【自己紹介②】心を動かされた本や作家13選
今日は、心を動かされた本や作家を紹介します。
自分がいくつの頃に読んで、それがどういう体験だったのか、記していきます。
本当はここに書き切れないぐらい沢山あるけれど、13作品(13作家)まで厳選しました。
「いや、13作って。厳選できてないじゃん」と思った方もいるかもしれませんが、一旦落ち着いて聞いてください。
1億3000万冊の中から絞った結果がこれなのです。
もうこれ以上は、何をどうやっても減らせなかったのです。
ちなみに、1億3000万冊とは、Googleが2010年に試算した世界の全書籍数です。
前置きはこれぐらいにして、1億3000万冊の中から厳選された13冊を早速紹介していきます。
1. 『夏の庭』 湯本香樹実
読んだのは10歳ぐらいの頃。
本を読んでどっぷり感情移入した、初めての体験だった。
今でも自分の大切な作品。
2. 『夜のピクニック』 恩田陸
読んだのは13歳ぐらいの頃。
タイトルもワクワクさせてくれるものだが、中身はもっと凄かった。
この本を読んでから5年以上経ち大学生になったときに、100kmハイクなるものに参加する機会があり、「これって夜ピクの世界観じゃん」と思いながら、昼も夜も歩き続けた。
夜ピクは2005年の本屋大賞の大賞作。これがきっかけで、自分は本屋大賞作を毎年チェックするようになった。本屋大賞初年度(2004年)の『博士の愛した数式』(小川洋子)もお気に入りの一つ。
3. 『東京物語』 奥田英朗
読んだのは15歳ぐらいの頃。
奥田英朗は、僕の一番好きな作家さん。
『空中ブランコ』きっかけで奥田英朗を知って、そこから貪るように奥田作品を手に取り、結果、最新作の短編集『コロナと潜水服』まで、奥田英朗の作品は全て読んだ。
奥田英朗の小説は映画化されるような傑作が沢山あるが、僕はどういうわけかマイナーな作品の一つ、『東京物語』が一番好きだ。
上京してきた久雄の成長と哀愁が、なんだかたまらなく愛おしいのである。
僕は高校時代や大学時代、何を狂ったか、付き合った彼女にはこの『東京物語』を貸すという謎の奇行をおこなっていた。
結果的に返却されなかったことが多く、そのせいで、これまでに『東京物語』の文庫本を計5冊以上は購入している。
4. 『夜は短し歩けよ乙女』 森見登美彦
読んだのは16歳ぐらいの頃。
「こんな文章、アリなの?」と思わされ、知的好奇心なるものを掻き立てられた。
森見登美彦の世界観は、中毒性がある。
ちなみに、高校時代にこの作品で悪酔い必至の激ヤバ酒「電気ブラン」の存在を知ったのだが、数年後に大学生になった僕は、夜は短し歩けよ乙女のことを思い馳せながら浅草で電気ブランを呑んだのだった。
電気ブランを呑んだあとのことは、もちろん覚えていない。
5. 『海辺のカフカ』 村上春樹
読んだのは17歳ぐらいの頃。
それまで村上春樹のことは斜に構えた変なおっさんだと思い込んでおり、村上春樹作品には謎の抵抗感を持っていたのだが、『海辺のカフカ』を読んで、一気に心を奪われた。この作品は、本当に凄かった。
それからいくつか村上春樹作品を読んで、あるときは、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で読書感想文を書いたこともあった。
でも、その数年後に『1Q84』を読もうとして途中で挫折してからというもの、村上春樹作品とは距離を置き続けている。
なんというか、「ハルキ兄やんの世界観にもう着いていけないっす、あと、ハルキ兄やんの”あるいは”の使い方、めっちゃ違和感ありやす」と思ってしまったのである。
いつかまた村上春樹を好きになるかもしれないけど、今は倦怠期だ。
6. 『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎
読んだのは18歳ぐらいの頃。
この人、すごい。“エンターテインメントど真ん中”という感じ。
大学生の頃、当時発行されていた伊坂幸太郎作品は、ほぼ全て読んだ。
伊坂幸太郎の作品名を聞くと、「ああ、その作品なら自分がアレをしていた頃のアレだな」という具合に、学生時代の思い出とリンクする。
7. 『夢をかなえるゾウ』 水野敬也
読んだのは20歳ぐらいの頃。
