山野莉緒

山野莉緒

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  • 訳詞

    好きな曲を個人の解釈で日本語に訳しています。

  • ショートショート

    さらっと読める短い小説。全話無料です。

  • 脚本

    1章まで立ち読みできます。 すべて上演可、詳細はお問合せください。

  • エッセイ

    日記のような短い読み物。時々書きます。

最近の記事

  • 固定された記事

脚本 ネモフィーラ

 こんばんは。  昨年公演中止となり、上演が叶わなかった「ネモフィーラ」を公開します。  ご予約をいただいておりました皆様にはご迷惑とご心配をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。団体はこのことをもって解散となりました。再演の予定はありません。  わたしとしてはやっぱりやりたかったです。一生懸命書きました。今伝えたい全部です。でも一番伝えたかった人にはもう会えません。役者がいなきゃ不完全なお話ですが、楽しんでいただけたら幸いです。  うれしいことも楽しいこともいっぱい

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    • 舞台ネモフィーラにいただいたお返事

       こんばんは、山野莉緒です。  演劇ユニット小雨観覧車の解散後、後日譚と冠して上演した「ネモフィーラ」は、春から映像を販売しています。一度ご購入いただくと一生ご覧いただけます。また、アンケートフォームも生涯開放します。  劇場でお配りした当日パンフレットは手紙の形に折ったので、感想はお返事かな。映像でご覧になる方のために画像をご用意したので、ここに掲載します。  初演の中止、そして秦さやかと最後に会った日から、今月で3年が経ちました。  風が冷たくなって、金木犀の香りがし

      • ショートショート 地下

         どうせ振り返ることのない後ろ姿に、とびきりの笑みでお辞儀して、俯きざまにため息をひとつ。  この業界にメーカーの直営店は少なく、品揃えで大差をつけることは難しい。  よって、顧客を勝ち取るために最も力を入れるべきなのは、我々ホールスタッフの接客態度である。というのが、この店の方針だ。  でも実際のところ、誰も彼も気にしているのは、くるくる回る数字の行方だけ。新調したオレンジのリップになんて目もくれない。せいぜい、勝って上機嫌な薄毛で小太りの中年男に「君、可愛いね。AKBに

        • 舞台 ネモフィーラ(映像販売)

           おひさしぶりです。  演劇ユニット小雨観覧車、主宰の山野莉緒です。こう名乗るのはこれで最後です。  彼女と出会って10回目の春です。今日で25歳になりました。雨です。  涼香の歳に追いつきました。ネモフィラの花畑に行きました。やっぱり雨が降ってました。  後日譚と冠した「ネモフィーラ」ですが、2022年1月10日の千秋楽を以て無事に終演いたしました。お礼が遅くなって本当にごめんなさい。大変なご時世に会場まで足をお運びくださったみなさま、本当にありがとうございました。  

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        脚本 ネモフィーラ

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        • 訳詞
          2本
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          7本
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          1本

        記事

          訳詞 About me

          「About me」 作詞:蝶々P、作曲:蝶々P、編曲:蝶々P、唄:GUMI English I have a story to tell Do you hear me tonight It's things about me 話があるんだ 今夜、聞いてくれないかな 僕についてなんだけど I'll be waiting in bedroom But anyway you can't come I get it,never mind ベッドルームで待ってるよ でも君は来ない

          訳詞 About me

          訳詞 NAMInoYUKUSAKI

          「NAMInoYUKUSAKI」THE RiCECOOKERS 作詞:廣石友海、作曲:藤井恒太、編曲:THE RiCECOOKERS I'm one step behind every step you take いつも あなたの一歩後ろを歩いている Each time I reach it just seems to fade away 届きそうになるたび また遠ざかる But with every speck of light, I fight the breaking

          訳詞 NAMInoYUKUSAKI

          脚本 勝手に終わりにしてんじゃねーよ

           こんばんは、山野莉緒です。  今日は「勝手に終わりにしてんじゃねーよ」を公開します。  何が台詞で何がアドリブだったのか、真偽を明らかにするときが来ました。全部台詞です。笑  さやちゃんとの最後の舞台になりました。その後「ネモフィーラ」を引き継いでくれた、まやちゃん、ジョニーくんとの思い出の公演でもあります。  フライヤー好評でうれしかったです。ブラジャーかぶってる男は演者じゃなくてスタッフです。  背景はアンリ・カミーユ・ダンジェの「汝ら、互いに愛し合うべし」。宗教

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          脚本 勝手に終わりにしてんじゃねーよ

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          エロく聞こえる言葉選手権

          2019/08/01 22:50 演劇ユニット小雨観覧車ホームページより再掲  先日、座組内で「全然そんな意味じゃないのにエロく聞こえる言葉選手権」を開催しました。  たくさんのご応募、誠にありがとうございました。  審査員総勢1名による厳選な審査の結果、応募総数のべ25作品の中から、優秀賞・優良賞・審査員賞・佳作が選出されました。優秀賞は台詞として採用し、公演の中で発表させていただく‥‥  ‥‥はずでした。  ようやく完本しました!初めて本気で原稿落とすかと思いま

