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実家の片付けのはじめ方

私は、「家と暮らし」相談アドバイザーをしていた時、
高齢者の家のモノの多さを、間近に見てきました。
高齢になると、本人が片付けをすることは難しくなってきます。
今日は「実家」の片付け方について、書いてみたいと思います。

築50年には50年分のモノ


家は、前の家が手狭になったから買う、というケースが多いです。
家族の人数が一番多い時に買うのですね。

最初は4人住んでいたのが、子供たちが巣立ち、2人、1人となる。
それなのに、モノは4人家族の時のままです。
おそらく今使っているものはせいぜい3割くらいでは?
どの家を見ても、それくらい年季の入ったものが大半です。

ある40代のご夫婦。
ご両親が亡くなった後の実家の片付けに、
毎週末通って半年掛かっていました。
ご主人は海外出張もある多忙な仕事、
奥様はお子さんの受験を控える中での、毎週末の片付け。
途中ご主人が腰を悪くしたりと、大変な様子でした。

私も訪問しましたが、何十年も昔に漬けた梅酒、
とうに賞味期限の切れた缶詰めなど。
床下収納から大量に出て来たりしていました。
まさしく築50年の家には、50年分のモノが詰まっているのでした。

なぜ、何十年も前のものを取っておくのか?
おそらく取っておいたつもりは無いのです。
「 見ないで」来たのです。

人は許容量を超えると「把握」できなくなります。
一つ一つ「要る、要らない」の「判断」を放棄してしまいます。
そうしてモノが積み重なるのです。

ご自分の家なら、まだ間に合います!
今のうちです。
すぐにでも始めましょう。


必要に迫られるタイミング


日本は超長寿命な国になっています。

自宅介護が必要になる
自立生活が難しくなり老人ホームに入る
戸建ては大変だからコンパクトマンションに移る

このように、何かしら「動き」があるのは80代です。
その頃には、本人は段ボール一つ持ち上げられない状態になっています。
そして家は築50年、50年分のモノがぎゅうぎゅうに詰まっています。

今は介護が必要になっても、本人も「できる限り自宅で」を希望します。
そうなると、ベットの置き場所、ホームヘルパーさんの介助するスペースなどが必要です。
急に必要に迫られ、あわててモノを片付ける方は多いです。
時間の迫った中、50年分の片付けからしなければいけないのは大変ですよね。

また、物が少ない状態にしておくのは
管理しやすい
危険防止
にもなります。


親への働きかけ方


さて、親への「働きかけ方」についてです。

人は高齢になると、「体力・気力・判断力」が低下します。
また、こういった「バイアス」も掛かります。
現状維持バイアス=今のままでよい
正常性バイアス=自分だけは大丈夫
問題をなかなか認識してくれません。

次に、生きてきた時代背景
モノのない時代、モノ=「豊かさ」でした。
そしてすべてが家族の歴史です。
今「必要」か「必要でない」が、判断基準ではないのです。

とはいえ、モノが生活をひっ迫するようでは困ります。

そこで、どのように始めるか。

①あなたのモノ
まずはあなたのモノが実家にないか確認してください。
「子供部屋」に勉強机がそのままになっているケースがとても多いです。
まずは自分のものを、すべて処分しましょう。

次に、親の使いにくいゾーンを「空」にしましょう。

②親の手の届かないところ
・キッチンの吊戸棚
・押し入れの天袋 など

③しゃがんだり無理をしないと取れないところ
・床下収納
・キッチン収納の奥 など

④重なっている奥のもの
・納戸の奥
・手前にモノを置いてる奥

この時、こう言いましょう。
「いざ使うとしたら危ないので、点検しよう」

「要らないものを捨てよう」
とは言わないことです。
私は言いました。
即座にブロック掛かりました(笑)

どうせ本人も忘れていたものばかりが出てきます。
贈答品など綺麗なものが出てきたら、使うかメルカリに出しましょう。
「使っている」モノが出てきたら、手の届く範囲に移しましょう。

その時はきっと反発に合います。
でも、捨ててしまえばすっかり忘れてしまいます。
これが人の不思議なところですね(笑)

街の工事現場、
「前に何があったけなー?」
と思い出せないのと同じです。
なんのことはない。。

そして入れていたもの(物入れや棚)が開いたら。
その「入れもの」を捨てましょう。

私の実家で4.5畳の物入れの奥を片付けたことがありました。
板状のデスクの上にカラーボックスを3~4個並べてモノを入れていました。
カラーボックス、懐かしいですよね!
ちなみにオレンジと黄緑色でした(笑)
このように、「工夫」して物を詰め込んでいたりします。

そして、そこががらんとすると
「何か入れられるんじゃない?」
と思うのが人情です。
なので、中身を捨てたら「入れもの」も捨ててください。

使えそうな「入れもの」を、今使っているものと「交換」はOKです。

実家に関しては、本人が「やる気」でない限り、いきなりは無理です。
支障のない範囲から少しずつ進めましょう。

でも、これだけでも全体の半分くらいは片付きます。
是非やってみてくださいね!

皆さんの健闘をお祈りします!

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