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喉元過ぎると忘れる「地震」の話

家は大事な「暮らしの器」です。
「自分らしい人生」の大事な要素です。
私は建築士として、もう一つの側面についてお話をしたいと思います。

家の安全、「耐震」についてです。


東日本大震災は発生確率99%だった


家の耐震がどれだけ必要か
ほとんどの方は実感が沸かないと思います。
実感が沸くのは、地震が起こってから。
「家の耐震をしておけばよかった」と。

地震の困るところは、いきなり来ることですよね。

東日本大震災が起こった後に、ニュースでこんな話を聞きませんでしたか?

(2011 年 1 月 1 日起点)
今後 30 年以内にM7.5クラスの地震が発生する確率は、99%だった。
※国の地震調査研究推進本部2011 年 1 月 11 日発表

http://www.21water.jp/k1/2011sp/20110525hamada.pdf
https://www.nistep.go.jp/wp/wp-content/uploads/report21.pdf

私は当時このニュースを見て、本当に驚きました。
30年間というのは、「自分の一生の間」には
確実に来るということですよね。
当然知っているべきことではなかったのかと。

「家と暮らし」相談アドバイザーの時、
東日本大震災の後は「耐震リフォーム」の相談がかなりありました。
でも、喉元過ぎると、すぐ忘れますよね。
時間の経過とともに、相談は少なくなりました。

改めて地震について「知り」、対策が必要か
イメージしてみたいと思います。


建物の「耐震基準」について


建物の「耐震基準」の基本について、ご説明しますね。

新耐震、旧耐震という言葉は聞いたことがありますか?

「新耐震基準」とは、1981(昭和56)年6月1日以降建築確認において適用されている基準をいう。これに対して、その前日まで適用されていた基準を「旧耐震基準」という。

https://www.athome.co.jp/contents/words/term_2510/

今現在築41年より古い戸建ては「旧耐震」ということになります。
(実際には昭和56年6月1日より前に「建築確認」を
受けていれば旧耐震です)

では、新耐震と旧耐震、基準がどれくらい違うか

震度6以上
旧耐震:倒壊やむなし
新耐震:倒壊しない

では、震度6以上の地震が過去どれくらい発生してきたか
見てみましょう。

気象庁データから震度6強以上の履歴を拾いました。

https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/higai/higai1996-new.html
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/higai/higai-1995.html

「新耐震」制度改正への契機は、
1978年の宮城県沖地震の家屋倒壊の被害が甚大だったためです。
しかし宮城県沖地震は、震度5でした。

その前の震度6以上の地震は1948年まで遡ります。

しかし、1995年の阪神淡路大震災以降
震度6強から7の地震が、地域は異なりますが数年ごとに起きています。


今後震度6以上の地震発生確率は?


では、震度6強以上の地震がこれから発生するのか?
についてみてみましょう。

首都圏を例にすると、この2つが発生確率が高いと言われています。

①南海トラフ地震

・発生可能性

南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震です。前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年))が発生してから70年以上が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まってきています

https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/index.html

過去の発生サイクルからすると、今後20年~70年の間に起こるイメージでしょうか?
20年後というと、まだ生きていますよね?

・予想震度

静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、それに隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱の強い揺れになると想定されています。また、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来が想定されています。

https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/nteq/assumption.html

静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7
隣接する周辺の広い地域では震度6強から6弱
と予想されています。

②首都直下型地震

・発生確率

過去の大地震の発生頻度から推定したマグニチュード(M)7級の首都直下地震の発生確率は今後30年間で約70%いつ起きてもおかしくない状態が続いており災害への備えが必要だ。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE233IK0T20C22A5000000/#:~:text=%E9%81%8E%E5%8E%BB%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87%E3%81%AE,%E3%81%AE%E5%82%99%E3%81%88%E3%81%8C%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%A0%E3%80%82

今後30年間で70%、2/3の確率です

・震度

震度6強のエリアが23区の6割に及ぶおそれ

https://weathernews.jp/s/topics/202205/250155/

東京23区の6割で震度6強
と予想されています。


世界で発生する大地震の約2割が日本


日本は地震大国であり、世界で発生しているマグニチュード6以上の地震の 約2割が、日本周辺で発生しております。

https://www.city.otsu.lg.jp/material/files/group/269/86737213.pdf

国土の狭い日本で世界の2割ですから、いかに地震大国か。

地震の研究は進んでいますが、誰も対策しないようでは、
研究者の方々も浮かばれませんね。

20年とか30年というと、現実味が沸かないでしょうか?
実際はあっという間ではありませんか?
家は長期的に安心なものでありたいですね。

次回「耐震リフォーム工事」とは?について書いています。

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