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非常食は無事な前提です。家の「耐震」について

起きるまで切迫感を感じられないのが「地震」です。
前回、大地震の発生可能性と、家の「耐震基準」について書きました。

今日は家の地震への備え、
耐震リフォーム」のお話です。
マニアックな話です、3スキくらいかも(笑)

「1981年以前に建てられた(=旧耐震)戸建て」にお住まいの方
特にお読み頂けたらと思います。


耐震リフォームが進まないわけ


費用対効果がわからない。
地震が起こるかわからない
起こっても、「必要なかった」となるかも
起こっても、耐震リフォームをしたから大丈夫とは限らない

お金が掛かる割に「分からない」からですよね。

「家と暮らし」相談アドバイザーの時、
東日本大震災の後は「耐震リフォーム」の相談がかなりありました。
ちなみにお店の場所は東京の郊外です。
その後徐々に相談は減りました。

「耐震リフォームをしたい」という希望でなくても、
ある程度大きなリフォーム検討の方へは、
「耐震」の提案をしていました。

リフォームは、関連工事がどこまで波及するかで金額が変わります。
ついでにやるほうが、トータルの費用が抑えられます。

しかし
東日本大震災の時大丈夫だったから大丈夫
とよく言われました。

東日本大震災の東京23区での震度は「5弱」でした。
今後発生する可能性のある地震「震度6強」以上です。

前述の記事に書きました。
ほか、全国の地震発生可能性の情報はこちら

可能性を把握」して、
最低限の備えはする」
と決めてしまってはどうかなーと思います。


「耐震リフォーム」の流れ


「耐震リフォーム」の進め方についてお話ししますね。

1、耐震診断

「耐震診断(簡易診断)」をします。
各自治体で無料診断をしているところが多いです。
しかし、各自治体にお願いしなくても、
一般のリフォーム会社で「無料」でやってくれるところは多いです。

いずれも図面があることが前提です。
図面がない場合は、図面制作費として数万円掛かります。

現状の耐震性能の最低基準「耐震等級1※震度6~7で倒壊しない」を1とし、評価数値が出ます。

「旧耐震」の建物で「1」を超えることはまずありません。
0.3程度の場合が多いです。
0.1台のこともあります。
現状の最低基準の1~3割しか強度がないということです。

2、概算見積り

耐震以外のリフォームの要望をあわせ、耐震工事の方法を選択。
ざっくり見積りが出ます。

「1」まで耐震性能を上げる工事をした場合の費用目安
ざっくり100~200万です。

3、精密診断

図面だけでは分からない筋交い(下図)や、基礎の状態、腐朽の程度などを細かく診断します。

精密診断は、基本的に有料です(10~20万程度)。

実際の耐震強度は、構造上のことだけでは決まりません
元の材料やメンテナンスに拠り、良い状態かどうかも関係します。
特にシロアリ、湿気や雨水で腐っていたりする強度は大幅に低下します。

結果をもって詳細見積りが作られます。

耐震設計の考え方


耐震の計算は、筋交いの量と位置と建物の形状などからします。
建物の重心と揺れの中心のズレを修正するイメージで設計します。

昔の建物は窓が多いです。
またX軸、Y軸で考えた時に一方がほとんど開口という建物もあります。

こういったケース、「耐震等級1」までもっていけない場合も多いです。
しかし、出来る範囲でやっておくことが大事です。


通常リフォームでも耐震効果のある工事


耐震改修そのものでなくても、耐震効果のある工事があります。

①屋根を軽くする
現状が「瓦」の場合、軽い素材の屋根に吹き替えます。
(コロニアルやスレート葺などと言います)
屋根を軽くするだけで、全体のバランスが良くなり効果大です。

②お風呂を改修する
在来(現場でタイルを貼った様なお風呂)からユニットバスへ交換します。
古い家のお風呂回りは、土台や壁内の柱が腐り
相当もろい状態になっています。
浴室回りをきちんとする。
それだけで、大きなウィークポイントが無くなり、
全体への耐震効果があります。


補助金について


「耐震リフォーム」の補助金は各自治体であります。
〇〇市 耐震 補助金」などと検索すると、大体出てきます。

ただし、補助金を受けることが必ずしもメリットとは限りません。
審査にパスするための手続きや既定の工事のための余分な費用が掛かる。
結果的にあまり「得」じゃなかった。
そんな話もありました。
時間も掛かります。
状況で、現実的な判断をすることも念頭に入れましょう。

概略理解出来たら。
次は「少し大きめ」のリフォーム会社に問い合わせてみましょう

※この時役所に問い合わせると、
3か月くらい余分に掛かったりします(経験上)。
「つなぎ」がちょーアナログですからね。。


リフォーム会社への問い合わせ方


以下、最初に伝えましょう。
耐震工事を検討している。
・自治体の補助金を使いたいが、対応できるか?
・耐震(簡易)診断や建物調査費用掛かるか?

リフォーム会社も色々です。
少し大きめのリフォーム会社だと「耐震工事」専門部隊があったりします。
最初に上記伝えておけば、経験のある担当者をつけてくれたりします。

お困りの時は、私へ問い合わせて頂いて構いません!
※noteの私のページの下
「クリエイターへのお問い合わせ」にてご連絡下さい。


工事の前に出来ること


耐震リフォームの前に出来ることがあります。

・モノを片付ける
・モノを留める

「言わずもがな」ですよね?

非常食のことは皆さん気にされていると思います。
でもこれ、生き残ってこその話です。
また命があっても怪我をしたら、救急車はすぐに来られません。
やはり「無事」であることが大事です。

「住環境の安全」、今一度点検しましょう。

※今回の記事は「木造の在来工法」のケースです。
ほかにも構造は色々ありますが、割愛しています。
建物の「構造」の話は、機会があったら書きたいと思います。

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