いや、そら売れるわ!という内容だった。
このベストセラー『夢をかなえるゾウ』きっかけで水野敬也を知ったが、同作家の他の作品『LOVE理論』や『ウケる日記』等の指南本・エッセイ本も抜群に面白い。
エッセイやブログを読んでいて感じるこの人のスゴさは、突飛なアイデアと裏打ちされた計算力、そしてやり切る勇気だ。
8. 『不毛地帯』 山崎豊子
読んだのは20歳ぐらいの頃。
山崎豊子といえば、圧倒的な取材力と、圧巻の展開力。
『不毛地帯』は就活を始める一年前ぐらいに読んで、世界で戦う日本の企業戦士ってこういう感じかと感銘を受けた。
山崎豊子は『不毛地帯』の他にも、『白い巨塔』『華麗なる一族』『沈まぬ太陽』と、とんでもない超大作たちの生みの親。
ご冥福をお祈りします。
9. 『空飛ぶタイヤ』 池井戸潤
読んだのは22歳ぐらいの頃。
『空飛ぶタイヤ』を読んで、とんでもない作家がおるなと思い、『下町ロケット』でそれが確信に変わった。
半沢直樹シリーズや『ノーサイド・ゲーム』も面白い。
池井戸潤は、企業小説界の最高峰だと思う。
10. 『ワイルド・ソウル』 垣根涼介
読んだのは24歳のとき。
『ワイルド・ソウル』は、凄惨な史実に基づいて創られたフィクションであり、とてつもない迫力を持った作品だった。
この本を通じて、ブラジルの日本人移民の歴史につき、多くの学びがあった。
仕事上、自分はブラジルとの接点もあったので、とても興味深かった。
垣根涼介といえば、ヒートアイランドシリーズも面白かったし、まだ読んでないが最近では『信長の原理』がバカ売れしているとのこと。
11. 『対岸の彼女』 角田光代
読んだのは26歳のとき。
「私って、いったいいつまで私のまんまなんだろう。」から始まるこの作品は、切ないフレーズに溢れ、女性の友情や葛藤が鮮明に描かれており、今でも強く印象に残っている作品。
『対岸の彼女』の他に、『八日目の蝉』や『空中庭園』も超大作だと思う。
また、小説だけでなく、角田光代のエッセイ本を読んでいると、この人はなんてチャーミングで魅力的な人なんだと思わされる。
角田光代と一緒に、お酒を飲んだり、旅行したりしてみたい。
12. 『とんび』 重松清
読んだのは28歳のとき。
これ、飛行機の中で読んだのだが、あまりに泣き過ぎて、CAさんに本気で心配された。
このまま脱水症状になるのでは?というぐらい泣き、クライマックのシーンでは、ページを中々めくれなかった。
結末を読む前にひと休憩入れよう、顔も洗ってこようと思って席を立つのだが、結果何が起きたかというと、号泣しながら飛行機のトイレに駆け込んだので、周りの乗客達から変な目でガン見されるという醜態を晒すことになった。
ところで、『とんび』は父親と息子の家族愛を描いた作品で、自分の父親にも読んでもらいたかったので、父の誕生日にこの本を贈った。
司馬遼太郎を中心とした歴史小説狂いの父にもこの『とんび』は刺さったようで、そういう意味でも思い出深い作品。
13. 『宝島』 真藤順丈
読んだのは29歳のとき。
すげー作品に出会っちまったと思ったものである。
ファミレスのメニューで言ったら、ステーキ&ハンバーグ&トンカツの全部乗せ定食といったところか。
肉厚でジューシー且つ超ハイカロリーな一品だった。
『宝島』では、“英雄とは何か”について、考えさせられた。
作品の中で、英雄とは何かにつき、2つの対照的な解釈が示されるのだが、どちらにも共感でき、とても興味深いテーマだった。
また、台詞にも語りにも沖縄の方言がふんだんに使われており、クセになる文体も印象的だった。
以上です。
今回この記事を書くにあたり、参考にさせていただいたお二人の記事を掲載させていただきます。お二人には、心より御礼申し上げます。
一人目は、美しい文章を綴られ、ユーモアのセンスが光るクリエイター・夏木凛さん。
二人目は、タメになるお役立ち情報を届けてくれたり、話題の事象に対して独自の視点で切り込まれたりと、こちらも文才溢れるクリエイター・あらほさん。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
おわり
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?