンジのドロップ
夜は群青色のゼリー

みんなみんなかえってしまった
待てども待てどもあの人はこない
みんなみんなお家に帰ってしまった
ぼくだけかえるお家がない
みんなみんな暖かいお家に
ぼくだけ帰るお家がない

天井の木目はおいしそうなクッキー
節はおいしそうな焼き色

ぼくはぼくはひとりぼっち
どうしてずっとひとりぼっち
ぼくだけどうしてひとりぼっち
待てども待てどもあの人はこない

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