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「金銭感覚が狂ってからが趣味」

 約2ヶ月ぶりに、山登りに行った。

 ここ数年、毎年50日〜60日は山に入り浸っているので、山行が2ヶ月空くことはそうそうなかった。
 運動量が減ることがおそろしく、「絶対にコロナ太りしない」と誓ってお酒を減らしたり(果たして効果はあったのか?)ランニングに励んでいた。

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夜ランニングはよくここへ来る🛳


 今日は六甲山のメインルート、芦屋川〜有馬温泉まで。
 天気も良く、とっても山日和な日だった。

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山に魅せられて

 山に登り始めたのは23歳の頃だ。
 なんとなく、山登りをしていた会社の先輩の話に魅せられ、インターネットで情報収集しているうちに、一気に山に行きたくなった。
 好日山荘に足繁く通って、レインウェア、ザック、登山靴を揃え、一人でドキドキしながら比叡山に登った日のことをよく覚えている。

 自分で握っていったおにぎりがただただ美味しくて、下山してからのご飯とお風呂が最高で、あっという間に私は山登りの虜になった。

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 山でチョコフォンデュしたとき🍫

 その後、数回のハイキングを経た後、私はYosemiteというお店の初日の出ご来光登山に参加し、初めての登山から3ヶ月程で、雪山登山装備まで揃えてしまった。
 もともと、幼少期から冬は毎年家族でスキーに行っていたからか、雪に対する恐怖は皆無だった。

 そこから、アルプスでの小屋泊登山、テント泊とレベルを上げ、その都度装備を揃え、週末にはどこかの山へ歩きに行くという生活になった。
 特に夏のシーズンは、金曜の夜行バスで長野へ発ち、日曜の深夜にバスで帰ってくるような生活をしていたので、友達との週末ランチとか、それまでよく行っていたライブとかの予定も全て山に飲み込まれていった。

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 歩けば歩くほど、山のことをどんどん知れるのが楽しかったし、装備を揃えるとまた行ける場所が増えるというロールプレイングゲームのような楽しさに、すっかり魅了された私は、年間休日の半分以上を山にあてるようになった。

趣味変遷

 小学校時代から、親の影響で硬式テニスを習い、中学、高校とテニス部だったが、運動音痴なうえ小心者の私は、球技は下手だったし、勝負ごともとことん弱かった。(部活は楽しかったけど、向いてなかったと今は思う。)
 だから大学に入った時には、音楽が好きだったので、軽音楽部に入った。
 ここで私は邦楽のバンドにドハマりした。演奏することも好きだったけれど、長くクラシックピアノを習っていて、センスのない私にコピーバンド以上のことはできなかった。その代わり、部活を通じて本当にたくさんの音楽に出会い、ライブ通いが始まった。

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 大学時代は年間50本以上のライブに行き、ライブ遠征もよくしていた。その頃は、もう一生音楽と、バンドと共に生き続けるものと思っていたし、音楽は常に私の生活の中心にあったように思う。
 社会人になっても、相変わらず週末にはライブに通う生活をしていたけれど、思ったよりも仕事が忙しく、平日のライブや遠征には、なかなか行けなくなった。

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 そんな折、始めた登山にドハマりして、もうかれこれ5年が経った。今でも音楽は好きだけれど、山の予定が優先で、ライブに行くのは年数回だ。
 今や雪山登山、雪上テント泊までするようになり、「登山」というカテゴリではもうこれ以上できることはないかもしれない。ロープクライミングやバックカントリースキーにも興味はあるが、なんせ死ぬリスクが格段に上がるので、どこまで極めるのか悩ましいところ。

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 山登りの良いところは、自分で行く場所を決めて、計画を練り、準備をし、遂行していくプロジェクト感と、ほかの誰とも競ったり、戦ったりしないところで、私の性格にとても良く合っていると思う。結局その延長で、山登りが好きな人との結婚にまで発展した。好きなことを共有できることは幸せなことだ。


「金銭感覚が狂ってからが趣味」

 音楽でも登山でも、思えば狂ったようにお金を使っている。といっても一番お金がかかるのはどちらも移動費(遠征費)で、夜行バスでの移動が得意なことは、ライブ遠征→登山遠征に変わってからも重宝した。(もうだいぶ厳しくなってきたけれど。)
 昔はチケットやCDは発売されたら即!購入していたし、今は何かにつけてあれやこれやと登山道具を購入している。もはや私にとっては生活経費だし、「また登山行ってるねー!」と言われるたび、「ライフワークですから!」と言い続けている。

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 ライブによく一緒に行っていた友人から言われた「金銭感覚が狂ってからが趣味」という言葉には、本当に首を100回縦に降りたい。明確に『好きなものはこれ!』ってものや、こだわりがあることはちょっとした誇りだし、それくらいのめり込めるものがある人は、いつだってかっこいいと思っている。

 とは言え、最近は山に行けないことに気が狂うほどにでもなく、このおうち引きこもり期間も、ベランダででもキャンプしたい!と言うほどは渇望しなかった(部屋、一階だしね。)感度が下がってきたのか、はたまた、良い距離感なのか。やっぱりクライミングとかやってみたいなあ。

 けれど、久々の山登りは楽しかった。やっぱり、私は歩くことが好きだ。
 

ちまちま書き溜めているわたしの山記録はこちら。


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