          エロく聞こえる言葉選手権

          脚本 謝るくらいなら言わなきゃいいのに。

           こんにちは、山野莉緒です。  今日は、演劇ユニット小雨観覧車の旗揚げ公演「謝るくらいなら言わなきゃいいのに。」の脚本を公開します。  小雨観覧車は、わたしと秦さやか、ふたりの団体でした。  わたしたちは高校の演劇部で知り合いました。同期は最初は17人で、卒業公演のときは14人でした。  次の年から2年間は劇団浅葱色として、大学生になったみんなと活動しました。解散公演は4人で打ちました。劇団員じゃなかったけど、虹雄やさくらやヒナやオーキド、みんなが一緒にいてくれました。

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          脚本 謝るくらいなら言わなきゃいいのに。

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          脚本 星群家族

           こんばんは。山野莉緒です。  高校2年生の夏に初めて書いた台本です。  ここから始まって、また葬式に帰ってきました。  気づいたら7年も経ってて、ちょっと話長めです。  わたしの台本は夏で、よく人が死にます。夜が来て、鈴虫が鳴いて、雨が降って、花を渡そうとする。ふたりになってもひとりぼっちで、だからしゃべって、黙って、またしゃべる。近くに猫がいます。  死ななきゃ始まらないと思ってる節があると思います。誰も死ななかったら、人間って、一生何にも気づけないんじゃないかって

          脚本 星群家族

          ショートショート 十月の海

           連絡はいつも彼から。私ではない。ただ、そのことにどれくらい意味があるだろう。  卒業式以来、すでに幾度かの逢瀬を重ねていた。  体育館から教室へと引き返してきた私たちは、ひとしきりクラスメイトとの別れを惜しむと連れ立って職員室に向かった。周囲に悟られぬよう十分な深呼吸もできないままドアをノックする。顔を出したのは、別の教師だった。 「卒業おめでとう。」 「ありがとうございます。」  拍子抜けしつつ彼の名を告げると、やはりすんなり取り次いでくれたけれど、瞬く間に再び息が詰ま

          ショートショート 十月の海

          ショートショート 熱帯夜

           一人がけのソファにそれぞれ腰を下ろすと、さっそく喉を潤す私の前で、彼女は長い睫毛を伏せ、いやに細い指で、ちまちましたプラスチックの容器と戯れを始めた。その様子すらどこか羨ましく、私はストローの首に手をかけたまま釘付けになった。ミルクとガムシロップが溶け込んだ淡い色のグラスに、ようやく口をつけたかと思うと、あっと呟く。 「これ、卒業旅行のお土産。莉緒にもどうぞって。」  笑みとともに差し出されたのは、手のひらに収まる大きさの、赤いちりめん細工の巾着袋。 「ありがとう。よろしく

          ショートショート 熱帯夜

          ショートショート ストライク

           流されて付き合った2軒目の居酒屋を出ると、終電の時刻をとうに過ぎていた。大学生だし、こんな夜があってもしかたない。 「自転車ない人は誰かに乗っけてもらって!」  夜の道端で大声を張り上げるその人が他人でないことが切ない。電信柱の脇から自転車を引っ張ってきた男が、私の隣でサドルに跨った。荷台に腰を下ろし上着の裾を掴むと、男の手によって彼の心臓の前に引き出される。とことん嫌な夜だ。背中に頬を寄せると、ふっと息を吐いたのが振動となり伝わってきた。笑ったのか。  男同士、女同士、そ

          ショートショート ストライク

          エッセイ 4月17日

           こんばんは。のつもりで書いてたら朝です。  おはようございます。山野莉緒です。  ネモフィーラ、読んでくださって本当にうれしいです。ありがとうございます。半年間の思いが少し報われました。  改めてお礼を言う機会がなかったのですが、過去の作品についても、興味を持って読んでくださった方と、読み返してくださった方といらっしゃって、ありがとうございます。  彼らずっとここにいるので、またいつでも会いに来てください。  今日から少しずつ、過去に書いた短い話をnoteに再掲していき

          エッセイ 4月17日

          脚本 どうかこの花を受け取って

           こんにちは、山野莉緒です。  劇団浅葱色の解散公演で上演した「どうかこの花を受け取って」を公開します。  加筆・修正のため、上演台本とは内容が一部異なりますのでご了承ください。  暑いのは苦手ですが、夏になると否応なく活動的になるので生き物の性かなと思います。  初演当時は#平成最後の夏だったので、平成の真ん中2003年が舞台のお話になりました。書き出しの「マスク=体調不良」というのを見て、たしかに平成だなと思いました。  脚本はいつも当て書きですが、この話は特に俳優

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          脚本 どうかこの花を受け取って

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          脚本 コインランドリーの天使

           お久しぶりです。山野莉緒です。  改めてお知らせですが、演劇ユニット小雨観覧車は昨年11月に上演中止となった「ネモフィーラ」をもって解散となりました。  劇団浅葱色から約4年間、6作品、ありがとうございました!  あっという間に半年経ってしまい、その間に誕生日も迎えて23歳になりました。  先日、コインランドリーの天使の映像があったら買いたいというお声をいただいて、うれしくて少し元気が出ました。  映像については記録用に収めただけなので公開は未定ですが、脚本を公開するこ

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          脚本 コインランドリーの天使

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