噂の特ダネ弁護士

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弁護士/法律事務所の人材育成について色々書いていこうと思ってます。 https://ameblo.jp/uwasa-no-lawyer ブログもやってます。

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ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑩

法律相談⑤ ※今回は,相談者へわかりやすく説明することを念頭に置いているため,一部詳細な説明を割愛しています。そのため,厳密には不正確な記述もあります。 江頭「続いて,物損について説明しますね。」 加藤「はい。」 江頭「まず,物損については,法律上,修理代と事故当時の車両の時価額とを比較して,どちらか低い方しか請求はできません。今回の場合,修理代が50万円ぐらいとのことですので,車両の詳しい情報を得て,車両の時価額が50万円を超えるかどうかを調査する必要があります。」 加藤

    • ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑨

      法律相談④※今回は,相談者へわかりやすく説明することを念頭に置いているため,一部詳細な説明を割愛しています。そのため,厳密には不正確な記述もあります。 江頭「次は,人身の損害について説明します。加藤様の場合,休業損害の請求ができますので,この点を説明しますね。」 加藤「えっ!?私,働いてないですよ。」 江頭「実は,専業主婦の方でも休業損害って発生するんですよ。家事だって立派な労働ですから。」 加藤「そうなんですか!?確かに,いつも家事しててお金もらってもいいんじゃないかっ

      • ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑧

        法律相談③※今回は,相談者へわかりやすく説明することを念頭に置いているため,一部詳細な説明を割愛しています。そのため,厳密には不正確な記述もあります。 江頭「次は,後遺障害について説明します。正直,今は事故直後で,今後,お体がどうよくなっていくのかわかりませんから,症状が残るかどうかも現時点ではわかりません。ただ,万が一,症状が残ってしまった場合に備えて,今からできることはやっておきましょう。」 加藤「わかりました。」 江頭「まず,今回の加藤様が負われたおケガは,いわゆる

        • 読書感想文① 「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク」

          佐藤昌弘さんの書籍です。 私は,弁護士になる前は,サラリーマンをしていました。営業でした。飛込営業とかテレアポとかやってました。その当時も,一度この本を読みました。当時,とても参考になったのを覚えており,この本に書かれていることを実践していたのを覚えています。 今回,弁護士の視点から改めて読んでみるとどんな感想を持つのか,ふと興味が湧いたので,読んでみました。 皆さんが弁護士にどのようなイメージを持たれているかはわかりませんが,ひと昔前までの弁護士と言えば,事務所構えて

        ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑩

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        • ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル
          10本

        記事

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑦

          第7話 法律相談② ※今回は,相談者へわかりやすく説明することを念頭に置いているため,一部詳細な説明を割愛しています。そのため,厳密には不正確な記述もあります。 江頭「では,今後の見通しも含めて,ポイントを説明していきますね。まずは,人身から説明しますね。こちらの図をご覧ください。」 加藤「はい。」 江頭「この図は,交通事故の全体の流れをお体の健康度と時間軸を使って表現したものです。縦軸が健康度,横軸が時間軸です。まず,事故に遭うと,今回の加藤様のように体に異変が生じま

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑦

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑥

          第6話 法律相談① 川口「さて,そろそろ相談者が来そうだな。江頭君,準備はバッチリ?」 江頭「もちろん,バッチリですよ!ツナマヨのおにぎり食べましたし!」 川口「いや,そういうことではなくて・・・相談には何を持って入るの?」 江頭「そうですね~ノートと筆記具ぐらいっすかね。」 川口「いやいや,しっかり準備してても実際の相談の際はどんな事実が出てくるかわからないからちゃんと対応できるようにしておかないと。」 江頭「そうか・・・」 川口「まずは,赤い本と緑本は持って行こう。あと,

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑥

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑤

          第5話 相談方針決定③ 江頭「いや~川口先生,今日は朝からとても充実しています!学ぶ~」 川口「いや,朝からって・・・もう,昼だけどな。もっと,普段から勉強して,朝も早く来てくれればこんなに慌ててレクチャーしなくてもいいんだけどね。」 江頭「まぁまぁ,川口先生。そんな,カリカリせずに。過失割合,やっちゃいましょう!」 川口「お前は,ほんとに・・・色々言いたいけど,時間もないし,やるぞ。」 江頭「そうしましょう,そうしましょう。」 川口「まず,過失割合の点について,江頭君は,

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル⑤

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル④

          第4話 相談方針決定② 川口「じゃあ,次は,物損について説明するね。」 江頭「お願いします!」 川口「物損でよく(経済的)全損とか分損とかって保険会社の担当者から聞かないかな?違いはわかってる?」 江頭「はい。さすがに,それぐらいは。物損の処理は一般的に修理代と事故車両の時価額を比較して,前者が後者を上回っている場合は,経済的全損といって,車両時価額に買替諸費用を上乗せした金額が賠償額になります。一方,前者が後者を下回っている場合は,分損といって,修理代が賠償額になります

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル④

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル③

          第3話 相談方針決定① (ガチャ・・・) 江頭「(小声で)おはようございます・・・」 伊田・川口・福島「(大声で)おはようございます!」 江頭「あっ・・・えっ・・・」  伊田が江頭の目の前に立ちはだかる。 江頭「すっすっすみません!遅くなりました・・・」 伊田「別に何も言ってないけど,なんで謝るんだい?出勤が遅くなったことに何か後ろめたいことでも?」 江頭「あっ,いえ,その・・・」 川口「ははは・・・墓穴掘ったな。どうせ,昨日,ハロウィンパーティーにでも行ってたんだろ

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル③

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル②

          【新たな登場人物】 5.加藤京子(女性)   交通事故の被害者。初めての事故でとても不安に思っている。 第2話 電話聴き取り 早速,福島は,受話器を取り,問い合わせメールに記載された携帯電話へ連絡をした。 ※以下の電話は,令和元年11月1日にしているものとする。 (トゥルルル・・・トゥルルル・・・ガチャ) 福島「加藤様のお電話でお間違いないでしょうか?」 加藤「・・・はい・・・どちら様でしょうか?」 福島「失礼したしました。初めまして。ワイルド法律事務所です。この度

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル②

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル①

          【主な登場人物】※全て架空の人物です。 1.福島りえ(女性)  新人事務局。ある日,突然,事務所から交通事故専門事務局になってくれと頼まれたが,交通事故案件を担当した経験はない。これから色々勉強しようとやる気に満ち溢れている。 2.川口正博(男性)  弁護士。交通事故案件が得意。事務所から福島さんを交通事故の敏腕事務局に育ててくれと頼まれ,どうやって教育していくべきか日々頭を悩ませている。また,新人弁護士の江頭の指導も任されている。 3.伊田弘典(男性)  弁護士。この事務所

          ストーリーで学ぶ交通事故案件処理マニュアル①