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最後の最後で文字が小さくなった



 今日、ついにナナロク社さん主催の『あたらしい歌集選考会』への応募が完了した。前回、短歌研究新人賞では、消印有効の意味を知らないで慌てていたのだけれど、今回はどうだ、23日が締め切りの消印有効だから、23日に郵便局へ行けば間に合うぞ、という精神的余裕があったため、それでも今回は早めに出すつもりでいたので、今日となった。いや、早くと言うても前日やないかい、というツッコミが聞こえてきますね。そうです。前日です。でも間に合ったんでいいんです。 
 しかし今日は雨だった。しかも真夜中から強い雨が降っていて、朝も止む気配がなかったし、午前中に済ませておきたいのにこの雨って…と心を折られそうになりつつ、どうにか雨を防いで郵便局まで安全に運んだ。自分の体よりも原稿だった。だってこれ岡野さんと木下さんが読むんだよ。これ。どういうこっちゃ。ファンですよ。憧れの人に自分の短歌を読んでいただけるのって恐縮極まりないし、恥ずかしさももちろんなのだけど、わたしの見えないところで繋がる一瞬があると思うと嬉しさもある。無事に届きますように。
 そんな感じで今日にて短歌の作品作りが終わった。これからはできるだけ毎日ちょっとずつ短歌を作っておこうと思った。日常を大切にしつつも、過去に思い馳せたり、ないものがあるという感覚を大事にしていく短歌を作っていきたいな。

 ここ数日は読書すらままならず、でも読みたいんだという気持ちはあったので、合間合間で読んでは閉じてを繰り返していた。春の選書はできていないのだけれど、フィーリングで選んで読む、を繰り返していきたい。
 
 世界が不安定なまま進んでいることをわかっていつつも、わたしという単体はわたしの生活を守るのに精一杯であって、祈りなど儚いものではないだろうかと思いつつも、争いが止まない世界が嫌で怖くて仕方ない。失うことがどれだけ辛いかわかるかい、なんて、こんな当たり前のことをどれだけの人がわかっていても黙っているのだろう。当たり前のことすら大事にできない世界。誰が止めてくれるの。どうすれば止まるの。そんなことを隙間隙間で考えては、無力だなあと思う。寄付などはわたしのできる範囲でやったけれども、それだってちゃんと届いているのか。全てに確証のできない世界。おかしいね。しっかりとわかるのは、やっぱり自分のことだけらしい。



 そうして今日は佐原ひかりさんの2作品目がTRIRRERにて掲載されているのでそれを読んだ。『人間みたいに生きている』、しみじみといい。ひかりさんは目を逸らしたくなる現実をちゃんと書いて、敢えて書かないではなく敢えて書く人であるので、そこを読んでいると胸がひゅっとしたりヒリヒリしたりする。でも苦しくなりすぎない程度で収まるのは、苦しみを受け止めてゆく速さであったり、どこかに明るさが感じられるから、読み進むことができるのだろう。あーでもないこうでもないをうろうろしながら悩んで、しかも良し悪しでは決めつけることもできない、いろんな面があっていろんな理由があって、一つのことは一つの理由では存在していない、そんな複雑な世界のありように、主人公はこう言う。

世界のややこしさに、めまいを起こしそうになる。

TRIPPER 『人間みたいに生きている』より抜粋

 ああ、ほんとそうだよね、めまい起こしそうになるよね、難しすぎるよ、色々。と頭の中で同意したのだった。でも、そのややこしさの中で私たちも生きていて、あーでもないこうでもないといいながら、ふらふらしながらどうにかやっていく。自分が周りとは違うことも、さまざまな理由があり、苦しみがあり、孤独のように思うのだけど、広い目で見ると、同じような境遇の人はいる。そんなままならない、はっきりとした白でも黒でもない世界で、何を選んでいくか。どう進んでゆくか。間違えつつ、ずるい心から目を逸らさない。前作の『ブラザーズ・ブラジャー』でも、ずるい心と向き合っていた。今回も向き合う。私たちは一緒に模索しているのだと思う。ちょうど良いところを。

 最後まで読み切って、まだ読んでない人いるならぜひ読んでほしいなと思った。あとひかりさんは夏が似合う人だ。瑞々しくて、美しい。

 
わたしもこれからは6月〜10月に向けてちまちま小説を書いてゆくと思う。短歌も作りつつ。できることやりたいことを自分勝手にやっていきつつ、結果に出せるようになりたい。さあ6月。あと3ヶ月もないよ。どうする。笑

 束の間の休息となりそうな3月ももうあと2週間もない。そのうちに誕生日がやってきて、歳をとって、あたらしい自分で進んでゆく。
 昨日は脱稿できた喜びでテンションが上がったせいで反動にやられてしまって、全く眠れずにいたが、そうやって凸凹しながらもうまくご機嫌をとっていきたい。


 それではまた。


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