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誕生日。

去年、父は私に封筒の入ったお金をくれた。
「好きなものを買ってね。足りない時は、
お母さんに貰うんだよ。」と何度も何度も
私に言ってきた。
封筒にはいつもよりも多い金額が入っていた。
私は「充分だよ。ありがとう、大丈夫だよ。」と
何度も答えた。

今思えば、最後の誕生日プレゼントだと
分かっていたのだろう。
あなたがこの世から居なくなって1年が経ちます。
あの日から心にぽっかりと穴が空いたようです。
それなのに、私の日常は毎日過ぎて行き、
私の時間だけが進んでゆきます。
託された言葉に、
最初は押しつぶされそうになったけれど、
それでも何とかやっていけるようになりました。

欲しいものなんて、もう無いよ。
今、どこに居ますか?
そればかり考えてしまう毎日です。

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