シャブ中「俺の方が注射上手い」……精神科病棟の人々

はじめに

こんにちは、元メンヘラ展主宰の画家あおいうにです。
2019年に茨城の病院に入院していた時のお話をしようと思います。

その病院では薬物依存専門外来があり、そういう患者さんが多かったように感じます。
また、急性期病棟で、（※1）措置入院→医療保護入院→任意入院の順で多かったです。（※2）

私は任意で、診断名は「ADHD、残遺性および遅発性精神病性障害、パーソナリティ障害」でした。
その時失恋していて自殺未遂を頻繁にしていて、とうとう父親と大喧嘩して叫んでしまい、すぐに病院に運ばれたのです。

病棟ではスマホやタブレットの所持は禁止で、本やゲームもほぼダメ出しを食らい持ち込めなかったので、娯楽は人と話すことぐらいでした。
そんな中、出会った人々です。

※1……急性期病棟:統合失調症の陽性症状、急激なうつ症状など、集中的に医療が必要な人が短期間で入院する病棟。

※2……任意入院:患者本人に入院する意思がある場合の入院
　　　医療保護入院:自殺未遂などで入院。精神保健指定医の診察と家族の同意で決まる。家族の代わりに市町村長の同意でも可。
　　　措置入院: 主に警察沙汰での入院。２名以上の精神保健指定医の診察、都道府県知事の権限で決まる。

2019.1/xx
前科3犯のシャブ中女性にこう言われました。
「うにちゃんはまだ前科ついてないんだっけ？じゃあシャブ出来るじゃん！いいなー20日間の拘留で済むよ！！」
逮捕されて罰を受け措置入院していても尚、この考えに至ってしまうのか……。
私は医療の限界を感じました。


2019.1/xx
患者仲間と雑談していたところ。
私「男性の大事なところがさ〜」
突如として見知らぬ男性患者が現れました。
患者「大事なところとは39万個の魂ですか？！」
私「！？初めまして…おいくつなんですか？」とりあえず、世間話に持っていったのですが……
患者「氷河期より3万年後です！」
私「はい…どうしてこの病院入られたんですか？」とにかく、当たり障りない会話をしようとしました。
患者「日産の自動車です！ネットオタクなんで」
私「はい…」諦めました。

2019.2/xx
「えっ！リストカットしてるの！？大丈夫？痛いでしょう……。自分を傷つけるなんてやめて。親から貰った身体を大事にして。」と、全身刺青入ってて指一本ないおじさんに言われました。


2019.2/xx
「俺の方が看護師より静脈注射うまいぜ!!」っていうシャブ中に、いきなりおっぱい揉まれました。

2019.2/xx
また別の躁転した患者におっぱい揉まれました。

2019.2/xx
患者仲間の男性二人が明らかに様子がおかしい……。めちゃくちゃアッパーでラリってる。あっ、こちらに近づいてきました！
「うにちゃんにもこれやるよ！飲んでみ？」
断固拒否しました。
そのお茶のペットボトルには、なみなみとブロン液が入っていたのです……。

2019.3/xx
知らないおっさんが「うによ、俺は実はお前の本当のお父ちゃんなんだ。この世界もそろそろ終わる……次の世界では俺たちは親子に戻る。また、よろしくな。これをやろう」って、G-SHOCKの時計くれました。


2019.3/xx
例のシャブ中「退院するんだって？おめでとう。おっぱい揉んだりして悪かったな……。これやるよ。ここに連絡すれば、絶対にバッドしないコカインが手に入るから。せめてものお詫びに。」

おわりに

なんやかんやで3ヶ月経ち、退院しました。
薬物依存症の患者周辺にはバイヤーがゴロゴロいて、いつでもスリップする環境が整っているんだなと思いました。ダルクは行ったことないけど、似たような感じと聞きます。
薬物依存ってそれによる後遺症もだけど、薬物をやるようになってしまった生育環境とか意思力の弱い人間性が問題なのかなと。
薬物はやればやるほど、家族や恋人、友達はどんどん離れていって、孤独になる。
でも、出所や退院まで待っていてくれるような人が本当に想ってくれている仲間なので、そういう人を大事にしていきたいね。コカイン安く売ってやるよ！って人ではなくて(笑)