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食べたことのない琥珀糖のような



 昨日は病院だった。予約時間内に行っているのに、呼ばれるのは必ず一時間後くらい。聴力検査を終え、一旦待たされてから呼ばれるのだけど、その間に『ブルースだってただの唄』を読む。
 アメリカの黒人女性からの聞き書きを収録しているものだけど、本当に自分の知らない世界が広がっている。第一章の『たたかいなんて、始まってもいない』というタイトルから引き込まれて、ぐいぐいと読み進めていた。
 生きていくのではなく、「生きのびていく」。この表現を今の自分の生活で使うと大袈裟になってしまう。生きていく、の方が妥当感すらある。この作品に登場する黒人女性たちは生き延びてきた。たくさんの差別や困難に立ち向かいながら。仕事をしながら、家族を守りながら。笑い合い、助け合い、そして、考えて話し合ってきたのだ。深い深い気づきと悟りとそして忍耐と。時には世界に自分達の存在意義を訴えながら。私の知らないところで彼女たちは、生き延びてきたのだ。知っているようで知らなかったその世界を、この一冊でどれだけ理解することができるだろう。岩波現代文庫の方に『塩を食う女たち』があるらしい。今度探してみようと思う。こうやって興味は広がり、手元にある本が増えていく。

 読んでいるうちに診察に呼ばれ、診察という名の雑談をし(検査結果は相変わらずだった)、無事に終わり、その帰りついでにブックオフへ行くつもりだったのだけど、その前にダイソーに寄ったら買い物に満足してしまって、ブックオフへ行くことを失念した。帰宅して玄関に立った時に「あ、ブックオフ」と一言口からこぼれた。帰ってきたものは仕方ない。そのうちに行くことにした。

 そうして午後からは、使っていたキャンドルがそろそろ終わりそうだったので、ダイソーで買ってきた蝋燭を溶かしてリメイクし、復活させる作業をした。
 ソイキャンドルと、仏壇に使うあの白い蝋燭を使った。それぞれ細かく刻んでアルミ容器にいれ、湯煎で蝋を溶かし、その時に好きな色のクレヨンを少しだけ削って一緒に溶かして染色して、紙コップやキャンドル用のグラスに入れて冷やした。初心者丸出しの出来栄えとなったが満足した。使えたらいいんだ。可愛い。

食べたことのない琥珀糖のような見た目。可愛いね。

 もともと使っていたキャンドルはハンドメイドショップで買ったもので、この琥珀糖のようなキャンドルのカケラが敷き詰められたデザインのものだったのだけど、捨てるのは勿体無いのでバラして再利用した。彫刻刀を使って掘り出していたのだけど、宝石をとりだすようでとてもワクワクした。やっぱり青いのは綺麗だね。あと紫も好き。好きだと思うのは青だけど、自然と惹かれて身につけるのは紫とかが多い気がする。菫色のようなもの。似合う色と好きな色は違うよね。このまま飾っていたかったけれど、それはそれで使い道がなくてかわいそうなので、紙コップに敷き詰めて蝋を流して固めた。溶けたら見えてくる仕組みにした。

the・ハンドメイド〜って感じ。アロマオイルを入れたので芳香剤代わりにもなるよ


 三個もできたのでしばらくはキャンドルには困らない(?)だろう。昨夜は全部に火を灯して点灯式を行った。小一時間くらいつけておかないと綺麗に溶けて行かない。真っ暗にした部屋で灯る炎の明るさがやさしく眩しくて綺麗だった。短歌も作らずにハンドメイドに精を出して1日が終わった。何やってんだか。

 深夜、なかなか眠れずにいると地震があった。あ、あれ、揺れてるのか自分のめまいか?と考えているうちにも揺れは終わらないし、ってことでこれは地震だとわかってしばらく動けずにいた。まず何から確保するか?猫を抱きにいくか?と考えていたらじわじわと揺れが小さくなって消えていった。地中を何かが通って行ったかのような消え方だった。猫はこたつから出て大人しく座っていた。大丈夫そうだった。
 地震の頻度が多くて少し恐ろしい。そろそろ大きいのがくるんじゃないかとヒヤヒヤする。年明けから津波やら地震やら、落ち着かないね。地球で生きている限り避けようのないことだけれど、どうか被害は最小限で、と思う。

 地震が去っていった後にやっと眠った。そのせいなのかヘンテコな夢を見た。小さな虫たちを退治する夢。気持ち悪かったな〜。でも意味がある夢だった。深層心理がそのまま現れていて笑ってしまった。意味がある夢を見た時は必ず夢占いで調べる。大体当たっている。何か意味があるかもしれないと思うか思わないかで判断するけれど、ほぼ毎日見る。
 虫の知らせやら、エネルギーの流れやらを、夢で感じ取ることができるので、現実を生きているときに『ああだからあんな夢を見たのかあ』と思うことが多々ある。今日の夢も、まさにそれ。だからそんな夢を見たのね、って感じ。

 今日はもう少ししたら美容院で髪を切る。ショートにしているとどうしても、どーーーしても伸びると我慢できない。スッキリしてこようと思う。

それが済んだら、短歌を作ろう。


 今日も一日、穏やかに。

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