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碧木和弥の詩(うた)

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#碧木新令和恋愛詩

碧木新令和恋愛詩『春風にそよぐ』

碧木新令和恋愛詩『春風にそよぐ』

『春風にそよぐ』

春の灰に染まった鱗雲を地べたから仰ぎ見て
夏色が彩りに添えられはじめただろう
きみの空を思い浮かべた

車が行き去る路上の横の臭い
空に手を伸ばした
きみの空に届かない

便りは届いているのだろうか
心には届いているのだろうか
春の鱗雲は灰に染まって

今年の夏はあついのだろうか
春風にそよぐきみの髪
きみのこと

“Swaying in the spring breeze”

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碧木新令和恋愛詩 『炎螢 お七の如く』

碧木新令和恋愛詩 『炎螢 お七の如く』

碧木新令和恋愛詩 『炎螢 お七の如く』

水面に舞って草葉に踊る
淡い光は我が身の蛍
暑い夜に気持ち騒ぐ
その日があなたとの出会い

もしも
あなたと一つになれるのなら
祈る心に命は要らぬ

あなたの指が手が
わたしの顔と体
撫でて胸に火が燃える

あなた あなた 刹那に燃えて
あなた あなた あなたに燃えて
あなた あなた この身を燃やし
あなた あなた この町燃えて
何も残さず わたしが灰にな

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碧木新令和恋愛詩 『あの夏』

碧木新令和恋愛詩 『あの夏』

碧木新令和恋愛詩
『あの夏』

君と二人で忘れられない夏になるだろう。のちのちに想ひ出にするために。この歳で忘れかけていた熱さ。君のもとには1枚の写真。
お金に変えられないこの一季。今、走っているから待ってて欲しい。
陽炎の向こうに揺れるのは、君なんだろうか。

2023(C)Kazuya Aoki(碧木和弥)
2023年7月14日(金)発表